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ビジネス書書評の本シェルジュ

紙つなげ!彼らが紙の本を造っている

こんにちは。本シェルジュの三上友美恵です。

今回のテーマは「NEW」!
日本の根底の強みである「ものづくり日本」の将来への希望を込めて選書しました。

2011年3月11日、あなたはどこにいましたか?

私は3日後に新規開店を控えた書店にいました。取引先の書店の部長と商談中にかすかな揺れ。
あれ?地震かな?そう思うと同時にどん!と恐怖を覚えるほどの揺れ。
目の前でスローモーションのように本が落下し、正直「死」を覚悟しました。

そして、戦後初の発売見合わせ。
私は業界の隅に携わる者して「出版が終わる日」と覚悟しました。
紙がない。電気がない。配送ルートが確保できない。
絶望に放心する中、震災に直撃を受けた日本の出版業界を支える「日本製紙石巻工場」が
たった半年で奇跡の復興をとげたのです。
久しぶりに本を読みながら泣きました。電車の中で人目も憚らず泣きました。

どんな絶望の中でも、人は未来へ向かって歩き出せる。
私たちがなにげに手にする、気にしない商品の数々に「職人の矜持」が詰まっている。
ニッポンのNEW!の土台、底強さを感じた1冊でした。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〓 1)今日のオススメの一冊 〓
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
紙つなげ! 再生・日本製紙石巻工場
彼らが本の紙を造っている
佐々涼子(著)
早川書房(2014/6) 288ページ
AmazonURL: http://www.amazon.co.jp/dp/4152094605
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今回の登場人物
■山本店長:商店街にある小さな書店の店長。なんでも知ってる超ベテラン。
鈴木くん:本好きの大学生。アルバイト1年目。

山本店長:鈴木くん、文庫の各社ごとの特徴ってわかってきた?

鈴木くん:え・・・?表紙とかそういうことですか?文字の大きさ?

山本店長:そうだね。あと、ページを開くとすぐわかる。
文庫ってね、紙の色がみんな違うんだよ。
講談社が若干黄色。角川が赤くて、新潮社がめっちゃ赤。
紙ってざっくり白ってイメージしかないかもしれないけど、出版社は文庫の色に
「これが俺たちの色だ」って強い誇りを持っているそうだよ。

鈴木くん:へえ。そんなことあんまり考えなかったなあ。確かに各社ごとに紙の
触り心地が微妙に違いますね。

山本店長:1つ1つに妥協をせずに作る「ものづくり」の心って実は身近に溢れて
いるんだよね。鈴木くんも、作者さんだけじゃなくて、その裏にいる多くの人の
こだわりを考えてみると面白いよ!

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〓 2)付箋 ~本書からの引用~ 〓
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(P97)いったん現場が「やり遂げる」と腹をくくって覚悟を決めれば、どんな困難であろうと、絶対に乗り越えて仕事を仕上げてくることを知っていた。彼らはいつも想定外のできごとに対応している。マニュアルでは解決できないトラブルへの耐性が備わっていた。そして何より、倉田はどん底へに落ちた時の人間の底力を知っている。

(P110)倉田はリーダーシップを、次のように考えていた。
「目標が達成できるか否かはリーダー次第。リーダーが二年といえば二年。三年といえば三年。そして半年といえば半年です。現場の話を物わかりよく聞いていたら、三年あっても復興工事なんて終わらない」

(P147)憲昭の娘礼菜(あやな)は、小さい頃父親がこんなことを言っていたのをよく覚えている。
「紙にはいろんな種類があるんだぞ。教科書は毎日めくっても、水に浸かっても、破れないように丈夫に作られているだろ?コミックにも工夫がいっぱいあるんだ。薄い紙で作ったら、文庫本の厚さぐらいしかなくなっちゃう。それじゃあ子どもが喜ばない。手に取って嬉しくなるように、ゴージャスにぶわっと厚く作って、しかも友達の家に持っていくのにも重くないようにできてる。これな、結構すごい技術なんだぞ」
憲昭の言葉は、いつも紙に対する愛情にあふれていた。

(P242)日本製紙石巻工場は、家族や知人、同僚たちを亡くし、家や思い出を流された従業員たちが、意地で立ち上げた工場だ。
だが、読者は誰が紙を作っているかを知らない。
紙には生産者のサインはない。彼らにとって品質こそが何よりも雄弁なサインであり、彼らの存在証明なのである。

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〓 3)今日の気づき 〓
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たった半年で奇跡の復興。そのように美談として取り上げられ、池上彰の「JAPANプロジェクト~ニッポンの底力スペシャル~」で取り上げられ、ドラマ化もされた本です。

震災直後の記述があまりにもリアルで、言葉を失いました。
ニュースでは日本人はこんな震災の中、モラルを守っているなどと取り上げられていましたが、本当は強奪や裏切りもなかったわけじゃない。震災を体験した人しか語れない、あまりにも重い感情。
「50人は助けた。でも、その倍は見殺しにした。助けられなかった。そのことは一生忘れられないでしょう」
そんな中、生き残った人たちの「心の支え」が「工場を復興して日本の出版を支えること」
本書のあちこちに彼らの紙に対する愛情とプライドが溢れています。
紙という何気なく手にするものの中にも、繊細で考え尽くされた技術が詰め込まれている。
そのことに改めて気付かされ、日本のものづくりってすごい!と心が熱くなりました。

実はもう知っているよ、そんなことは当たり前じゃないか、そう思っていることやものの中にも自分が気づかない「NEW」がある。
それを気づかせてくれたのが、この1冊。是非読んでみてください。

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〓 4)本書の目次 〓
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第一章 石巻工場壊滅

第二章 生き延びた者たち

第三章 リーダーの決断

第四章 8号を回せ

第五章 たすきをつなぐ

第六章 野球部の運命

第七章 居酒屋店主の証言

第八章 紙つなげ!

第九章 おお、石巻

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紙つなげ! 再生・日本製紙石巻工場
彼らが本の紙を造っている
佐々涼子(著)
早川書房(2014/6) 288ページ
AmazonURL: http://www.amazon.co.jp/dp/4152094605
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