こんにちは!本シェルジュ・イレギュラーズの関義之です。
4回目の投稿です。
今回は、本の題名が気になって手に取った本をご紹介します。
私は、「法律」というものは単なる学問としてではなく、武器として使えて初めて意味があると考えながら司法試験の勉強をしていたのですが、「経営学」も同じで、単なる理論を知るだけではなく、実践に使えて初めて意味があるものと思います。
今日ご紹介する本は、企業研修の現場を紹介したものですが、特徴的なところは、古典的な名著を使って理論を学び、それを自分の仕事で実践するというスタンスをとっているところです。まさに経営学を使える武器にする具体的な過程が書かれており、大変参考になると思います。
また、この本では、一流企業の社員が本気で研修に取り組む姿が語られており、最後の発表の場では涙を流すことすらあると言います。自分の仕事に対する姿勢を見直す良い機会にもなるのではないでしょうか。
<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊 〓
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経営学を「使える武器」にする
高山信彦(著)
新潮社(2012/5/20)164頁
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今回の登場人物紹介
■S:診断士に受かったばかりの本シェルジュ
■Dさん:本シェルジュ読者
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Dさん:いつも参考になる本を紹介してくださりありがとうございます。
S:あー、どうもどうも。これからもがんばって、紹介しますよ。
Dさん:最近の本もとっても面白いのですが、古典的な名著と呼ばれている本も気になるんですよね。
S:やっぱり名著は読むべきだよね(とえらそうにいいながら、全然読んでない…)
Dさん:ポーターの「競争優位の戦略」とか有名ですよね。
S:(聞いたことあるぞ)…そ、そうだよね。
Dさん:もちろん、Sさんは本シェルジュだから読んだことありますよね。
S:…え、ええ(いやな展開だ…)。
Dさん:今度紹介してくださいね。
S:(やっぱりそうきたか…)そ、そうだね。でも、ほかにも紹介したい本があるから、そのうちね(と時間を稼ぎつつ、とりあえず本屋へ直行)
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出(引用)です 〓
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注)ページ数は、2012/6/25 3刷のものです。
■「1985年に初版が発行された『競争優位の戦略』をメイン教材にすると聞くと、「古くさい」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。上がるリングを考えること(魅力的なセグメントの設定)と、上がったリングでどう勝つか(5つの競争要因分析、バリューチェーン分析、3つの基本戦略の選択等)は戦略策定の初歩の初歩。ここに最大限の知恵と時間をかけて考える。そうでないと、熾烈な競争の中で利益を上げることなんてできません。」(35、36頁)
■「私の研修では「VOC(Voice of Customer=顧客の声)」という言葉が頻繁に出てきます。顧客は何が欲しいのか、いくらなら買うのか。「STP」の定義づけやマーケティング・ミックスを考えるうえで顧客の声が欠かせません。こういった事実を積み上げて、狙うべき市場や立ち位置を問い直す。私の研修が結果を出しているとすれば、この「STP+4P」と「VOC」の原則を愚直に追求しているからにほかなりません。」(69、70頁)
■「「市場規模」みたいな曖昧な言葉で語るな。具体的な企業名で語れ。そして、企業名で語るな。個人名で語れ。私がいう「事実」というのは、そういう地に足のついた具体的な事実なんです。この魚群探知機は、そうした事実の積み重ねでできています。ここに書かれている金額の1つひとつに、生徒たちが実際に足を運び、担当者と名刺交換して具体的に聞き出した情報が詰まっている。」(104、105頁)
■「企業経営者も私も、経営については生徒よりもよく知っている。しかし、現場の声を集めることはできません。「先生はこう仰るけれど」「社長は違うと仰せですが」と、集めたVOCを私達に向けて突きつける瞬間に、その生徒の中で経営学が彼ら自身の武器になるのです。その気迫に経営トップも巻き込まれ、会社組織全体が共振していく。それは、研修の「場」が経営の実践の場に変わる瞬間でもあります。」(113頁)
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〓 3)今日の気づき 〓
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1 経営学を学ぶには、エッセンスだけのお手軽な要約本で分かった気にならず、定評のある古典的な名著にチャレンジすべきこと。
2 その学んだ経営学は、徹底的な事実調査があってこそ機能するということ。
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〓 4)本書の目次 〓
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はじめに
準備編 経営学の基本を頭にいれる
1時間目 古典を侮るなかれ
2時間目 見えないものを見る力を養う
3時間目 会社の上司は何のために存在するのか
4時間目 上るリングを選べ-経営戦略の4つのアプローチ
5時間目 シーズの花王、ニーズの小林製薬-経営戦略の全体図を俯瞰する
6時間目 大塚製薬の「金のなる木」とは-会社戦略の四象限
7時間目 プロダクトライフサイクルとセグメンテ-ション
8時間目 “マネシタ電気”の合理性-競争戦略のセオリーとは
9時間目 STP+4P-マーケティングのイロハの「イ」
実践編 経営学を使って、造船会社を変革する
10時間目 自分の仕事を経営戦略の中に位置づける
11時間目 鉄工所のオヤジにマイケル・ポーター
12時間目 「How」はいらない。「What」を考える
13時間目 業界セグメント分析という「魚群探知機」
14時間目 グループ内下請けでも「世界目線」で
15時間目 中国製品は高かった-VOC(顧客の声)を徹底的に収集
16時間目 「顧客の顧客」にも話を聞く
17時間目 本業の見直しから生まれた大ヒット商品
18時間目 かつての生徒たちが研修の指導役に
補講 東レ、JR西日本、みずほの挑戦
19時間目 東レ-経営戦略の実践からヒートテック誕生
20時間目 JR西日本-攻めの営業姿勢を目指して
21時間目 みずほフィナンシャルグループ-聖域なき議論の場
おわりに
授業を乗り切るための虎の巻
経営学を「使える武器」にする
高山信彦(著)
新潮社(2012/5/20)164頁
http://amzn.to/LUuOLO
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