こんにちは、本シェルジュのホリケンです。 人生100年を生き抜くのに役立つ本をご紹介していきます。
GAFAの一つであり、世界最大のECサービスだけでなくクラウドサービスも手掛けるAmazon。その創業者であるジェフ・ベゾスの言葉を集めたのがこの書籍です。メインは株主に宛てた手紙で構成されており、そこにはジェフ・ベゾスの哲学が散りばめられています。
なぜAmazonはここまで巨大になり、そしていまも絶え間ない成長を続けているのか?その理由を垣間見ることができます。
本日紹介する書籍
Invent & Wander――ジェフ・ベゾス Collected Writings
ダイヤモンド社 (2021/12/7)397ページ
ウォルター・アイザックソン(著)
Invent & Wander――ジェフ・ベゾス Collected Writings
本書を選んだ理由〜どんな人が読むべき?〜
私があるIT企業のマーケティング担当としてクラウドサービスの戦略立案に携わっていた2013年頃、ものすごい勢いで成長していたのがAmazon Web Services(AWS)でした。
役員直轄プロジェクトのリーダーとして、AWSのビジネスモデル、カスタマージャーニーなどを調べていく中で、Amazon本体の哲学に触れるに至りました。
「世界中で最も顧客を大事にする企業であること」
ジェフ・ベゾスが唱え、会社の根幹にもなっているこの言葉は、ただの看板ではなく、サービスの随所に反映されています。
巨大なイノベーション企業であるAmazonの根幹にあるものは何か?
特に経営者や経営視点を持ちたいと考える方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。
付箋 本書からの内容抽出です
人文科学、テクノロジー、ビジネスこそ、ベゾスが私たちの時代の最も成功した影響力のあるイノベーターである所以だ。(13ページ)
どうするかを決めるのに、ベゾスは頭の中である演習をやってみた。それは「後悔最小化のフレームワーク」と彼が呼んでいたもので、その後のベゾスのリスク計算思考の一部として有名になる思考実験だ。80歳になってその判断を振り返ったときに、どう思うかを想像してみるのだ(21ページ)
「長期」に目を向ける「長期がすべて」。1997年に出した、一番最初の株主への手紙の見出しに、ベゾスは斜体でそう書いた。「短期利益や目先のウォール街の反応よりも、長期的に市場リーダーとしての地位を固めることを考えて、投資判断を行い続けます」(42ページ)
しつこく情熱的に「顧客」に集中するベゾスは1997年の株主に向けた手紙で、「お客様にこだわる」と書いた。その後、毎年かならず株主への手紙でその言葉を掲げ続けた。翌年には「私たちは、世界で最もお客様中心の企業を築くつもりです」と書いている(43ページ)
顧客体験をデザインする際は、長期の所有者たちを念頭に置いています。顧客体験についての判断にあたって、大きなことも小さなことも、全ての決定をその枠組みに照らして決めています(104ページ)
私たちにとっての究極の財務指標、つまり長期成長の最大の原動力だと考える指標は、一株あたりフリーキャッシュフローです(107ページ)
キャッシュフロー計算書は非常に重要な割に注目されていません。目ざとい投資家であれば、損益計算書だけで判断を下すことはありません(114ページ)
ITは企業の命綱であり、不可欠な要素です。ですから「年間のITコストを大幅に削減しながら、今のシステムとほぼ同等の性能を維持できます」というだけでは、多くの企業に利用されることはありません(中略)企業が本当に欲しいのは、「よりよくより速い」サービスであり、もし「よりよくより速い」サービスが結果としてコスト削減になるのであれば、なおさらいいということです。コスト削減はおまけであって、本丸ではありません(197ページ)
私たちは大企業でありながら、発明マシンでありたいと願っています。大企業にしかできない抜きん出たサービス力と、スタートアップが持つようなスピード感やしなやかさや大胆なリスクテイクを組み合わせたいのです。組織が大きくなると、後戻りできないタイプ1の意思決定のプロセスを、タイプ2にも当てはめてしまいがちになるようです。すると、動きが遅くなり、むやみにリスクを回避してしまい、実験が十分にできず、その結果、発明が減ってしまいます。そんな傾向に陥らないための方法を考えなければなりません(219ページ)
私がお客様にこだわる最大の理由は、お客さまはいつも絶対に不満を抱えているからです。お客様の期待はずっと同じではありません。上がり続けます。それが人間というものです。満足できないからこそ、狩猟時代から進化して来られたのです(235ページ)
今日皆さんにお話ししたいのは、才能と選択は違うということです。頭の良さは持って生まれた才能です。優しさは選択です。才能は簡単です。生まれついてのものですから。選択は難しい。うっかりしていると才能に溺れてしまいます。そうなると、おそらく選択を誤ってしまうでしょう(291ページ)
みなさんが80歳になり、静かに過去を振り返り、自分にしかわからない人生の物語を自分に向けて語るとしましょう。そのとき、あなたの人生を最も適切にかつ端的に表すのは、あなたが行ってきた選択の数々にほかなりません。私たちはつまるところ、自分の選択からできているのです(294ページ)
仕事で活力が奪われているだろうか?それとも仕事で活力が湧いてくるだろうか?(326ページ)
卓越した人材を採用し、引き付けておくにはどうしたらいいだろう?まず何よりも、偉大な使命、本当に意義のある目的を与えることだ(328ページ)
今日の気づき
「お客様視点」
誰もが一度は耳にしたことがあるこの言葉。これを本当に愚直に続けているのがAmazonであり、この哲学を組織に伝導し続けているのかベゾスです。
よくミッションやビジョンが大事と語られますが、それ以上に、しつこく愚直に伝え続けること、哲学が浸透しているか確認し続けることこそ最も重要であると気付かされました。
本書の目次
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PART 1 株主への手紙
PART 2 人生と仕事
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Invent & Wander――ジェフ・ベゾス Collected Writings
ダイヤモンド社 (2021/12/7)397ページ
ウォルター・アイザックソン(著)
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