みなさん、こんにちは。本シェルジュの岩永です。

4月になっても寒暖の差が激しく、体調を悪くされた方も多いのでは
ないでしょうか。
もうすぐGWですね。家族サービスに費やす人も、お仕事が入っている
方も楽しく過ごせるといいですね♪

本日、ご紹介する本は、データ分析で著名な平井明夫さんと酒井勇貴さんを
はじめとする中小企業診断士の方が書かれた
『「埋もれた数字」が利益を伸ばす 社長はデータをこう活かせ! 』です。
4月17日に出版されたばかりの書籍です。

昨年は、空前の「統計・ビッグデータ・データ分析」ブームでした。
本屋さんには関連する書籍が所狭しと並んでいました。

私もたくさん読みましたが、大企業向けのものが多いのではないかという
印象を強く感じておりました。
この本は、自社にある「数字」だけを用いる内容となっており、中小企業
でも実践可能な内容になっています。
統計やデータ分析を行った結果、新たな顧客獲得や、新商品開発など
「華やか」なものに目が向きがちですが、まず、「足もとを固めよ」という
ことの重要性が書かれている良書であると感じました。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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「埋もれた数字」が利益を伸ばす 社長はデータをこう活かせ!
平井 明夫, 酒井 勇貴, 渋屋 隆一, KIYOラーニング株式会社 (著)
日本実業出版社 (2014/4/17) 221ページ
Amazon URL
http://www.amazon.co.jp/dp/4534051786

今回の登場人物紹介
◆課長:40代前半
◆部下:20代後半の営業マン
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部下:
課長!月末ぎりぎりになりましたが、見込み案件に入れていた、A社から
受注できました!1,000万円の売上です!

課長:
おー、よく頑張ったな。これで、うちの課も予算達成だ。
ただ、優秀なお前だから今後のこともあるので、少し話しておきたいことが
ある。こういう話は、いい時こそ言うべきだと思うからな。

部下:
は、はい。なんでしょうか。

課長:
たしかに、A社案件は、うちの会社で扱っている商材で考えてみても売上高の
高い案件だ。ただ、利益がどれくらいか考えてみたことがあるか?
具体的に言うと、この商談を決めるために、何回訪問して、提案資料作成に
どれくらいの時間を費やしたか考えてみたことがあるか?
また最終的な受注を勝ち取るためにした値引きや交際費のことも考慮すると
500万円のB社案件の方が利益額は高いかもしれない。

部下:
いえ、まったく考えていませんでした。

課長:
これから、マネジメント職になっていくんだから、そういう意識も持って
くれると尚いいね。期待しているから頑張ってくれ。

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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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■セグメント別損益で経営を悪化させる「あいまいさ」をなくす P.31より
会社の事業を分割して個別に利益を計算することで、採算の合っていない事業
や、今後注力すべき事業を社長さんが見つけることができるようにすることが
重要なのです。

■本当に予算は機能しているか? P.38より
売上が1千万円増えても、利益が同じ額だけ増えるわけではありません。
それを無視して、経費を1千万円増やしてしまっては、利益が減るのは当たり前
です。

■セグメント別損益で本当の上得意先がわかる P.53~59より
利益率を上げたい時に、優先すべきは売上アップではなく、コスト削減なの
です。
(中略)
セグメント別損益の結果に基づく施策は、単なるコスト削減ではなくて、より
前向きな活動を行うための業務の効率化であるということが重要です。この
ことは、施策を実施する社員のやる気にもつながります。

■事業の良しあしは営業利益で評価しよう P.86より
セグメント別損益は粗利のレベルではなく、営業利益のレベルで行ってこそ、
本当の効果を発揮します。

■コストを分割する時のテクニック2 個人にひも付ける P.116より
セグメント別損益に必要なのは、どの顧客(商品)に、どの程度の時間を
割いて働いたかのデータ、すなわち、タイムレポートです。

■会計データからは、売上の見通しは見えてこない! P.129より
受注データは「将来の売上を予測するデータ」として大変役に立つといえる
のです。

■いざという時にどうやって黒字を確保するか? P.155より
経費削減を行う際は、商品別、顧客別に利益を計算して、利益が出ていない
部分の経費から手を付けることが重要です。

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〓 3)今日の気づき                       〓
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本書は、具体的なデータ分析の技術を書いているのではなく、「考え方」に
ついて丁寧に書いてくれています。
データ分析といっても、外向きのものと内向きのものがあります。
企業の規模や業種、業態、業績などにより、目指すものは異なりますが、
多くの中小企業の場合は、まず「内向き」なデータ分析を行い、足元を
固めることの方が、優先度が高いような気もします。
スモールデータの利活用ですね。
その上で、外向きなデータ分析も合わせて行えれば、かなり理想的だと
感じました。

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〓 4)本書の目次                        〓
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第1章 数字に裏付けされた経営計画を立てる
第2章セグメント別損益で適切な経営判断をする
第3章 聖域なきコストの可視化を実現する
第4章 受注・商談データで未来を予測しよう
第5章 経営計画で「軌道修正」と「成長投資」の二兎を追う

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「埋もれた数字」が利益を伸ばす 社長はデータをこう活かせ!
平井 明夫, 酒井 勇貴, 渋屋 隆一, KIYOラーニング株式会社 (著)
日本実業出版社 (2014/4/17) 221ページ