本シェルジュの平川雄二です。

今日ご紹介するのはグループウェア会社「サイボウズ株式会社」の
代表取締役青野慶久氏の著書「チームのことだけ、考えた」です。

働き方の多様性が加速する昨今において、会社組織として革新的な
取り組みを続けてきた同社の哲学が随所にちりばめられています。

一時期離職率が28%にまでのぼり、企業としても方向性を見失いかけたことが
これまでの会社運営を見直す大きなきっかけとなったと記されています。

「100人いれば100通りの人事制度」はどのようにして創られ運用されているのか。

その奮闘のストーリーとともに、サイボウズ流マネジメントを記した一書です。

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1)本日紹介する書籍
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「チームのことだけ、考えた。
―サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか」
ダイヤモンド社 (2015/12/18) 256ページ
青野慶久(著)
www.amazon.co.jp/dp/4478068410

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2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?
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すべてのビジネスパーソンにお勧めできる書籍です。

特に、チームの責任者や人材育成担当者、そして経営者の方にはぜひ読んでいただきたいです。

昨今ニュースで取りざたされている働き方改革とは、残業をなくしてプライベートな時間を確保することなのでしょうか?
それは結果としての一つの事象であり、本当に問われているのはもう一歩踏み込んだところにあるように思います。

経営とは何か?

会社とは何か?

働くとは何か?

こうした疑問に対し、真正面からぶつかり取り組んできたサイボウズ社の哲学がつまっています。

是非お手に取って読んでいただきたい一冊です。

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3)付箋  本書からの内容抽出です
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■私が社長になった2006年1月期の離職率は過去最高の28%を記録した。
正社員だった83人のうち、23人が1年後には辞めていなくなった。4人に1人以上が辞めたことになる。

■私はこれから真剣に取り組む。社長として、この会社の成功に命を懸ける。
失敗したら死んでもよいと覚悟を決める。そう考えた途端、気持ちに迷いがなくなった。
私は覚悟を決めるということを学び、自分の真剣スイッチを生れてはじめてONにした。

■「人間は理想に向かって行動する」

■努力して事を成し遂げた偉人は称賛される。我々は、偉人の凄まじい努力に目をやりがちだが、努力をしたのは理想を強く望んでいたからだ。

■なぜ社員が辞めるのか。それは、辞めることで理想を実現したいからだ。たとえば、もっと残業を減らしたい、もっとスキルが上がる仕事がしたい、もっと高い給料が欲しいなど。
その理想を実現するには、サイボウズに残るよりも「転職する」という課題を遂行したほうが近いと考えたから辞めたのだ。

■多様な人たちをチームとして活かすためには、共通の理想が必要なのだ。多様な人材をチームで受け入れることと、チーム全体で共通の理想をもつことは、実は矛盾しない。
共通の理想があるからこそ、多様な人たちを受け入れ、1つの方向に束ねていくことができる。

■チームワークの良し悪しを決めるのは、「効果」「効率」「満足」「学習」の4要素であると。

■マネジメントをするには、この人がどの距離で付き合いたいかを確認しながら、距離に応じた制度を用意しなければならない。
今までの会社は、正社員全員に対して同じ制度を適用し、同じ働き方を強要してきたように思う。
そして、その要件から少しでもはみ出しそうになれば、社内に置けない人として排除してきたのではないだろうか。

■「『事実』と『解釈』は別物である。実際に起こったことが事実で、それを見て思ったことが解釈。
たいていに場合、事実はたいしたことはない。解釈を付け加えることで、人は感情的になってしまう」

■「問題」とは「理想と現実のギャップ(差)だと定義する。現実が理想と異なることが問題である。

■「やりたいこと」と「やれること」と「やるべきこと」、この3つの条件が揃ったときにモチベーションが高まる。

■社員同士を比較できないなら、給与は何を基準に考えればよいのか。そうだ、社外に目を向けよう。
その人がもしサイボウズを辞めて転職するなら、果たして給与はいくらになるだろうか、という視点だ。
それを「市場性」と呼ぶことにした。

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4)今日の気づき
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会社組織の文化、価値観、風土を創るものは代表者である社長の哲学に起因することが大きい。

しかし、その社長の考えを全社員に共有することは非常に難しい。

こうしたものは一朝一夕に培えるものではないが、一つ一つの物事を「定義」していくことが重要であると感じた。

自社(自分)の理想とは何か?

そのための課題解決となる共通フレームワークはどのようなものか?

感情に流されすぎず、事実を認識し、地道に寄り添い合い共通の理想に向かって進んでいく大切さを学んだ。

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5)本書の目次
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第1章 多様化前のこと

第2章 共通の理想を探す

第3章 会社のインフラを作る

第4章 多様性に対応した人事制度

第5章 制度を活かす風土を作る

第6章 多様化の成果

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「チームのことだけ、考えた。
―サイボウズはどのようにして「100人100通り」の働き方ができる会社になったか」
ダイヤモンド社 (2015/12/18) 256ページ
青野慶久(著)
www.amazon.co.jp/dp/4478068410
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