━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ □■本シェルジュがオススメする今日の一冊■□ Vol.444 2019年6月25日 ~本シェルジュ達から、頑張るビジネスパーソンへの贈り物~ 本シェルジュ=本のコンシェルジュのことです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ こんにちは。本シェルジュの吉田です。 梅雨入りし、蒸し暑さと共に、最近ベランダに植えたミニトマトがグングン成長 しているのを見ると夏までもう少しと感じます。 日銀のゼロ金利政策の長期化と国内企業の資金需要低迷で、マイナス金利の副作 用がもろに影響しているのが銀行業界、特に地方銀行であり、その衰退がマスコ ミはじめ各所でささやかれる昨今です。果たして、地方銀行の行く末はどうなの か?的な書籍も多くなってきました。 私自身、金融に携わる者として、そのうちの一冊を取り上げてみたいと思います。
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1)本日紹介する書籍 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
地銀衰退の真実 未来に選ばれし金融機関 PHP研究所(2019/5/10 ) 220ページ 浪川 攻 著 AmazonURL:http://www.amazon.co.jp/dp/4569842852 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2)本書を選んだ理由 どんな人が読むべき? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
銀行は、金融機関はお金を貸してもうけていると漠然と固定観念を持っている、 ビジネスパーソンの皆さんに、頭が固い金融機関ですら、変わりつつあると知る 機会になればと思います。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
3)付箋 ~本書からの内容抽出です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■P.124より 信金や信組は、地域銀行よりもさらに地域密着型の金融機関であり、相互扶助を 経営理念の背骨に据えてきた。それでも、過去には、「都銀の効率化路線を真似 して、失敗した経緯がある」と反省を述べる経営者は少なくない。
■P.157より 近年、信金・信組がクローズアップされ、各地でその取り組みが注目されてきて いるのは、信金・信組が余裕を増したわけではない。率直に言って、それは余裕 がないからである。
■P.210より プロジェクト推進の先頭に立ってた伊藤氏は、地域金融機関の深化は「地域連携 事業化のコーディネーターとしての役割を果たせるかどうかにかかっている」と いう。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
4)今日の気づき ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
マイナス金利もさることながら、首都圏への人口や企業の集中が地方経済の疲弊 に直結しており、その意味で、地域金融機関である地方銀行は、地域の商社とし て、地域企業に深くかかわることが求められています。リレーションシップバン キング等も10年以上も前から提唱されてきました。しかしながら、地方銀行は一 定の顧客、収益源を保持していたため、その取り組みに遅れがちであり、本書に あるような信金、信組のビジネスモデルを目指すというのはひとつの回答かもし れません。しかしながら、地方銀行のリレバン(本書で言う信金・信組の取組) は急ピッチで構築されおり、その状況はすでに変わりつつあると思います。ただ、 本書の信金・信組の取組は、興味深いものであり、地域金融機関のよきモデルをし ることができるだけでなく、様々な業種の方も発想の転換という意味で気づかされ る一冊でしょう。
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5)本書の目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●第1章 地銀と信金・信組、なぜ差が付いたか
●第2章 相次ぐ不正と「地銀神話」の崩壊
●第3章 過剰な「ノルマ主義」がもたらした歪み
●第4章 地域に「選ばれし金融機関」の条件
●第5章 「原点」を見失った地銀に未来はあるか
●第6章 いま注目の信金・信組はここだ 秋田県信用組合/北上信用金庫/ いわき信用組合/塩沢信用組合/枚方信用金庫/広島市信用組合/ 足立成和信用金庫/第一勧業信用組合
●終章 地域金融に託された希望 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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