みなさん、こんにちは
本シェルジュの三上友美恵です。
2022年12月、一度は食べてみたいと思っていた憧れのフレンチレストラン「オテル・ドゥ・ミクニ」が閉店しました。
37年にもわたって日本のフランス料理界を牽引したといってもよい三國シェフの自伝。
コロナ渦中にあっても、客足が途絶えなかった超人気店がなぜ閉店するのか。それは三國シェフが3年後70歳になるときに料理人として心の底で温めていた夢を実現するためだと知り、胸が熱くなりました。
何歳でも人は夢を追い続け、何者かになろうとも懸命にもがき続ける。読めばきっとパワーをもらい、もうひと頑張りしてみようと思える本です。
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1)本日紹介する書籍
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幻冬舎(2022/12/14) 264ページ
三國 清三
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2)本書を選んだ理由 どんな人が読むべき?
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・フランス料理に興味がある人
・夢中になることが見つからない人
・仕事に情熱を感じている人
・新しいことにチャレンジしたい人
・何者かになろうとして懸命にもがく人
⇒そんなすべての人に
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3)付箋 ~本書からの内容抽出です
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P47 札幌グランドホテル。天皇陛下も泊まる、正真正銘の皇室御用達。 札幌市民の誰もが認める、北海道で最も格式に高いホテルだ。
お嬢さんからそう聞いて、その瞬間に腹が決まった。
夜間学校を出た後の自分の将来がわからなかった。自分がこれからなにをしたらいいのかわからなかった。そのもやもやが晴れた。
ぼくはグランドホテルのコックになって、日本一のハンバーグを作る。
P197 ぼくはあの料理を、アラン・シャベルのレシピで作った。彼の哲学に 従って、彼の料理を作った。
ぼく自身の心で、ぼく自身の味覚や好みで、食材に向き合っていたわけじゃない。
フランス人になったつもりで、フランス人のように食材を見ていた。
フランス人の真似をして、フランス料理を作っていた。
ぼくがほんとうに好きなもの、心から旨いと思うもの。
それは親父の刺し網にかかったアワビやウニや甘エビだ。
浜で拾ったホヤだ。
熱い味噌汁だ。炊き立てのご飯。醤油をつけた刺身・・・。
そういうもの全部に封印をして、ぼくじゃない誰かになりすまして、ただの見せかけだけの料理を作っていた。
(中略)
日本に帰ろうと思った。
日本に帰って自分の料理を作る。
フランス料理を作るのはもうやめた。
いや、それは正確じゃない。
フランス人のようにフランス料理を作るのはやめる。
僕は日本人として、フランス料理を作る。
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4)今日の気づき
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殴られ、蹴られて仕事を覚える。そんな時代に戻るべきではないと思いますが、絶対に這い上がって自分の理想とする一流のシェフになるんだという熱い思いが地獄のような厨房で三國シェフを育てたんだというのが伝わってきます。
ミシュランの星がもらえなくても、「日本人としてのフランス料理」を追求し、自分にしかできない一皿を出す。料理にかける情熱は圧巻でした。
いつか行こうと思っているうちに閉店してしまったのが悔やまれます。
これからは気になるお店はチャンスを逃さず行っておこうと思います。
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5)本書の目次
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- 小学二年生の漁師
- 黒いハンバーグ
- 帝国ホテルの鍋洗い
- 悪魔の厨房
- セ・パ・ラフィネ
- ジャポニゼ
- 最後のシェフ
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三流シェフ
幻冬舎(2022/12/14) 264ページ
三國 清三
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