こんにちは、本シェルジュの松林です。
お盆休みが終わり、気分新たに!職場に戻られた方も多いかと思います。
今回は、プロマジシャンとして活躍後、博士号を取得したという異色な経歴を持つ英国の心理学者の本をご紹介します。
自己啓発の本やセミナーで喧伝され、あまり検証もされずによいと信じられている方法について、膨大な心理学の研究成果をもとに検証を加え、科学的に見てよいことをわかりやすく勧める、というアプローチを採っているため、すぐに自分で試してみることが可能です。
「自己啓発本を読んでいろいろ試してはいるけど、あまり効果が実感できない」という方、「暑くてダレてしまったので習慣を見直してみようかな」という方に、オススメの一冊です。
<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〓 1)今日のオススメの一冊 〓
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その科学が成功を決める
リチャード・ワイズマン(著)、木村博江(訳)
文春文庫 (2012/9) 350ページ
今回の登場人物紹介
■松林:いつも自己啓発は三日坊主な、二児の父。
■りか:目立たず無難にがモットーの11歳。愛読書は「ちゃお」。
-----------------------------
りか:あー、むかつく!(周りにある物に当たり散らす)
松林:どうしたの、そんなにイライラして。
りか:私が何かやってると、かな(妹)がいちいちチョッカイ出してくるの。ピアノの練習してたら、「わたしも!」って隣でデタラメな曲を弾き出して…
松林:そうか。イライラするのはわかるけど、何かに当たり散らしていたら、ずっとイライラが消えないよ。ところで、彼女が生まれてきて、何かいいことはある?
りか:う~ん。にぎやかになったことと、世の中には思い通りにならないことがあるとわかったことかな。
松林:お、いいところに気がついたね!
りか:そう? いいことを考えたらちょっとだけ気持ちが落ち着いたよ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です 〓
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■はじめに より(P12)
多くの人が自己啓発に興味をもつのは、それが人生の問題に手っ取り早い解決法をあたえるからだ。あいにく、学問的な心理学はそうした方面に関心を向けず、答えのだし方もはるかに複雑で時間がかかる。(中略)私は行動科学の各分野から数百種の研究結果を集めた。(中略)それらの結果から見えてきたのは、手っ取り早く自分を変えるための新しい科学だった。
■実験1 「自己啓発」はあなたを不幸にする! より(P40)
お金は誰のために使えば、しあわせになれるか。そう訊ねられると、大多数の人は「自分のため」と答えるだろう。科学は、それはまちがいだと教えている。(中略)他の人のために使う数ドルは、最高に効果のある投資と言えるかもしれない。そして現金を使うゆとりがまったくない場合は、お金の要らない親切な行為を一日に五つ実行すれば、幸福感が倍増する。そのことを、どうかお忘れなく。
■実験3 イメージトレーニングは逆効果 より(P108)
エッティンゲンは、ひそかに恋心を抱く学生を対象とした実験に、二重思考の方法を取り入れてみた。夢と現実の両方を自分の中に取り入れた学生は、ひたすら甘いデートを夢見たり、恋心を打ち明けるむずかしさばかりを考えたりする学生より、恋に成功する割合が高かった。
■実験4 まちがいだらけの創造力向上ノウハウ より(P131)
創造力を生み出す方法として、自己啓発本ではリラグゼーションの効果が強調されることが多い。(中略)だがオランダの研究が明かしている内容は、それとはまったく逆だ。数分間意識的思考をなにかに集中させておき、無意識が生み出す独創的な発想の邪魔をさせないこと。それによって誰もが創造的になり、独創性を発揮できるという。
■実験6 ストレス解消法のウソ より(P187)
サンドバッグを叩き、叫び声を上げても、ストレスや欲求不満を解消する役には立たない。では、役に立つ方法はなにか。(中略)じつは、非常に簡単にできる解決法がある。こつはどんなできごとにもいい点を見つけること、そして四つ足の友だち(筆者注:犬のこと)の力を借りることだ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〓 3)今日の気づき 〓
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
自分の周りを見ていて、幸せそう、うまく行っていそうと感じる人は、この本に出てくる思考や行動を習慣づけている人が多いように思います。
一方、自己啓発本の著者を信奉し、熱心にセミナー等に出ている人で成功している人は、寡聞にして知りません。
心理学の知見を活用し、意識して無意識を変えていくことで、よい行動パターンを身に付けていきたいものです。
また、「他人に親切にすれば幸福感が増す」という件から、仏教の「利他」の概念や、禅宗の僧侶でもある稲盛和夫さんの著書を連想しました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〓 4)本書の目次 〓
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
はじめに
実験1 「自己啓発」はあなたを不幸にする!
実験2 「面接マニュアル」は役立たずだった!
実験3 イメージトレーニングは逆効果
実験4 まちがいだらけの創造力向上ノウハウ
実験5 婚活サイトに騙されるな
実験6 ストレス解消法のウソ
実験7 離婚の危機に瀕しているあなたに
実験8 決断力の罠
実験9 「ほめる教育」の落とし穴
実験10 心理テストの虚と実
おわりに
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
その科学が成功を決める
リチャード・ワイズマン(著)、木村博江(訳)
文春文庫 (2012/9) 350ページ
コメントを残す