こんにちは、本シェルジュの中島です。

画期的な発明、偉大なアイデアは一人の天才が産み出し、歴史に名を残していく。今回
ご紹介するのは、そんな「孤高の天才」のイメージを払拭する一冊です。

数々の研究成果を元に、アイデアは意識している、していないに関わらず人とのコミュニ
ケーション、コラボレーションから産まれていることを解き明かし、創造的な発想を産み
出すための環境について述べています。

新しいアイデアを必要とする部署、チームだけでなく、職場を活性化したいと思っている
方にもおすすめする一冊です。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊             〓
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凡才の集団は孤高の天才に勝る―「グループ・ジーニアス」が生み出すものすごいアイデア
キース・ソーヤー (著), 金子 宣子 (翻訳)
ダイヤモンド社 (2009/3/6)384ページ
AmazonURL:http://goo.gl/sV49Jm

今回の登場人物
◆商品開発部メンバー:市川
◆商品開発部部長: 大塚
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市川: 大塚先輩、先輩ってどうやってあんな斬新なアイデア思いつけるんですか?
やっぱり才能なんですかね?

大塚: いろんなところで情報をインプットしてるからかな。
今、世の中が注目しているニュース、何が流行ってるかとか、いろんな業界
の人と話してると見えてくるものがあるんだよ。

市川: そうか!それで大塚先輩は毎日飲みに行ってるんですね。合コンばかりや
ってるかと思ってました。

大塚: おまえそんな目でオレを見てたのかよ・・・

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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出(引用)です            〓
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●この結果、最もイノベーティブなチームは、計画段階にかける時間が少なく、
実施段階にかける時間が多いチームであることが判明した。(36ページ)

●同質のメンバーで構成されているグループは、すべてがほぼ同じ状態を維持
している場合は優れた働きを見せ、異質のメンバーのグループを上回る機能
を発揮することもあるだろう。だが、短期的に見た効率は、環境が変化し、
イノベーションが必要とされる状況では、最終的な失敗という高いコストを
払わされることになる。(93ページ)

●被験者たちは、自分が独りで洞察を得たと信じているが、実際には何らかの
「社会的出合い」が引き金となって、アイデアが浮かんだのである。
(125ページ)

●創造的であるためには、類例となる可能性のあるものに目を留め、できるか
ぎり多くの類例を頭に刻んでおく必要がある。そして何らかの問題に突き当
たった場合には、可能なかぎり種類の異なる類例を参考にして打開に努める
といい。(152ページ)

●米欧日の企業を対象としたある研究によれば、最もイノベーティブな企業は、
一事業部門の社員を四〇〇人を下回る数に抑えている。また、進化論の専門
家は、私たちのDNAには、一五〇人程度のグループ規模がプログラムされ
ていると断言する。(209ページ)

●新たなアイデアは、大部分が結果には結びつかないだろう。失敗は、コラボ
レーション型組織の避けがたい現実だからだ。けれども、失敗の数が増えな
ければ、成功の数も増えるはずがない。(221ページ)

●他者とのつながりは、創造的な題材の新たな供給源をチームにもたらす。だ
が、ネットワークが完全につながってしまうと、アイデアの多様性が低下し、
昔ながらの型にはまったスタイルに陥る危険がある。(269ページ)

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〓 3)今日の気づき                         〓
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斬新なアイデアを生み出すのは才能だけではない。それを知ることで自分の
可能性が広がる気がします。
自分が積み重ねてきたものと、人とのコミュニケーションの相互作用で素晴
らしいアイデアが生まれる可能性があると考えただけでもワクワクしますね。

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〓 4)本書の目次                          〓
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第I部 凡才を天才に変えるチームの力
第1章 コラボレーションの力は天才を超える!
第2章 緊急対応がすごい結果を生むのはなぜなのか?
第3章 チームに生まれる一体感の正体をつきとめる
第4章 集団思考の罠に気をつけろ!

第II部 ものすごいアイデアが閃くメカニズムを解明する
第5章 ひらめきにまつわる誤解を解く
第6章 ものすごいアイデアを支える無数の閃き
第7章 おしゃべりとアイデアの素敵な関係

第III部 凡才のネットワークが天才を凌駕する
第8章 組織の壁をぶち壊せ!
第9章 コラボレーション・ウェブを形成せよ!
第10章 顧客を巻き込んで発想せよ!
第11章 コラボレーション経済圏を創出するために