みなさん、はじめまして。
新人本シェルジュの園田泰造と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
仕事柄、Web系やデータ分析、マーケティング関連の書籍を読むことが多いので
すが、その中でも、心の中に熱いものが残るマーケ本を今回ご紹介したいと思い
ます。

みなさんは、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(以下USJ)に行かれたことは
ありますか?
私は、数年前までは機会があればいつか、程度の関心でした。関東在住のせいも
あり、なかなか3万円の往復交通費使ってまで行く動機が作れませんでした。

ところが、ハリー・ポッターのアトラクションができてからは、時間とお金を
作ってでも、行ってみたいと思うようになりました。それは、低迷していたUSJ
をV字回復させた立役者で、今回ご紹介する本「USJのジェットコースターはな
ぜ後ろ向きに走ったのか?」の著者森岡毅氏の功績が大きいようです。

森岡氏は、USJ入社以来次々に打った施策が大当たり。さぞや天才的なアイデア
マンなのかと思いきや、がちがちの左脳人間とのこと。そんな氏のアイデア発
想法「イノベーション・フレームワーク」に興味が沸き、本書を手に取ると、
あとはもう一気読みでした。

なんと、そこにはアイデアの神様の正体が明確に書かれていたのです。

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 1)本日紹介する書籍
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USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?
KADOKAWA/角川書店 (2014/2/26) 253ページ
森岡 毅(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4041106974/

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 2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?
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マーケッター、プランナー等の企画職の方はもちろんのこと、その他の職種の方
や、学生さんでも、日常的なちょっとしたことでさえ、「有益な」アイデア一つ
で大きく結果が変わることを実感したいすべての方へ。

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 3)付箋 ~本書からの内容抽出です
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P4  私は、「奇跡」という言葉が好きではありません。外から見たら「奇跡」
のような成功に見えるのかもしれませんが、ここで起こったことは偶然ではない
のです。

P7  最近、私のことを革新的なアイディアを次々に生み出す「アイデアマン」
だと褒めてくれる人がいます。しかし本当の私は、そういうタイプの人間ではあ
りません。むしろ、クリエイティブなひらめきでアイデアを次々に生み出す天才
とは真逆の、頭の中が四角いタイプです。論理や数字を頭の中でカクカク動かす
タイプの人間です。

P108 私は、良いアイデアを思いつくためには、「どんなアイデアを思いつけば
良いのか」を先に徹底的に考えるようにしています。それができれば、あとは
「なぞなぞ」を解くのによく似ています。

P127 日本人は、何でも自分でゼロから始めようとする、悪いクセがあるように
思うのです。(中略)人のアイデアを活用したり、それをベースに新たな価値を
増築していくことが、スマートだと信じている人をあまり見たことがありません。

P151 これまでの章でアイデアの神様が降りてくるまでの苦労話をいくつか書い
てきましたが、最初に私が考えるその神様の正体を明確にしたいと思います。
神様の正体は確率です。(中略)良いアイデアを生み出す方法とは、良いアイデ
アを思いつく確率を上げる方法です。

P156 戦略的フレームワークは、目的→戦略(必要条件)→戦術(アイデアその
もの)の順番で考えていくと、選択肢を合理的に絞っていくことができます。最
も宝が埋まっていそうなポイントに時間や努力を集中させるのに役立ちます。
それ以外を全く考えなくても良い「捨てる領域」にしてくれるからです。

P171 フレームワークで考えるべきアイデアの必要条件が明確になったら、最初
に世の中に目を向けましょう。この世界中のどこかに、過去から現在に至るどこ
かに、似たような問題に直面した人がいるのではないか?と疑ってかかりましょ
う。世界中からアイデアを探すのです。

P174  「ストック」が強ければ強いほど、直面する問題に対する解決策を思いつ
きやすくなります。ちまたで「あの人は引き出しが多い」などと表現される長所
です。(中略)気づかないことは考えられないのです。

P179 淡白な人に「確率の神様」は微笑んでくれないのです。私はこんな風に自
分を暗示にかけるようにしています。「アイデアは絶対に見つかる。既に存在す
るのに、自分が見つけられていないだけだ」

P242 つまるところ、外部条件が大きく変わらないときに「より良い結果(=違
う結果)」を出すには、この2つしか方法がありません。「違うことをやる」か
「同じことを違うようにやる」か。本当にこの2つだけなのです。より良い結果を
求める我々は常に「違うこと」と「違うやり方」を模索し続けなければなりません。
常に変化し続けないと生き残れないのに、変化を起こすことを恐れては駄目なの
です。

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 4)今日の気づき
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アイデアを考察した本は、「アイデアのつくり方」(ヤング)や、「アイデアの
ちから」(ハース兄弟)等名著も多いですが、一人称での自らの成功体験を基に
した本書は、説得力がありました。しかも、基本的には、誰でもできる手法で。

フレームワークで考える対象を絞り、普段から関心の幅と深さを広げてネタをス
トックし、そのネタの組み合わせや既存のマネをベースに、熱意をもって取り組
めば、きっとアイデアの神様は微笑んでくれると。

奇跡のように見える、USJのV字回復も、緻密に目的と必要条件を絞り込んでいた

からこそ、既存のジェットコースターを後ろ向きに走らせるという、言われてみ
れば、なーんだという発想をはじめ、確率的に時間の問題だったのかもしれませ
ん。

USJは売上1000億企業ですが、中小企業でも、個人の日常でも、
「イノベーション・フレームワーク」は、けんかしたパートナーと仲直りする方
法ををはじめ、適用範囲の広いノウハウです。

これで、あなたにもアイデアの神様は微笑んでくれるかも?

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 5)本書の目次
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プロローグ 私は奇跡という言葉が好きではありません
第1章 窮地に立たされたユニバーサル・スタジオ・ジャパン
第2章 金がない、さあどうする?アイデアを捻り出せ!
第3章 万策尽きたか!いやまだ情熱という武器がある
第4章 ターゲットを疑え!取りこぼしていた大きな客層
第5章 アイデアは必ずどこかに埋まっている
第6章 アイデアの神様を呼ぶ方法
第7章 新たな挑戦を恐れるな!ハリー・ポッターとUSJの未来
エピローグ ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはなぜ攻め続けるのか?

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USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?
KADOKAWA/角川書店 (2014/2/26) 253ページ
森岡 毅(著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4041106974/

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