皆さんはじめまして。本シェルジュ・イレギュラーズの吉田です。
仕事柄、製造業の工場へお伺いすることが多いのですが、社長さんと、ふとよく耳にする例の生産方式は果たしてホントに役に立つのかという話になることがあります。
そんな素朴な疑問に答えてくれる一冊です。
製造業と関係なくても、なるほどと思う箇所も満載ですので、ぜひご覧ください。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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JIT生産を卒業するための本~トヨタの真似だけでは儲からない~
中小企業診断協会生産革新フォーラム[編著]
日刊工業新聞社(2011/12/30) 192ページ

amazon URL
http://www.amazon.co.jp/dp/4526068020

今回の登場人物紹介
◆工場長 源場さん
若手営業マン 出来杉さん
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源場: うちの工場は、いつも一生懸命やっているのに、どうして利益が上がらないんだ?営業がちゃんとやっているのか?
出来杉:いつも、全力っす!工場の人たち怠けてるんじゃないっすか?
源場:いやいやそんなことは断じてない。しかし、最近、かのトヨタの生産方式も取り入れだして、効率も向上しているはずなんだが・・。
出来杉:トヨタに合ってもうちの工場にホントにフィットしてるんですかね?
源場:ぬ、ぬ、ぬ。実はちょっと不安なんだが・・。
出来杉:そういえば、こんな本でも読んでみたらどうっすか?
源場:そうだな。これで、工場がよくなれば、営業も怠けられんだろうし。
出来杉:だから、いつも全力っすって。

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〓 2)付箋              〓
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■トヨタの営業力
トヨタは強力な営業力で需要を生み出したりコントロールしている。
トヨタの営業力で、トヨタの思うように市場に働きかけている。
需要予測に基づいて立てられた計画が大きな変更なく確定生産計画になる。需要を自社でコントロールできないと(計画は)実現できない。

■品質を工程で作り込む
生産する本人に改善の権限と義務を与える。
(現場の)チームで問題を共有化し、チームとして問題解決に当たる。こうすることで、二尾職場は成長し、チームワークは強固になり、活気ある、働き甲斐のある職場が実現する。
~自律分散型方式。

■二つ上の視点から自己を考える
ジャスト・イン・タイムの実現方法にはすぐ真似ればいい正解はありません。
しかし、問題解決の手がかりとなるのが、「二つ上の視点」から自己を考える方法です。これは、自分の思考の枠組みを広げて大局観を持つために必要な作業なのです。

■段階的に熟成させる
ジャスト・イン・タイム生産は一気呵成にはできません。発注企業あるいはサプライヤとの関係を徐々に深めていくための時間が必要になります。

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〓 3)今日の気づき                       〓
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ビジネスマンならなんとなくは誰もが知っているであろうジャスト・イン・タイム
生産(JIT生産)に対する、誤解、疑問から始まる。その成功へ導くためには、
とかく生産現場に焦点を絞りがちですが、生産現場のみならず、組織全体でのセ
クショナリズム(本書では分業病)から脱却し、組織システム全体で同じ目標へベ
クトルを合わせることなのです。

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〓 4)本書の目次                        〓
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はじめに
CHAPTER1
JIT生産に対する疑問の声が聞こえるようになった

1.親会社がJIT生産を導入した為に部品会社が在庫の山になった
2.JIT生産導入によって生産継続の危機が生じた
3.一時的に販売が滞ったことで生産体制が崩れた
4.無理に小ロット化したことで赤字に転落した
5.在庫を削減した為に競争力が低下した
6.JIT生産によって物流費が高くついてしまった
7.原価を「見える化」したにもかかわらず利益率がアップしない
8.JIT生産を導入するとIT化が遅れてしまう

CHAPTER2
なぜJIT生産はうまく機能しないのか

1.JIT改善コンサルの指導はカイゼン活動が中心
2.かんばんとJIT生産の関係
3.売れただけを作るという言葉への呪縛
4.トヨタ自動車は生産計画に元図いて生産を行っている
5.日本の製造業者は受注生産が多く、トヨタの真似はできない

CHAPTER3
あらためてジャスト・イン・タイムのメリットを考える

1.小ロット化によるリードタイム短縮と在庫削減
2.かんばんによる進捗調整機能
3.ジャスト・イン・タイムと自働化
4.財務的側面から見たジャスト・イン・タイム生産の意味

CHAPTER4
JIT生産を導入するときに生じやすい10の悩み

1.JIT生産とは「売れに合せて作る」ということですか?
2.デルのようにBTO生産を行うのですか?
3.受注生産変動の激しい状況でも、生産の平準化は必要ですか?
4.「かんばん」利用が前提ですか?
5.部品の調達の中心が海外でもJIT生産は可能ですか?
6.生産現場は今まで通りのセル生産でよいですか?
7.物流が大事なポイントだそうですね?
8.棚卸資産は増えないですね?
9.情報システムの改造は必要ですか?
10. 全体最適は可能なのでしょうか?

CHAPTER5
JIT生産から真のジャスト・イン・タイムへ

1.あなたの会社にトヨタ生産方式が向かない5つの理由
2.解決への3つの原則
3.自社のポジション分析と、方針の立案
4.解決の定石・その1:需給調整による解決
5.解決の定石・その2:需給側での解決
6.解決の定石・その3:供給側での解決
7.解決の定石・その4:企業間協力のすがた
8.解決をはばむ障害

CHAPTER6
受託生産型企業でのジャスト・イン・タイム生産事例

1.なぜジャスト・イン・タイム生産が必要なのか
2.ジャスト・イン・タイム生産の事例
3.ジャスト・イン・タイム生産を持続させる為の条件

CHAPTER7
ジャスト・イン・タイム生産に関するキーワード解説

1.かんばん方式
2.ニンベンのついた自働化
3.あんどん
4.段取り改善
5.ポカヨケ