川崎区民となって2年目の村上です。関東のみならずいろんな商工会議所さんや、
公的機関さんを訪問しながら仕事をしていますが、名刺を出して、川崎区民だとわかって、
よく言われることは、「川崎モデルすごいですねえ、村上さんもかかわっているのですか?」

・・・ええ、一ミリも関わってません。だって、まだ引っ越してきたところだし・・・
といった会話が繰り返されました。

なにか、自治体の活性化でうまく行ったモデルなんでしょ?とは思っていたのですが、
不勉強だったので、今回この本を手に取りました。

1)本日紹介する書籍

「なぜ、川崎モデルは成功したのか? 中小企業支援にイノベーションを起こした川崎市役所」
実業之日本社(2014/4)
藤沢久美(著)
https://goo.gl/g72dwP

2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?

地方創生に関わる人が読むべき本かと思います。もちろん、工業の街、川崎であり、
観光地の集客などとはだいぶ違う視点かと思います。ただし、地方創生は、
まちづくり、ひとづくり、仕事づくりです。まちづくりでハードをいくら作っても
まちは活性化しないことはわかりました。そして、いま、都内を中心にひとづくりで、
安心して子育て出来るひとづくりを!というのもよく言われますが、
いくら子育て支援が充実していても、仕事が充実していなければ、どうしようもありません。
(このへんは、都内と地方では差があるとは思いますが)

そういった意味では、仕事づくりの本丸は、創業支援とともに、
既存企業に元気になっていくこと。つまり企業の経営支援であると考えます。
川崎モデルがいかに企業(特に製造業)を支援していったのかは、
参考にすべきだと感じます。

3)付箋  本書からの内容抽出です

川崎モデル」という人もいれば、まるでおせっかいのごとく企業に提案やお手伝いをし続けることを「川崎モデル」という人もいる。いろいろな表彰制度を作り、がんばる企業に光を当てることを「川崎モデル」という人、はたまた、大企業の開放特許を中小企業に移転し、下請け中小企業に自社製品を生み出す支援をすることを「川崎モデル」という人もいる

 

当時の役所では、現場に行くことが必ずしも推奨される雰囲気ではなかった。 「若い連中は何をやってるんだ。現場に行って話し合ったりしたら、要求をもらうだけで、仕事ができなくなっちゃうだろう。中小企業には、補助金を配って、ちょっと交流会や飲み会でもやって、お付き合いすればいいんだ」

 

勉強会の話をした際に、こんな言葉が返ってきた。 「大体、お前ら役人なんて、2~3年たったらいなくなる。おれたちはずっとこの街で生きていくんだ。中小企業の親父っていうのはそういうものなんだ。だから、あんたたちが本当に勉強会をやるんだったら、5年、いや10年続けてみろ。そうしたら、おれはお前らを認めてやる。

 

「大企業といえば、裏口から入って仕事をいただいてくるのが常識でしたから、知財交流の際に、表玄関から入らせていただき、しかも応接室に通していただいたときは、感激しました。

 

「川崎市は、経営者との関係もちょうど良い顔の見える距離感が保たれています。そして何よりも川崎市のメンバーの熱意が強い。そして長くこの事業に関わっている人が多く、我々銀行としても安心してお願いができます。

4)今日の気づき

やはり、中の人が馬力を発揮してこそ進むのだと思います。
よそ者の意見を聞くのはよいとしても、進むべき中心エンジンは中なのだと。

5)本書の目次

プロローグ 川崎モデルについて
第1章 川崎モデルの誕生までの歩み
工都・川崎市の空洞化
第2章 成功例で見る川崎モデル
成功の鍵は「癒着ではなく密着」
第3章 川崎モデルの営業スタイル
「企業の強みを見える化する方法」
第4章 川崎モデルのチーム作り
「大企業・銀行・大学・中小企業・役所」
第5章 イノベーションを生む川崎モデル
「オープン・イノベーションの実現」
エピローグ 川崎市のさらなる進化

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「なぜ、川崎モデルは成功したのか? 中小企業支援にイノベーションを起こした川崎市役所」
実業之日本社(2014/4)
藤沢久美(著)
https://goo.gl/g72dwP

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しかし購入したあとに気づいてちょっとショックだったのですが、
電子書籍Kindleで購入したら、他の書店では紙の本のほうが安く販売されていました。
普通、Kindleでのほうが安いものですのにね。なんででしょうか。