「MBA流 チームが勝手に結果を出す仕組み」 PHPビジネス新書 若林計志著

今回は本書の活用提案という観点を入れて書評を書いてみたいと思います。

著者は自身のマネジメント経験とMBAプログラムの立ち上げ・運営から得た経験から、人と組織のマネジメント理論や手法について語り、的確なコントロールのための3つの手法を紹介しています。

前半の理論部分や事例の紹介については、経営やマネジメントの本をある程度読んだことのある方にはおさらいのような内容です。はじめて触れる方には経営関係の知識を身につけるイントロダクションとして活用すると良いと思います。

後半は、人と組織をうまく動かし、パフォーマンスを上げるための“3コントロール(行動、結果、環境)”について書かれています。

大きく言うと、「行動のコントロール」はマニュアルで行動を規定して一定水準以上の結果を極力頭を使わずに無駄なく誰でもだせるようにするためのもの、「結果のコントロール」はやり方は各人の創意工夫ありでOK、結果を出してもらうためのもの、「環境のコントロール」は組織全体で生産性の高さをキープ/向上するために必要なことを挙げているものという感じです。

即効性を求めるならば、3つの中でもリーダーが自分が言いだしっぺとして試しやすい「行動と結果」を工夫してみるとよいのではないかと思います。 「環境」はより組織的な動きが必要であるため、長い目で見て提案していくことが必要。けれどももちろん、たとえばナレッジ・マネジメントなど、当たり前と思われていたり個々人が抱えがちな知識・経験の共有のしくみをつくったりすることは結果的に無駄をなくしたり生産性の向上にもつながったりするため、取り組む価値がありますよね。(この環境を左右できるセクションにいる方にはぜひここから!)

今おかれている状況別で考えてみると、たとえばこんな読み方がいいのかなと。

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○これからリーダーになられる方

考え方のベースとして3コントロールを通して知っておく(きちんと学ぼう!というモードで読んでみる)。現実を目の前にしたときに最初からうまくコントロールするための手法を引き出しとしてあらかじめ持っておくことができます。

○今、リーダーでグループ内の仕事のはかどり具合やモチベーションなどになんとなく課題を感じている方

自分のマネジメントの仕方のふりかえりながらゆったり一通り読む(朝活でコーヒーを飲みながら的な感じで読んでみる)。3コントロールで活かせそうな要素をタイミングを見て試しに取り入れてみてはいかがでしょうか。

○とにかく今がいっぱいいっぱいいなリーダーの方

後半に書かれている行動コントロールと結果コントロールを中心に読む(とにかく短い時間に集中して読んでみる)。いっぱいいっぱいなときは頭を整理するツールに助けてもらうことで楽になることもあるのではないでしょうか?書かれているコントロールの枠組は、非常にシンプル。わかりやすいからこそ、何が今問題かを一呼吸おいて整理するきっかけになりそうです。ぜひ、頑張って局面を乗り越えてください!

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ご興味をもたれた方は以下からどうぞ♪