本シェルジュの村上です。今月で50歳になりました。だんだん知識欲とか教養をつけようという気力が減ってきた気がして心配です。コロナ禍になってYoutubeをプレミアム契約したため、ものすごい長い時間、動画を見ています。好きなチャンネルは「俺の世界史ch」「鳥人間 中国史三昧」「山田五郎 オトナの教養講座」などです。

世界史や美術の知識がどんどん入ってくる気がします。オトナの教養が身についている・・・気がする一方で、大して詳しくない分野で薄く広く教養を摂取している感は否めません。

いろんなことを勉強しないと社会人として生き残っていけないと20代の頃によく焦燥感、不安感は感じていました。もちろん今も感じていますが。

中小企業診断士試験を勉強し始めたのも、その焦燥感が原因だったと思います。なかなか合格できなかったこともあり、勉強時間が長くなり、経営やマーケティングの本を読みまくったと思います。それでも4回目の試験に落ちた時に感じたことは、自分が薄っぺらくなっているな、ということでした。

中高生の頃は小説をたくさん読んでいたのに、この数年はビジネス書しか読んでいないこと気づきました。そこで試験に合格するためというより、変化をつけたくて、目標を立てました。

今年は小説を100冊読む!」と。そしてその年、なんとか100冊の小説を読み終わりました。

中小企業診断士試験に合格したのは、その年のことでした。

もちろん、小説と合格の間に因果関係があったとは言えません。でも自分の中では、試験勉強とは異なる別の教養を身につけることで視野が広くなって、良い結果に結びついたなと感じています。

動画やビジネス書で身につける教養は便利ですし楽ちんです。これからもファスト教養を摂取していくつもりです。一方で、それだけにならずじっくり好きなものを読み込んだり見たりする時間もたくさん確保できたらいいな、と思います。

本書は、そんなファスト教養に警鐘をならすものです。 教養は身につけるものですが、ファスト教養は摂取するもの、つまりサプリなんでしょうね。悪いわけじゃないけど、サプリばっかりの食事がつまらないと同じで、ファスト教養ばかりの人間になるとつまらなくなってしまうのでしょう。

1)本日紹介する書籍

ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち
レジー  著 (集英社新書)  2022/9/21
https://amzn.to/3m4qjsp

2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?

いつも勉強しなくちゃ!しなくちゃ!と焦っている方へ

もっとビジネススキルを身につけないと稼げなくなる!と思っている方へ

3)付箋  本書からの内容抽出です

我々がファスト教養をのぞく時、ファスト教養もまたこちらをのぞいているのである。

「これまでとは違う何かを学ばないと生き残れない」というビジネスパーソンの焦燥感がある。

「古き良き教養」と「ファスト教養」。この二つの概念は、たまたまどちらも「教養」という言葉で括られてはいるが志向しているものは全く異なる。

ビジュアルな情報はあっという間に感覚に入る。脳は瞬時のうちにそれを享受することができるわけですけど、文字言語はイメージとは違って、すぐには像が結ばれない。イマジネーションを働かして自分で像をつくり上げなくちゃいけないわけです。実はこれがすごく重要です。

すぐ役に立つ人間はすぐ役に立たなくなる。

「だから本当の教養というのは、すぐには役に立たないかもしれないけれど、長い人生を生きていく上で、自分を支える基盤になるものです。その基盤がしっかりしていれば、世の中の動きが速くてもブレることなく、自分の頭で物事を深く考えることができるようになるわけです。

「今ビジネスの役に立つ」というのは、すなわち「少しずつ古くなっていく価値観に追随する。

4)今日の気づき

効率的に知識をつけるのは大事なので引き続き、ファスト教養を使って効率的に知識は身につけたい。一方で、無駄な時間も過ごしたい。長過ぎる小説を読んだり、それを何回も読んだり。最近はオーディブルで音で小説を聞くこともできる。

高校生から20代くらいまでは村上春樹が好きで、なかでも「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」が大好きで、当時は3年に1回位は読み直していましたが、今回、十数年ぶりに音で聞いてみました。大森南朋さんの朗読です。あれ程読み込んだ本でも新たな発見があり、響きました。

知識もつかないし、懐古趣味だし、教養になっているのか正直わかりません。

でもファスト教養にプラスして、無駄な深い知識とかあるのが教養のバランスとして自分には心地よいのかな、なんて思います。

5)本書の目次

はじめに
第一章 「ファスト教養」とは?〜人生ではなく財布を豊かにする
第二章 不安な時代のファスト教養 
  「すぐ役に立つ人間はすぐ役にたたなくなる」
第三章 自己責任論の台頭が教養を変えた 
  「税金は払っているんですか?」
第四章 「成長」を進行するビジネスパーソン
第五章 文化を侵食するファスト教養
第六章 ファスト教養を解毒する
おわりに 無駄なことを一緒にしようよ

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ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち
レジー  著 (集英社新書)  2022/9/21
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