こんにちは、本シェルジュの松林です。
今月の本シェルジュは「成長」をテーマにお送りしています。
さて、皆さんはNHKテレビで放送されていた番組「ブラタモリ」をご覧になっていましたか?
タモリさんが古地図を手に都内などの各地を実際に歩き、何げなく発見した歴史の痕跡から街の変化に想いをはせ、その街のエピソードを探っていくというものです。
世にランキング等の安直な番組が多い中で、「ブラタモリ」の本気の“緩さ”は際立っていました。
今回ご紹介するのは、その「ブラタモリ」など、ヒット番組を企画制作するNHKのプロデューサー、尾関憲一氏の著書です。
「目線を変える」や「気付く力」等、面白いものを考え出す発想法に始まり、成長し続けて結果を出すために必要な、考え方や行動についても、端的に述べています。
各章のまとめではマンガのセリフを引用する等し、柔らかな文体でかつ深い一冊です。
ぜひ一度、お手にとってみてください。
<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊 〓
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時代をつかむ!ブラブラ仕事術
尾関憲一(著)
フォレスト出版 (2013/4/19) 246ページ
今回の登場人物紹介
■松林:「ブラタモリ」や「東京カワイイ★TV」等が好きな、NHKの情報番組ファン。
■りか:小4。「ちはやふる」の影響でマンガを描きだす。必ず「公式ファンブック」まで作る凝り性。
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りか:(机に向かってマンガを描いている)
松林:ただいま。お、やってるね。
りか:うん、でもなかなか面白くならなくて悩んでるの。
松林:面白くって、どういうこと?
りか:う~ん。どんどん先をめくりたくなるっていうか、引き込まれちゃうような感じ。
松林:じゃあ、りかはマンガを読んでて、どういう時にそうなる?
りか:最近のパパはそうやって質問ばっかりして、すぐ答を教えてくれないからイヤ!
松林:あ、ごめんごめん。パパは、書き物をしていて詰ったとき、本屋さんをブラブラしたり、街をブラブラ歩いたりするよ。ほら、君の好きな「東京カワイイ★TV」を担当するディレクターさんも、この本で「ブラブラ」が役立つと書いてるし。
りか:ふーん。(本をめくる)あ、「ちはやふる」の名ゼリフが載ってる! この人のこと、一発で信用したよ。こんど、図書館をブラブラしてくるね!
松林:(苦笑)
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です 〓
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■第1章 日常をアイデアの宝庫に変える発想術 より
企画というとゼロから何かを考えるイメージがありますが、ぼくは、むしろもともとあるものを「今ならこれが面白い」と判断する感覚だったり、企画提出のタイミングのほうが重要だと思います。
面白さを感じるセンサーというのは、意識することで感度を上げることができると、ぼくは思っています。
これにはぼくなりのちょっとしたトレーニングがあります。
それは、「面白い」を探すのではなく、何かに「気づく」機会を増やすことです。
「気づく」こととセットにしてぼくが大事にしているのは「目線」です。
目で見たものは、脳の中で、瞬時に再検討のような作業が行われているのですね。
人は自分の「見方」で見ているのです。自分なりの見方をどんどん訓練していけば、良い企画に巡り会えるチャンスが増えるということです。
■第2章 思い込みから自由になる仕事術 より
『ブラタモリ』の面白さは、毎回の結論やテーマだけにあるのではなく、結論にたどりつくまでのプロセスに隠されていると思うのです。
現代では、検索ですぐに答えに行き着けてしまいます。ぼくは、検索では出てこない面白さとは、結論にたどりつくまでの「プロセス」にあると思うのです。
「答え」は目的ではないのです。
いかに「プロセス」を面白く見せることができるかなのです。
「思い込み」を生んでしまう、最も大きな原因のひとつが「マーケティングリサーチ」です。リサーチをすれば、「こういう番組が求められている」というテーマは上がってくるでしょうが、それをそのまま作って人気番組ができるとは思えません。
根底にあるのは、制作スタッフの中にある普段から積み上げられた情報と感覚です。
やってみなければわからない、と言ってしまってはそれで終わりです。
でも、やってみなければわからないことが存在するということは、少なくとも「マーケティングだけでは成り立たない世界がある」ということ。
それは裏を返せば、「誰でもいい企画を考えるチャンスがある」ということ。
■第3章 面白さをバトンタッチする提案術 より
よく聞かれる質問に、「どうやってタモリさんを口説いたのですか」というものがあります。
ぼくたち制作チームは、具体的にタモリさんを「口説いた」わけではありません。
ぼくたちがやったのは、とにかく自分たちの作ろうとしているものの面白さを伝えることでした。
最終的に出演のOKをもらえたのは、新しいものを作りたいというスタッフ一同の熱意が伝わったからではないかと思っています。
日常の様々な場面で、他人に何かをお願いする時にも同様のことが言えるのではないでしょうか。
知っている人は「自分だけがわかっている」と感じてくれて、知らない人は「なになに?」と興味を持つ、ちょうどこのラインを狙えば、みんなが「ちょっと特別なものを観ている」という気分でテレビを観てくれるのではというのがぼくの考えです。
自分の中では勝手に「ミラクルライン」と呼んでいます。
■第4章 チームで結果を出すコミュニケーション より
メンバーがやる気になるには、納得のいく目標を提示しなければなりません。
「仕事だからやる」を超えた何かを共有することができると、チームは強くなります。
そのためにぼくはチームのメンバーに、魔法の言葉を贈ります。
その言葉とは、
「自由にやっていいよ」
ぼくは、この言葉を贈りながら、「そのかわり責任を持って全力でやってください。あなたが本気で考えたアイデアなら全部採用します」という話をします。
この「自由にやっていいよ」はよく使われる言葉ですが、現実は違う場合が多いのです。
仕事をするなら、自由の意味をかみしめて、今は自由にできなくても、いつか「自由にしていい」と言われる瞬間に、それまでためていたものが全部ほとばしるような仕事をする、そんな気持ちで取り組んだほうが絶対面白いはずです。
■第5章 目の前の仕事をチャンスに変える仕事のコツ より
たとえば、新人のアイドル歌手が役者の仕事を与えられる場合があります。
最初は、何もできないアイドルが、数年経つうちに、驚くほどの存在感を持った俳優に成長してしまうことがあります。
これは「本番」を得る機会が以下に大切かを示しています。
うまくいくかどうか、自分のスキルアップについては二の次でいいと思います。
ビジネスパーソン向けの本では、よく「セルフマネジメント」とか「自己プロデュース」という言い方を目にします。言わんとするところがわかるような、わからないような…
もっと大胆にわかりやすく言ってみましょう。
自分がタレントだと考えて、自分のマネージャーとして自分のことを見てみればいいのです。
「自分のやりたいことをやろう」というフレーズは、生き方の指針としては大事なことですが、その言葉にしばられて、「好きなことしかしない」と思い込んでしまうと、自分の可能性を閉ざす危険性もあると思うのです。
「自分の好きなことや、やりたいことをやれるようになるためには、好きでないことや苦手なこともやっておいたほうがいい」
これが、自分のマネージャーをするときに必要な視点です。
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〓 3)今日の気づき 〓
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著者は、世間の常識や流行りだと騒がれていることに乗っかるのではなく、自分自身の好奇心と目線から面白いことを探し、気づくことを重視しています。
そして、「本番」を得る機会を大切にし、自分のマネージャーになって、えり好みをしてチャンスをつぶさないようにしよう、というメッセージを発しています。
毎日そのように過ごし、「寄り道」や「想定外」を楽しみながら、生きることを楽しんでいきたいと思います。
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〓 4)本書の目次 〓
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■第1章 日常をアイデアの宝庫に変える発想術
・アイデアに奇抜さはいらない
・「気づく」力を高める
・目線を変えれば見えてくる
■第2章 思い込みから自由になる仕事術
・答えはすぐに出さない
・知っていることを手放す
・「想定外」を生み出すスキマを作る
・仕事のヒントは「ブラブラ」から!
・完成された世界にこそスキマがある
・マーケティングに屈してはならない
■第3章 面白さをバトンタッチする提案術
・提案は「面白さ」のバトンタッチ
・企画は「面白さ」「実現可能性」「予算」の三位一体
・自分の武器だけで勝負する
・「賛否両論」は成功のサイン
■第4章 チームで結果を出すコミュニケーション
・「何も知らない」は武器になる
・メンバーがいきいきと動くチームのつくり方
・ものさしはひとつではない
・いいタイトルが「降りてくる」瞬間
■第5章 目の前の仕事をチャンスに変える仕事のコツ
・チャンスは目の前の仕事の中にある
・他人の評価は気にしない
・スキルアップよりも本番の数を増やす
・苦手な仕事こそ引き受ける
・チャンスの前髪をつかむ方法
・仕事を辞めたいと思ったときにできること
・小さな世界を、大きな世界へ
・次の時代のヒットの法則
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時代をつかむ!ブラブラ仕事術
尾関憲一(著)
フォレスト出版 (2013/4/19) 246ページ
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