おはようございます。本シェルジュの藤井無限です。

今回は、最新の経営学の研究をトピックを厳選して、
まとめた書籍を紹介します。

ビジネスマンの方は、会社の経営に関して漫然と、
ひょっとしたらこうなんじゃないか。。と思っていることがあるかと思います。
例えば、「差別化すればずっと、会社が競争優位である。というのは、
そんなことないのでは、だってすぐに競争相手が追い付いてくるから。。」
とか。そんな疑問の数々に、最新の経営学の研究成果がヒントをだし、
頭の中をすっきりさせてくれます。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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世界の経営学者はいま何を考えているのか
~知られざるビジネスの知のフロンティア~
入山章栄
英治出版(2012/11/25) P349

今回の登場人物紹介
◆Aさん:商品企画部の社員
◆無限:商品企画部の社員、Aの同僚
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A :最近、商品Zの売上落ちてきているみたいだね。
そろそろ、Zに代わる新製品を市場に投入しないとマズイな。
無限:そうですね。本当に、ここ数年商品のライフサイクルが短くなっていってます。
A :Zは画期的な商品で他社とも十分差別化できていたと思うんだけどね。
無限:差別化は確かに必要ですが、ハイパー・コンペティッションの時代には、
もっと大切なことがあるようですよ。
この本を読んで一緒に勉強しましょう。

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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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ドラッカーの言葉は名言であっても、科学ではない。(P15)

現在欧米を中心としたトップスクールにいる経営学者の多くは
科学性を重視しており、そのために「理論→統計分析」の演繹的なアプローチ
が支配的であるという事実です。そして、一般的な法則を検証することを世界の
経営学が目的としているかぎり、この潮流は当面変わらないものと思われます。

そして、本書がみんなさんに紹介したいのは、まさにそのような研究の数々なのです。
(P39 なぜこの本が珍しいのかより)

企業とは何かという問いに対して経営学は四つの視点を持っていると述べます。
第一に「効率性」を重視する視点です。
(中略)
第二に企業の「パワー」を重視する視点があります。
(中略)
第三に企業の持つ「経営資源」を重視する視点があります。
(中略)
最後に、従業員の「アイデンティティ」を重視する視点もあります。
(P50 企業とは何か、についての4つの視点)

ハイパー・コンペティッション下では攻めの競争行動が有効になる可能性がある。(P81)

経営学は、とても若い分野です。(中略)
それだけに、経営学研究のあるべき姿については
今後も論争が繰り広げられていくことでしょう。
そのような論争を通じて経営学が発展することで、日々のビジネスに
使える経営学の知見を求めているみなさんみも、その研究の成果が
もっと役立っていくのではないかと私は期待しています。(P341)

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〓 3)今日の気づき                       〓
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経営学者、経営コンサルタント、経営者(経営管理者)は、
それぞれ経営に対する役割が違う。
自分がどんな立場で経営に接するのかをよく考えよう。

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〓 4)本書の目次                        〓
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第1章 経営学についての三つの勘違い
第2章 経営学は居酒屋トークと何が違うのか
第3章 なぜ経営学には教科書がないか
第4章 ポーターの戦略だけでは、もう通用しない
第5章 組織の記憶力を高めるにはどうすればよいのか
第6章 「見せかけの経営効果」にだまされないためには
第7章 イノベーションに求められる「両利きの経営」とは
第8章 経営学の三つの「ソーシャル」とは何か(1)
第9章 経営学の三つの「ソーシャル」とは何か(2)
第10章 日本人は本当に集団主義なのか、それはビジネスにプラスなのか
第11章 アントレプレナーシップ活動が国際化しつつあるのはなぜか
第12章 不確実性の時代に事業計画はどう立てるべきか
第13章 なぜ経営者は買収額を払いすぎてしまうのか
第14章 事業会社のベンチャー投資に求められることは何か
第15章 リソース・ベースト・ビューは経営理論といえるのか
第16章 経営学は本当に役に立つのか
第17章 それでも経営学は進化しつづける

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世界の経営学者はいま何を考えているのか
~知られざるビジネスの知のフロンティア~
入山章栄
英治出版(2012/11/25) P349

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