こんにちは、本シェルジュの中島です。
2014年が始まりました。今年もよろしくお願いいたします。
私は今年は2013年に蒔いた種に水をやり、肥料を蒔き、今年は実らすことができる
よう力を入れたいと思っています。
そんな中、今回は今年11月に発売され、一時期は書店の棚から払底していた
「熔ける」をお送りします。
著者の井川氏は大王製紙グループから個人的に約107億円を融通した事で、
特別背任により懲役4年の刑が確定しています。借り入れた「カネ」はマカオ、
シンガポールのカジノの支払いに充てられました。
井川氏は幼少期から学業成績優秀、20代から経営不振のグループ会社の建て
直しを成功させるなど卓越した実績を上げています。
そんな人が破滅してしまうほどまでにギャンブルにはまった理由を知りたくて
読んでみました。
本書では、井川氏の生い立ち、さまざまな芸能人との交際などのあと、最後に
ギャンブルの怖さ(そして魅力?)が記されています。
<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊 〓
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熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録
井川意高
双葉社(2013/11/13) 272ページ
AmazonURL:http://goo.gl/FCPTGZ
今回の登場人物
◆競馬好きの先輩田中さん
◆ギャンブルをしない清水さん
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田中:有馬記念ダメだったな~。
いい線いってたんだけどな。あと一歩、考えすぎたんだよな。
清水:今年も賭けてたんですね。
田中:これがないと一年終わった気がしなくてさ。ところでさカネ貸して
くれない?
清水:唐突ですね。なんか去年も聞いたような・・・ボーナス出たばっかり
じゃないですか。もしかして全部突っ込んじゃったんですか?!
田中:いや、ある程度賭けないとドキドキしないだろ?
清水:この本読んでください。先輩は気をつけてくださいね。ホントに。
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出(引用)です 〓
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●094
ただ、私は「結果至上主義」では決してない。自分の頭で考え抜き、そのプ
ランに基づき最善を尽くし、結果がついてこなかったら、それはそれでしょう
がないと思っている。失敗の原因を分析し、次に活かせばいいだけだ。私が
嫌いなのは、自分が考える努力や目標実現への労力を怠ったことを棚に上げ、
「がんばったからいいではないか」と言い切ってしまう情緒的なメンタリテ
ィーなのだ。
●104
のちに私が東京地検特捜部に逮捕されてから、大王製紙からも多くの人間が
取り調べに応じている。5000ページにも及ぶ検察調書を読むと、仕事のや
り方について私の悪口を言っていた社員はいない。こればかりは素直にうれ
しかった。
「井川さん、あなたは仕事はできる人だったんですね」
特捜検察官からも、苦笑交じりにそんな皮肉を言われ、複雑な気持ちになっ
たものだ。
●112
私はいつも「5W1H」ならぬ「5W2H」を心がけていた。(中略)これに加
え、私はもう一つの「H」を重視していた。「how many」もしくは「how
much」、つまりいくつ、いくらという具体的な数値だ。
ビジネスにおいては、必ず数字を重視しなければならない。定量的な目標、
時間軸としての期限を定めなければ、ビジネスとして結果を出せたかどうか
が曖昧になってしまう。
●169-170
バカラについては勝ち負けにゲーム性が入りこむ余地はなく、定石もへった
くれもない。(中略)
バカラでいくら頭脳プレイを展開しようとしても、頭を使う余地はどこにも
ない。勝つか負けるかは運次第だ。運に賭けるしかないからこそ、頭脳プレ
イのゲームとは違った醍醐味がある。今の私の立場でこんなことを言うのは
自分でもいかにも馬鹿だと思うのだが、偶然性と勘頼みのバカラは実にエキ
サイティングなギャンブルだった。
●207
11年9月7日に問題が発覚するまで、監査法人や監査役会、取締役会などす
べてのチェック機能をスルーしてしまったわけだ。
●252
カジノのテーブルについた瞬間、私の脳内には、アドレナリンとドーパミン
が噴出する。勝ったときの高揚感もさることながら、負けたときの悔しさと、
次の瞬間に湧き立ってくる「次は勝ってやる」という闘争心がまた妙な快楽
を生む。だから、勝手も負けてもやめられないのだ。地獄の釜の蓋が開いた
瀬戸際で味わう、ジリジリと焼け焦がれるような感覚がたまらない。このヒ
リヒリ感がギャンブルの本当の恐ろしさなのだと思う。
●268
一番信用できないのは、自分ーーー106億8000万円の代償として私が得た
ものは、かくも悲しい事実のみだった。
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〓 3)今日の気づき 〓
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当たり前かもしれませんが「仕事ができる」ことと、「ギャンブルに耽溺する」
ことは関係なく、井川氏が動かせる「カネ」が大きかったことで刑事事件にまで
発展してしまいました。自分にその傾向がないのか冷静に見つめたいと思います。
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〓 4)本書の目次 〓
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序章 灼熱
第一章 極限
第二章 追憶
第三章 邁進
第四章 君臨
第五章 疼き
第六章 放熱
第七章 熔解
第八章 灰燼
終章 下獄
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