こんにちは。本シェルジュの松林栄一です。
早いもので、もうすぐ1月が終わりますね。
さて皆さん、年初に何か目標は立てましたか?
立てた方は、その進捗はいかがですか?
私の場合、目標の1つを「ビジネス英語を勉強する」としたのですが、具体的に着手できていませんでした。
これまで、日常業務で英語を使うことはまずなく、「必要になったらお金出して通訳を頼めばいい」程度に考えていました。
しかし、現在の仕事である経営コンサルティングでも、海外に活路を見いだす中小企業が増えてきて、取引相手となるアジア諸国等との交渉は英語でする場合が多いため、英語を無視できなくなってきています。
本当は毎日のビジネスの中で英語を定着させるのがベター。でも今はそういう環境にはない。持ち運んで移動時間などに利用できる、おもしろい本はないかな?
そんなことを思いつつ、立ち寄った書店のビジネス英語コーナーで買い求めた中から、気に入った本をご紹介します。
この本は、一昨年刊行されてベストセラーになった、『スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン』(カーマイン・ガロ著、日経BP社刊)の分析をもとにして、活き活きとした英語表現を学ぼう、というコンセプトです。
前半ではジョブズの用いた英語表現を50のポイントに整理し、後半では名プレゼンと言われるiPhoneの発表とスタンフォード大学卒業式の祝辞を、対訳とポイント番号付きで掲載しています。
「どうせなら、中身のおもしろい本で楽しく英語に触れたい」というあなたに、お勧めの一冊です。
<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊 〓
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スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン
-聞き手の心をつかむストーリーと50表現
日経BP社 (2012/1/14) 200ページ
今回の登場人物紹介
■松林:英語は嫌いではないが、仕事で使うことはほとんどないビジネスパーソン。
■りか:松林の娘。小2。マンガ『ちはやふる』と百人一首に夢中。
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松林:ただいま~。今日はたしか、英語の授業がある日だっけ?
りか:うん。マシュー先生と一緒に、動物の名前を使ったゲームをしたよ。ママは「むかし流行った“フルーツバスケット”の英語版だね」って言ってた。
松林:フルーツバスケット、懐かしいな。パパも子どもの頃にやったよ。今の小学校は楽しそうでいいね。
りか:(松林の持っている本を見て)あ、スティーブ・ジョブズ。この前、『世界を変えた男』っていう番組で、一緒に見た人?
松林:そうそう。ジョブズさんは新しいコンピュータや電話を作った人だけど、お話がすごく上手なことでも有名なんだ。パパもこれからは英語をお仕事に使うかもしれないから、ジョブズさんの本を読んで勉強しようと思って。
りか:え? パパは英語が得意じゃなかったの?
松林:昔、「とーいっく」っていう英語の試験で、100点満点の70点ぐらいは取ったことあるよ。でも、最近ぜんせん使わないから忘れちゃったんだ。
りか:100点満点の70点じゃあ、「ふつう」だよね。100点めざして頑張らなくちゃ。私だって、百人一首を100首ぜんぶ暗記したんだよ!
松林:そ、そうだね。頑張るよ!(汗)
(暗記力はトシを取ると衰えるとか、TOEICで何点取れたらどういうレベルとか、子どもに説明するの面倒だしなぁ…)
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です 〓
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■P1 前書き
英語のプレゼンというと、つい英語ばかりに目が向きがちです。これが英語プレゼンの“敵”となります。英語を間違えてはいけないと緊張するあまり、本来の目的だった「内容を伝えること」が二の次になり、プレゼンの流れがよどんでしまいます。英語プレゼンでは、多少文法を間違えても、少しくらい発音がおかしくても、まったく気にすることはありません。
実際、ジョブズのプレゼンを書き起こしてみると、厳密に言えば文法が正しくなかったり、「普通はこうは言わない」とネイティブに指摘を受けたりしそうな個所がいくつも出てきました。(中略)こうした細かい部分にこだわるよりも、プレゼンで何が言いたいのか、どう話を展開すれば伝わるのか、どんな表現を選べば効果的なのかを考えることに力を入れたほうが、説得力のある魅力的なプレゼンができるのです。
■P22 02 魅力的な報告で盛り上げる
Well, I’m pleased to report that now, in the U.S., Macs are selling through all channels; over half of them are being sold to people who have never owned a Mac before.
(さて、うれしい報告がある。アメリカでは、Macはあらゆるルートを通して販売されているけれど、その半数以上が今までMacを買ったことがない人たちに売れているんだ。)
製品を紹介したり、プレゼンに入ったりする前に、会社や製品についてのニュースを伝える。その際、数字ならば聞き手に密着した値に置き換えるし、情報はみんなが人にしゃべりたくなるような形に変える。新規顧客の数を並べるよりも、「半数以上は今まで買ったことがない人」と言うほうが理解しやすく、聞き手が周りに話したくなる。宣伝広告以上の効果を持つ口コミを巻き起こせるのだ。
[英語表現]
I’m pleased to ~ that ・・・.
~を(喜んで)させていただきます。
■P38 10 3点ルールで示す
The first one is a widescreen iPod with touch controls.
The second one is a revolutionary mobile phone.
And the third one is a breakthrough Internet communication device.
(最初に、タッチコントロール式のワイドスクリーンiPod。2つ目に革命的な携帯電話。3つ目に画期的なインターネット・コミュニケーション・デバイスだ。)
3つのポイントをあげてストーリーを始めるのが、ジョブズらしいプレゼンの始め方。ただ今回はちょっと違う。iPhone発表の際、その3つの特徴をまるで3つの製品かのように説明し、聞き手の期待と想像力をかき立てながら話を進め・・・・・・実はすべての技術が入ったひとつの製品と明かして会場を沸かせた。聞き手の興味を引きつけて期待を駆り立てた上で、3本の道が交わった点にiPhoneを登場させたのだ。
[英語表現]
The first ~, the second ~, and the third ~.
最初に、2つ目に、3つ目に~。
■P60 21 製品を紹介する
We are calling it iPhone. Today, Apple is going to reinvent the phone, and here it is.
(その名は、iPhone。今日、アップルは電話を再発明する。これがそうだ。)
従来の技術や商品への問題提起や解決策を伝えてきた。いよいよ製品にスポットライトを当てるときだ。We are calling itで一度間を置いて、iPhoneと言いながら文字をスライドに表示する。ヒーロー参上のドラマチックな場面・・・・・・のはずが、ジョブズが見せたのはダイヤル付きのiPodというジョーク品。聴衆の笑いを誘いながら期待を高め、ヒーローの登場となる。
[英語表現]
We are calling it ~. / We call it ~.
その名は~、~と呼んでいます。 ~と名付けました。
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〓 3)今日の気づき 〓
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ジョブズのプレゼンについては、YouTubeにいくつも動画がアップされていて、何度か見たことがある。中には日本語字幕入りのものもあった。細かいことを考えずに通しで見て、「話の構成が分かりやすいなぁ」、「演出がうまいなぁ」、「情熱的で何だか楽しそう」という、ざっくりした感想を持っていた。
この本で分解されたポイントごとにキーになる表現を見てみると、みなシンプル。文法的にも単語のレベル的にも、けっして高くはない。他人に何かを伝えるためには、高度な言い回しやレトリックよりも、言いたいことを頭の中でしっかり整理し、端的に他人に示すことのほうが大切なのだろう。
ジョブズの人柄をマネることは少なくとも簡単にはできそうもない。でも、上記の「考え抜いたうえでのシンプルさ」を追求することによって、英語で、そして日本語でも、説得力があって印象に残るプレゼンに近づけそうだ。
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〓 4)本書の目次 〓
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■はじめに
■スティーブ・ジョブズの英語プレゼンを解剖!
全体の流れと英語表現を見渡そう
■スティーブ・ジョブズの50表現
◇冒頭で注意を引く
◇経緯を報告
◇ロードマップを描く
◇敵役の登場
◇ヒーローの登場
◇デモ
◇多角的にアピールする
◇目標と数字の提示
◇効果的に締めくくる
■50表現の流れをもう一度つかもう
■伝説のプレゼン、感動のスピーチで実感!
◇iPhone発表のプレゼン
◇スタンフォード大学卒業式の祝辞
付録1 自己紹介、会社紹介、質疑応答、トラブル時の場つなぎ
付録2 プレゼンの慣用句、数字、グラフ、役職名
参考資料
スティーブ・ジョブズに学ぶ英語プレゼン
-聞き手の心をつかむストーリーと50表現
日経BP社 (2012/1/14) 200ページ
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