みなさん、こんにちは。本シェルジュの園田泰造です。

ふと、考えてしまったのですが、人生一〇〇年時代。五〇代なんてまだまだ道 半ば。

とはいえ、会社勤めなんて高々あと何年続けられるのかわからないけど、その さきもずっと生きていかなきゃならない。年金もどうなることやらということ で、金銭的にも、精神的にも、身体的にも、どうやって過ごしていけば良いの だろうかと。

そういう意味では、ちょうど五〇歳のときに中小企業診断士の資格を取得でき たのは、ある意味、今後の生き方の選択肢を広げてくれたことは確かではあり ますが、果たして自分はこれからどうしていきたいんだろうという自問自答は、 未だにずっと続いています。

そんなとき、書店でたまたま目にしたのがこの一冊でした。似たような書名の 本はいくつかありますし、それぞれなんらかの示唆を与えてくれるとは思いま すが、和田氏のこの本は、気楽に短時間で読めますが、心のなかをサーっと風 が通り過ぎていくような、埃を吹き飛ばして視界を透明にしてくれるような心 地良さが読後の感想です。そのキーワードが「勉強」です。

さあ、悩んでいても始まりません。今日からあなたも「勉強」してみませんか。 五〇歳からの勉強は、学生時代や、若い社会人の勉強とは目的もその方法も内 容も一味違うのです。なにも暗記や計算だけが勉強じゃありません。困難に負 けずに前を向いて自分の人生を豊かにしていきたいものですね。

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 1)本日紹介する書籍
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五〇歳からの勉強法
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2016/9/30) 191ページ
和田 秀樹(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4799319639/

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 2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?
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人生、二〇代、三〇代はあっという間に過ぎ去って、気づいたら五十路が近づいていたという方は多いのではないでしょうか。もちろん、まだ若い方は実感がない かもしれませんが、五十路を過ぎた人間の個人的な本音です。そして、これから の人生に対する漠然とした不安感を感じることがあるのもまた事実です。本書は 五〇歳以上の方はもちろん、寿命一〇〇年時代の後半の人生をより充実した時間 にしたいと思っているすべての方へおすすめします。

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 3)付箋 ~本書からの内容抽出です
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P4  五〇歳ともなれば、これまでに培ってきたものをいかにアウトプットしながら、さらにブラッシュアップしていくかが重要だ。知識ではなく思想が問われる年代でもある。

P13  いくつになっても、勉強のやり方は学んだほうがよいと思うし、それさえつかんでおけば、これから先、いくつになっても頭をよくすることができる、というのが、わたしの基本的なビリーフ、信念体系である。知的能力は、やり方と考え方次第なのだ。

P43  定年後起業で成功するのは、定年になってか起業塾に通い出す人ではなく、定年になる前の五〇代、あるいは四〇代のときから、ある程度の計画を立てていた人だというのだ。

P65  つまり、六〇代は、知能という点では、四、五〇代とさほど変わらない。歳をとったからといって、頭が使えないとか歩けなくなるわけではない。問題は、頭を使うのが億劫になったり、歩くのが億劫になったりすることなのだ。

P95  五〇を過ぎてから、本当に別の道に進むかどうかは別のことだ。「他の道もあるさ」と思えるそのこと自体が、うつや将来不安の予防になるのである。

P98  本というのは、本当は、自分の知らなかった多様な視点、、情報を得るためにこそ読むべくものなのだが、自分がもともと思っていることを確かめるために読む。そういう人がさらにまた最近、増えてきているように感じるが、いかがだろうか?

P126 常に、わかったつもり、知っているつもりではなく、その知っている答えは、あくまでも現時点での仮説にすぎないという前提で物事に接することが重要なのである。

P162 つまり、アウトプットすることによって、社会で一定の居場所を得ることができる。そして、それは、わたしたちが秘かに、何より望んでいることのはずだ。

P184 つまり、維持すべきは、運動機能ではなくて、アクティビティだということだ。

P186 では、これから先の人生はどのようなものであれば、幸福な人生だと言えるのだろうか?それは、最初の章でも書いたように、人とともにある人生だと思う。そのためには、面白い人と言われるようになることを目指すべきだ。優秀な人、すごい人ではなくて、面白い人。

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 4)今日の気づき
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人間、加齢とともに、脳の機能や身体機能が、急激に衰えるわけではなさそうです。問題は、気力。いろんなことが億劫になって、思考停止しがちになることが、イコール老化ということなのでしょう。

思えば、いろいろ思い当たる節があるような。ついつい仕事も効率化と称して実はルーティン化することで、思考停止して楽するようになっていないか?

思考の質を上げていくためには、やはり勉強しかないようですね。もちろん机にかじりつくようなことばかりではなく、いろんな人ととの会話からでも様々な勉強が可能です。

現状の知識や思考に立ち止まらず、つねに変化させていきながら、時代時代の状況に適応しながら、頭を柔らかくして生きていく。

資格試験等の実利的な勉強も大事ではありますが、単なる趣味でも勉強です。人生を有意義にするための勉強法の追求もひとつのライフワークになりえるのかもしれません。

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 5)本書の目次
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はじめに
第一章 なぜいま、五〇歳からの勉強が必要か?
1   七五歳現役社会に向けての五〇歳からの勉強
2   勉強こそが長生きの秘訣
3   定年後の仕事のために、いまから勉強を始める
4   定年後の友人づくりのためにも勉強が役立つ
5   勉強が「認知的成熟度」の退行を防ぐ
第二章 五〇歳からの勉強の障壁
1   意欲低下のメカニズムとその傾向と対策
2   何を動機づけとしたらいいのか?
3   うつや将来不安にどう対応するか?
4   スキーマから脱出し、思考の柔軟性をいかに手に入れるか?
5   記憶力は本当に低下するのか?
6   EQをどう維持するか?
第三章 五〇歳からの勉強、何をどのように学ぶか?
1   知識人から思想家に
2   何を学んだらいいか?
3   英語はやはりできたほうがいい
4   日本語を学び直せ
5   読書は一部熟読法
第四章 五〇歳からは、インプットよりアウトプット
1   アウトプット三つの効用
2   反論・批判とどう向かい合うか?
3   スピーチは、原稿書きとリハーサルを怠ってはいけない
4   アウトプットで得られる報酬とは?
第五章 勉強が老後を豊かにする
あとがき

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五〇歳からの勉強法
ディスカヴァー・トゥエンティワン (2016/9/30) 191ページ
和田 秀樹(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4799319639/

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