こんばんは。本シェルジュの堀江賢一です。



6月は「未来」をテーマにお送りしています。
未来というとみなさんはどんなものを想像しますか?
明るい未来、現実的に想像のつく未来、色々あると思います。
今回は、新しい商品やサービスを開発し企業の未来をつくるうえでとても役に立つ「デザイン思考」について書かれた本を紹介します。


<目次>

1)今日のオススメの一冊

2)付箋

3)今日の気づき

4)本書の目次





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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓

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デザイン思考が世界を変える
〜イノベーションを導く新しい考え方〜

ティム・ブラウン  (著)

早川書房 (2014/5/15) 309ページ

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T中:
うーん、こまったなぁ。なかなかアイデアが出てこない・・・。
堀江:

どうしたんだい?
T中:
いや、新しいサービスに関するコンセプトを考えているんだけど、全然アイデアが出てこないんだよ。
堀江:
そうなんだ。コンセプトはサービスの肝だから、大変だよね。
そういえば、最近話題になっているデザインシンキングって聞いたことあるかい?
T中:
なんだいそれ?ロジカルシンキングとなんか関係あるの?
堀江:
いや、ちょっと違うかな。商品やサービスなど、ゼロから新しいものを生み出すときに使える発想法、という感じかなぁ。
教科書的な言い方をするとイノベーションを起こしやすくするための考え方、という感じかも。
T中:
あぁ、まさにそこ。ゼロから新しいものを生み出すところで苦しんでいるんだよ。
何か参考になる情報はないかな?
堀江:
この本なんかどうかな?デザインシンキングのエッセンスが具体的に示してあるから、今行き詰っている部分を解決するヒントになるかもしれないよ。
T中:
ありがとう!早速読んでみるよ!
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出(引用)です 〓

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イノベーションを技術に偏った視点で捉えるのは、従来と比べて持続可能とはいえなくなってきている。また、既存の戦略から選ぶだけの経営哲学では、国内外の進展に圧倒されてしまうだろう。そこで、新たな選択肢が必要になる。
強力で、効果的で、幅広く利用できるアプローチ。ビジネスや社会のあらゆる面に適用できるアプローチ。個人やチームが画期的なアイデアを生み出して、実行し、影響を与えられるアプローチ。このようなアプローチを提供するのが、本書のテーマである「デザイン思考」なのだ。
イノベーションは三つの空間にわけて考えることができる。「着想」は、ソリューションを探りだすきっかけになる問題や機会。「発案」は、アイデアを想像、構築、検証するプロセス。そして、「実現」は、アイデアをプロジェクト・ルームから市場へと導く行程だ。チームがアイデアを改良したり、新たな方向性を模索したりする間に、プロジェクトがこの三つの空間を何度も行き来することもある。
従来の調査の手法は、全身的な改良の参考としては役立つ場合もあるだろう。しかし、ルールを破り、競争を一変させ、パラダイムを変化させる画期的なアイデア、つまり、誰もが頭を掻きながら「なぜ今まで誰も思いつかなかったのだろう」と首をひねるようなアイデアにはつながらない。したがって私たちの真の目標は、より高速なプリンターやエルゴノミック・キーボードを開発して、表面化されたニーズを満たすことではない。それはデザイナーの仕事だ。「デザイン思考家」の仕事とは、人々が自分でさえ気づいていない内なるニーズを明らかにする手助けを行うことだ。
デザイン思考は発散的思考に始まる。つまり、選択肢の幅を狭めるのではなく、あえて広げようとすることから始まるのだ。
デザイン思考は、消費者、テクノロジー、ビジネスの視点のバランスをとるため、元々統合的なアプローチだ。しかし、デザイン思考はまず対象顧客に権限を与える。私が、デザイン思考を一貫して「人間中心」のイノベーション・アプローチと読んでいるのは、そのためだ。デザイン思考家は人々の行動を観察し、経験が製品やサービスに対する反応に与える影響を理解する。物事の機能的な性能だけでなく、感情滝な価値をも考慮に入れる。それを通じて人々の隠れた(潜在的な)ニーズを把握し、機会への置き換えるのだ。
どれだけ早くアイデアを形にし、検証・改良できるか?リーダーたちは、実験を推奨しなければならない。そして、早い段階で失敗し、それを学習の材料にする限り、失敗は悪いことではないということを認めるべきだ。活気あるデザイン思考の文化では、完成したアイデアの検証方法としてだけではなく、創造プロセスの一環として、素早く、安価で、荒削りなプロトタイプ製作を推奨している。
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〓 3)今日の気づき                       〓

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・全ての基軸を人間中心に考えてデザインに取り組めば、イノベーションに近づくことができること。
・デザインを行う際には、消費者、テクノロジー、ビジネスのバランスをとる必要が有ること。


・成功させるためにプロジェクトを進めるにも、早めに失敗をしておく必要があること。

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〓 4)本書の目次                        〓

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はじめに デザイン思考のパワー
パート1 デザイン思考とは何か?
第1章 デザイン思考を知る
第2章 ニーズを受容に変える
第3章 メンタル・マトリクス
第4章 作って考える
第5章 初心にかえる
第6章 メッセージを広げる
パート2 これからどこへ向かうのか
第7章 デザイン思考が企業に出会うとき
第8章 新しい社会契約
第9章 デザイン・アクティヴィズム
第10章 いま、未来をデザインする


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デザイン思考が世界を変える
〜イノベーションを導く新しい考え方〜

ティム・ブラウン  (著)

早川書房 (2014/5/15) 309ページ

AmazonURL:http://goo.gl/2yQM1E