こんにちは。本シェルジュの川原茂樹です。
みなさんは10年後の世界を想像したことがあるでしょうか?
10年前を思い出してみてください。
スマホが今のように普及して、スマホに依存しきった人たちが溢れている
なんて、10年前に予測できた人はほとんどいないでしょう。
この本では、AIを始めとする最新技術と人間の特性を組み合わせて、
ちょっと不気味な未来をリアルに描いています。
現代の若者が憧れる職業「ユーチューバー」でさえ、
10年後はAIに取って代わられると言います。
では10年後、人間は何をしているのか…?
タイトルにつられて読み始めた本ですが、なかなか骨太なデジタル文化論でした。
建前では受け入れがたいけど、本音ではアリかも、と思ってしまう未来。
一時期はオタク評論家として有名になった岡田斗司夫氏ですが、あなどれません!
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1)本日紹介する書籍
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ユーチューバーが消滅する未来 ~2028年の世界を見抜く~
岡田 斗司夫 (著) (2018/11/29) 213ページ
PHP研究所
https://www.amazon.co.jp/dp/4569841880
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2)本書を選んだ理由 どんな人が読むべき?
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AIや未来洞察の本は、飽きるほど読んできた私ですが、
この本の視点は、今までになかったものです。
・AIが人の心を動かすなんて、当分ないと思っている人
・リアルこそが価値の源泉だと信じている人
・未来洞察の本はどれも同じ。読み飽きた、という人
身近な、あるある話に例えているので、難しい話はありません。
新たな可能性を見てみたい方すべてに、オススメです!
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3)付箋 ~本書からの内容抽出です
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■ すでにこの世界は、現実よりも「盛った」ものを優先するようになっている(P54)
フェイクニュースの原理もこれによく似ています。(中略)
なぜああいうサイトに人が集まるかと言えば「現実がより面白くなるから」です。
■ 現実拡張ゴーグルで、人は見たいものを見るようになる (P56)
重要な変化は、それぞれの人が「自分の解釈で世界を見る」ということ。
「この世界には美少女だけがいてほしい」という人にとっては、ありのままの現実
を見るより、自分の見たい世界を見ることの方がずっと大切なはずです。(中略)
「みんなが同じ現実に向き合う」のではなく、「それぞれが別々の現実を生きる」
これこそ、人類の悲願なのではないでしょうか?
これから10年、20年、そうした消費者ニーズはもう止められないでしょう。
■ 日本のユーチューバーは、海外のユーチューバーとの競争に放り込まれる(P74)
アメリカ人ユーチューバーのわかりにくいテキサス訛りの英語が、一瞬にして
日本語に翻訳される…というより、そのユーチューバー自身がキャラクターに
応じた流暢な日本語を話しているように見える。それが10年後の世界です。
■ 人間ユーチューバーは、AIユーチューバーに淘汰される(P77)
CGで作られたバーチャルユーチューバーの中の人がバレたら、ひと昔前なら事故
でしたが、今はみんなそれを面白がるようになっています。現実を「盛る」ことに
みんな慣れ始めているのです。
人間がユーチューバーである限り、配信の頻度にも限界があります。
AIなら24時間365日、ずっと配信し続けられます。
■ 画面から飛び出してきた美少女やイケメンと恋をする(P120)
8割くらいの人は「すごく魅力的な相手だったら本気で好きになるけど、
それほど魅力的とは思えない相手と付き合うのは、お金や時間の無駄」
彼氏/彼女は欲しいけど、恋愛は「コスパが悪い」んです。
■ リアルには不要な雑音が多すぎる (P130)
インスタ映えで大事なのは見た目であり、実際の味ではありません。レストランで
料理が出てきたら、料理が冷めるのもかまわず、写真を撮りまくります。
僕らはもう、リアルな味はそれほど考えなくなっている。これが脱リアルです。
「リアルであることの価値が暴落している」ということでもあります。
■ お笑い人工知能を目指して開発が進められている「大喜利β」 (P172-174)
若手芸人と2016年に勝負して、5対3で勝ってしまったんです。現在ツイッターで
公開されている大喜利βは、リツイートの回数が多いほどウケたと判断する
仕組みが入っている。大喜利βはメンタルが強い、というかメンタルがない。
人間ならネタがスベったら多少はひるみますが、大喜利βはひるまずに
どんどん過激な回答を出してくる。
■ 人工知能のいいところは、24時間全力でユーザーの相手をしてくれること(P174)
未婚、独身の人の食卓も、別にわびしくはありません。調理ロボットが作ってくれた
料理を食べるときは、人工知能のキャラがボケやツッコミを担当して、
大家族のような雰囲気を作ってくれるなら楽しいじゃないですか。(中略)
本物よりこっちの方がいいという人だっているでしょう。
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4)今日の気づき
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AIが人間の能力をはるかに超えて普及した世界に突入する。
人は現実より、バーチャルの方が快適でいい、と本気で思ってしまう。
人間らしさの定義も書き換わっている。
それを嫌だと言っても仕方ない。大きな変化は間違いなくやって来る。
そんな未来を楽しいと感じるかどうかは、捉え方しだいです。
自分の突出した能力を見つけて、ニッチな領域で才能を開花させる。
変化を楽しむ準備をしておきたいと思います。
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5)本書の目次
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序章 「未来格差」に備える
第1章 未来予測の3大法則
第2章 自分を「盛る」時代
第3章 AIがユーチューバーを淘汰する
第4章 アイドルは新時代の貴族になる
第5章 アマゾンが不動産へ進出
第6章 バーチャルとリアルの恋愛の境界が消える
第7章 AIロボットが家族の代わりに
第8章 人工知能が政治を変える
終章 未来の幸福論
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ユーチューバーが消滅する未来 ~2028年の世界を見抜く~
岡田 斗司夫 (著) (2018/11/29) 213ページ
PHP研究所
https://www.amazon.co.jp/dp/4569841880
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