おはようございます、本シェルジュの村上知也です。
企業診断ニュースの特集記事をAIのテーマで執筆しました。その勢いで、継続的にAIの本を手に取るようになっていますが、玉石混交。本日、ご紹介する 「シンギュラリティ」の本もちょっと、チャラいかなあ・・・と思って読み始めていきましたが、どちらかというと、「過激派原理主義的」な本でした。
悪い意味ではないですよ(^^; AIや技術進化の極論的というか、こんな風になっていたらすごい!のような。この本の通りには、まだ進まないよね、と感じるところはたくさん出てきます。
「テクノロジーの進化で再生可能エネルギーのコストが0に近づく」
「数年後には、コンビニに3Dプリンターが常設される」
などです。
でも、そういう自分自身が指数関数的な考え方ができていないのかもしれません。
ヒトゲノム解析の進捗が7年間で1%しか進んでいないから、あと693年かかる!ではなくて、もう半分まで来たという学者の話が出てきますが、実際、その7年後ぐらいには解析が終わってしまったと。それくらい技術進化は進んでいっているということですね。
最初は亀の歩みの時間が長くても、うさぎの歩みになり、車の歩みになるかと思いきや、あっという間に光の速度になっている。そんな進化が色んな所で見られるようになってきたのも事実です。
生産性改革が叫ばれる中、地道な10%の改善も大事なのでしょうが、どうしたら生産性を10倍にできるのか!といった考え方も持っておかないと、時代に取り残されるのかもしれませんね。
1)本日紹介する書籍
「シンギュラリティ・ビジネス AI時代に勝ち残る企業と人の条件」
齋藤 和紀?(著) (幻冬舎新書)?2017/5/30 193ページ
http://amzn.to/2yhprG1
2)本書を選んだ理由 どんな人が読むべき?
シンギュラリティは技術的特異点。AIが自身で自らを改造、進化させられるようになるタイミングのことと言われます。今まで人間が時間をかけて機械化、IT化してきたものを、AIが自分で考えだしたとき、指数関数的に進化が遂げられていくでしょう。
2を10回かけても、1024にしかなりませんが、2を20回かけたら、100万を超え、2を30回かけたら、10億です。
そんなタイミングは来ない・・・と、まだ少し考えている自分がいます。
そんな人ほど読んでみるといいのではないでしょうか。
ちょっと、SFの空想の社会だよね!と感じながら、もしかして・・・と感じることで、新しい視点を身につけられるのでは、と思います。
3)付箋 本書からの内容抽出です
・Kindle位置 145
この言葉が日本国内で広まるきっかけをつくった一人は、ソフトバンクCEOの孫正義氏ではないでしょうか。孫氏は、二〇一六年六月、AIの進化について熱弁をふるい、「シンギュラリティがやってくる中で、もう少しやり残したことがあるという欲が出てきた」と、シンギュラリティが社長続投の理由であったと発言したのです
・Kindle位置 215
ヒトゲノム計画のことを思い出していただきましょう。七年間で全体の一%しか進捗していなかったにもかかわらず、カーツワイルは「もう半分以上が終わっている」と指摘しました。それは、ゲノム解析の技術が加速度的に進歩することを信じていたからです
・Kindle位置 733
エネルギーが実質的にタダになり、水や食糧がいくらでも生産できるようになれば、もう人間は働かなくてよい社会になります。すべては完璧なAIを備えたロボットがやってくれるのです。 そうなったとき、資本家が労働者を使って利益を生み出し、労働者がそこから収を得て生活するという資本主義の基本的な仕組みが維持できるとは思えません。富の分配システムが根底から変容するのです。 ですから、テクノロジーによる急進的な革命を信じるシンギュラリタリアンのあいだでは、しばしばベーシック・インカムという制度が議論されます。ベーシック・インカムとは、政府が最低限の生活を送るための現金をすべての国民に支給する仕組みです。
・Kindle位置 1262
10%アップを目指すより、10倍を目指そう」という考え方。これは何度も何度もいわれました。製品のクオリティであれ、仕事の生産性であれ、多くの人は10%の向上のために大変な努力をしています。そうやって地道にコツコツと改善を積み重ねていくことが大事だと思われているわけですが、その10%の改善が注いだ労力と釣り合っていない可能性もあります。
・Kindle位置 1413
未来の自分」
ぼくのおとうさんは、しょうらい人工知のうがすべての勉強をやってくれるから、人間は勉強をしなくてよくなるといいます。でも、いまはみんなが宿題をやっているのでぼくは宿題をやります。
・Kindle位置 1643
リスク管理の発想が社会に根づいていないんです。いまでも交通事故で年間4,000人の死者が出ているわけですから、自動化によってそれが減れば良いはずですよね。しかし日本では、たとえ死者が3,000人になったとしても、「機械のおかげで1,000人も減った」とはいわれず、「機械が3,000人も殺した」という話になるでしょう。
4)今日の気づき
10%の改善を目指すより、10倍の変化を目指せ!
最近、自分ではそんな視点を持てていないことを反省しました。
5)本書の目次
はじめに
第1章 シンギュラリティとは何か?
第2章 爆発的進化で起きる6つのD
第3章 人間が死なない、働かなくてもいい社会
第4章 第四次産業革命が始まっている!
第5章 エクスポネンシャル思考でなければ生き残れない
第6章 これが世界最先端のシンギュラリティ大学だ!
第7章 シンギュラリティ後をどう生きるか
対談 AIと人間これからどうなる?
「シンギュラリティ・ビジネス AI時代に勝ち残る企業と人の条件」
齋藤 和紀?(著) (幻冬舎新書)?2017/5/30 193ページ
http://amzn.to/2yhprG1
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