おはようございます。本シェルジュの堀江賢一です。
新年度を迎えて心機一転!という方も多いのではないでしょうか。
また、新入社員の方々はこれからご自身の前に広がっている新しい世界に少しの不安を抱きながら心躍らせていることでしょう。
本日は新しさになぞらえて、新しい経営学の知見が書かれている書籍をご紹介します。
経営に関して学んだことがある方はもしかしたら気づいているかもしれません。
経営学のあらゆる書籍に載っている内容って、何年も変わっていませんよね?
コスト優位、差別化優位、ポジショニング・・・書かれていることはどの本を見ても同じようなことばかりです。
ビジネスの世界は日々変化しているのに、ビジネスの世界を研究対象としている経営学の世界に全く変化がないというのはどう考えても変です。
なぜこのようなことが起きているのでしょうか?
<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊 〓
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ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学
入山 章栄(著)
日経BPマーケティング (2015/11/24) 359ページ
AmazonURL:
http://goo.gl/73Uwt0
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今回の登場人物紹介
■度楽花亜さん(ド):部長。「戦略」が口癖
■舗尾田亞さん(ポ):課長。「差別化」が口癖
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(ド):課長、来期の販売戦略はどうなっているかね?
(ポ):はい。価格はミドルレンジですが、他社にはない強みのある製品で差別化をして、数を多く売ることで業界トップを狙います。
(ド):なるほど。しかしその製品で本当に差別化が出来るかね?他社も動いているんだし、売り方の面でも独自性を考えないといけないんじゃないか?
(ポ):大丈夫です部長。製造原価は低めに抑えられているので、製品が普及期に入ってきたら価格を低下させて低価格戦略を取ることで他社の追随を許さない方策を取る予定です。
(ド):ふーん。なんだかドラッカーやポーターといった有名ドコロの先生方がよく言いそうな内容だな・・・。ということは、他社も同じようなことを考えているということだぞ。もっと突き詰めて考えないとダメじゃないか?
(ポ):はぁ・・・。
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出(引用)です 〓
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経営学は、それぞれの企業の戦略・方針に「それは正解です」「間違っています」と安直に答えを出せる学問ではありません。企業は一社ごとに、直面する事業環境も社内事情も異なるからです。
(中略)では経営学は何を提供できるかというと、それは
(1)理論研究から導かれた「真理に近いかもしれない経営法則」と、
(2)実証分析などを通じて、その法則が一般に多くの企業・組織・人にあてはまりやすい法則かどうかの検証結果、の2つだけです(P.35)
競争の型が違えば、求められる戦略は異なるのです。それを理解せずに戦略を適用している限り、いつまでも「戦略がうまくいかない」のは当然なのです(P.54)
経営者には3つの「両利きのリーダーシップ」が求められる、とタッシュマンたちは説きます。それは
(1)自社の定義する「ビジネスの範囲」を狭めず、多様な可能性を探求できる広い企業アイデンティティーを持つこと、
(2)「知の探索」部門と「知の深化」部門の予算対立のバランスは経営者自身が取ること、
(3)そして「知の探索」部門と「知の深化」部門の間で異なるルール・評価基準を取ることをいとわないこと、だと述べています(P.83)
多くの方は、イノベーションと聞くと、何だか大幅な技術革新を想起しがちです。しかし、このように部品(部分)ごとの変化は小さくとも、全体の組み合わせを変えることで、革新的なイノベーションが起きうるのです(P.89)。
フットワークが軽い人こそ、実は長い目で見ると多くの「新しい知の組み合わせ」を試し、創造性を高めている可能性があるのです(P.100)
組織の学習効果、パフォーマンスを高めるために大事なのは、「組織のメンバー全員が同じことを知っている」ことではなく、「組織のメンバーが『他のメンバーの誰が何を知っているのか』を知っておくこと」なのです(P.112)
全般的に成功体験は良い効果をもたらしますが、失敗経験が乏しいまま成功体験を重ねるとむしろその後の失敗確率が高まっていくのです(P.140)
1998年の論文で、バウムたちは過去の経営学の研究を精査した結果、優れたビジョンには6つの特性があると指摘しました。それは?簡潔であること、?明快であること、?ある程度抽象的であること、?チャレンジングなこと、?未来志向であること、?ぶれないこと、です(P.216)。
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〓 3)今日の気づき 〓
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・経営学の書籍に載っているのはビジネスマンが活用しやすいツールだけであり、使い方を間違えると何の役にも立たないこと。
・経営学の世界で論じられているのは、組織や知に関する「論理」であり、膨大な実験と検証も行われているため非常に科学的なアプローチがなされていること。
・経営学の書籍で得た知識だけではなく、論理展開の力を鍛えてこそ、戦略を立てることが出来ること。
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〓 4)本書の目次 〓
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第1章:なぜビジネススクールでは最先端の経営学が学べないのか
第2章:「経営学は役に立たない」についての2つの誤解
第3章:あなたの会社の戦略がうまくいかない、最も根本的な理由
第4章:成功しやすいビジネスモデルの条件とは何か
第5章:イノベーションの絶対条件!「両利きの経営」を進めるためには
第6章:なぜ大企業は革新的イノベーションについていけないのか
第7章:「チャラ男」と「根回しオヤジ」こそが、最強のコンビである
第8章:組織の学習力を高めるには「タバコ部屋」が欠かせない
第9章:「ブレスト」のアイデア出しは、実は効率が悪い!
第10章:「失敗は成功のもと」は、ビジネスでも言えるのか
第11章:真に「グローバルな企業」は、日本に3社しかない
第12章:「世界がグローバル化した」「フラット化した」を疑え
第13章:日本企業に、ダイバーシティ経営は本当に必要か
第14章:男性中心職場での「できる女」の条件
第15章:これからのリーダーシップに向くのは、どのような人か
第16章:成功するリーダーに共通する「話法」とは
第17章:日本最強の後継社長は「婿養子」である
第18章:CSR活動の思わぬ副次的効果とは
第19章:日本の企業活性化に必要なこと(1)簡単な「キャリア倒産」
第20章:日本の企業活性化に必要なこと(2)サラリーマンの「副業天国」
第21章:成功した起業家に共通する「精神」とは
第22章:「もうかる理由って結局なに?」を突き詰める学者たち
第23章:「リソース・ベースド・ビューが捉えきれないこと」とは何か
第24章:ハーバードを見て、米国のビジネススクールと思うことなかれ
第25章:米国の大学の裏事情は、中国人が一番知っている
第26章:来たれ!世界最先端の経営学を語る人材よ
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ビジネススクールでは学べない世界最先端の経営学
入山 章栄(著)
日経BPマーケティング (2015/11/24) 359ページ
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