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□■本シェルジュがオススメする今日の一冊■□ Vol.0019 2010.11.4
~本シェルジュ達から、頑張るビジネスパーソンへの贈り物~
本シェルジュ=本のコンシェルジュのことです。
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こんにちは!本シェルジュ「けい」こと、松本圭介です。
「小倉 昌男」と聞いて、誰だかわかりますか?
少しビジネスに明るい方は、「何をいまさら・・」と言うかもしれません。
今回は、小倉昌男を知らなかった、知っていたけど読んだことがなかった、
という方にぜひ読んで欲しいお薦めの一冊です。
経営者の方、管理職の方、そして新規事業の立ち上げを予定している方には、
特にお薦めです。
小倉氏は、クロネコヤマトの宅急便で有名なヤマト運輸の社長だった方で、
宅急便の生みの親です。
ヤマト運輸の創業は大正8年と古く、三越百貨店と大口契約するなど
トラック運送会社としては最大手でした。
しかしながら、経営環境の変化に伴い、三越百貨店と決別し、
新規事業として「宅急便」を開発したのです。
当時は一般消費者を対象とした小口貨物の宅配は、郵便局の独占市場で、
ニーズがあるにも関わらず、採算があわないといわれていました。
そんな中、個人向け宅配事業に参入した著者は、
何をきっかけとして、個人事業に着目し、
どのようなプロセスで検証し、
反対する周囲を巻き込み、
実現にこぎつけたか。
ビジネスモデルの実現を図るうえで、一番知りたいことが
豊富につづられています。
<目次>
  1)今日のオススメの一冊
 2)付箋
 3)気づき
 4)本書の目次
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〓 1)オススメの一冊                   〓
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(今回の登場人物)
ワタル:経営コンサルタント、32歳、男
けい:本シェルジュ、35歳、男
(やりとり)
けい :最近、新規事業開発を掲げる企業が増えてますね。
ワタル:そうですね。経営環境の変化が激しい時代だから、既存事業の
    先行きが不透明ですしね。
けい :でも、新しい事業を始めるってことは、リスクがあったり、
    今までのやり方を変える必要があったりと、
    反対する人も出てくるだろうし、大変だなぁ・・・
ワタル:でも、そうやって新しい事業を成功させた人の苦労したことや
    工夫したことって本当に勉強になりますよね。
けい :そうですね。そして、そういう情報って教科書では中々得られない
    ですしね。
ワタル:うんうん。例えば、どんな書籍がありますか?
けい :クロネコヤマトの宅急便って知ってますよね。
ワタル:ええ。よく利用してますよ。
けい :宅急便を開発した当時のヤマト運輸の社長が、小倉昌男さんと
    いう人なんですけど、この誕生秘話がとても深いので、お奨めですよ!
「小倉 昌男 経営学」 小倉 昌男
日経BP(1999/10)
http://amzn.to/8XOZyx
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〓 2)付箋                            〓
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■個人宅配市場へのアプローチ(P75)
 郵便局以外にライバルがいないにもかかわらず、商業貨物と異なり、
 個人宅配を扱う運送業者がいなかったのには、
 数々のデメリットがあると考えられてきたからだ。
 (中略)
 私の作業はこの”常識”をあえて疑い、逆にどうすればこの市場で
 効率良く集配作業ができるかを考えるところから始めた。
■全員反対(P94)
 私は、社内のあらゆる機会をとらえて新規事業の構想を説いて回ったが、
 はかばかしい反応は得られなかった。
 そんなとき、意外なところから声が上がった。
 社長がそんなにしつこく言うなら本気で考えてみようか----。
■現場が自発的に動く体制(P172)
「全員経営」とは、全社員が同じ経営目的に向かい、同じ目標を持つが、
 目標を達成するための方策は社員一人ひとりが考えて実行する。
 つまり、社員の自立的な行動に期待するのである。社員に目標は与えるが、
 会社側はやり方について命令したり指図したりせず、社員がその成果に責任を
 もって行動する、というものである。
■供給者の論理、利用者の論理(P128)
 ヤマト運輸の社員の方からすれば、せっかく配達に行ったのにお客様が留守で
 渡せなかったのは、お客様が悪いのだ、と思っている。
 だが、本当にそうだろうか。お客様の言い分はこんな風ではないか。
 一日中留守だったわけではない。、たまたまおつかいに出ていた間に
 ヤマト運輸が配達に来たのだが、三十分後には帰ってきて、
 その後は一日中家にいた。
 だから、留守の時に配達に来たヤマト運輸が悪いのだ
■論理的思考(P272)
 前提条件があり、与件が与えられ、目標が決められ、行動に移す。そして
 期待した通りの結果が出るかどうか。それは経営者の読みが深いか浅いかに
 かかっている。
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〓 3)今日の気づき                       〓
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「そんなビジネスは成功するはずがない」と反対されたときこそ、
本気でそのビジネスを検証してみる価値があるのではないかと思います。
誰もが儲かりそうだと思うようなビジネスは、既に誰かが始めている可能性が
高いからです。
もちろん、2番煎じを否定するわけではありませんが、
「社会の仕組みを変えることができた」
という達成感は、新たなビジネスモデルに果敢に参入した者にしか
得られないでしょう。
何か重要なことを決心するとき、独りよがりにはならず、
他人の意見も聞くことも大事です。
その他人に反対されたとき、決心はぐらつくかもしれません。
そうしたとき、最後の拠り所になるのは、
論理的に考える力と自らの信念とだということを
改めて気づかされました。
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〓 4)本書の目次                        〓
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「小倉 昌男 経営学」 小倉 昌男
日経BP(1999/10)
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第1部 牛丼とマンハッタン
    ・宅急便前史
    ・宅急便前史
    ・私の学習時代
    ・市場の転換
    ・商業貨物から個人宅配へ ほか
第2部 サービスは市場を創造する
    ・宅急便の経営学
    ・宅急便の開発
    ・サービスの差別化
    ・サービスとコストの問題 ほか
第3部 私の経営哲学
    ・組織の活性化
    ・経営リーダー10の条件
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