こんにちは。
本シェルジュの三上友美恵です。

皆さん、お酒は好きですか?日本酒は飲みますか?

私は大酒飲みですが、正直日本酒は苦手でした。種類も多くてどれを飲んだ
らいいかわからないし、おじさんのうんちく話もちょっとうんざり。
でも、数年前に接待で取引先が「お酒が好きなら、これは是非飲んで」と薦
められた日本酒が、今大人気の「獺祭」。

飲んだ瞬間、本当にびっくりしました。今まで持っていた日本酒のイメージ
と全然違う、さっぱりとした辛口の白ワインのような美味しさ。
日本酒を飲みなれていない私でも抵抗なく、飲むことが出来ました。

本書は「獺祭」の生みの親、桜井博志氏がつぶれかけた酒蔵をいかにして再
建させ、世界的に通用する日本酒を生み出したのか、桜井氏の飾らない本音
で書かれています。

日本酒が「杜氏」とよばれる職人集団が指揮を執り、冬場だけ仕込まれるの
が当たり前だとは、本書を読むまで知りませんでした。
旭酒造では「杜氏」がおらず、社員によって年間約700回仕込む「四季醸造」
方式をとっています。
でもそれは、先代の急死によって桜井氏が社長を急遽引き継いだため、旭酒
造は潰れそうだと噂され「杜氏」がいなくなってしまったので「やむなく」
社員が仕込みをやらざるを得なかったからなのです。

自分の生命保険金で借金を払おうと考えるほど、追い詰められた経営。
「獺祭」の成功は決して簡単に得られたものではありませんでした。
大失敗をいくつも経験しながら、常識や慣習にとらわれずに試行錯誤していく
ことが成功に結びついたのです。

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 1)本日紹介する書籍               
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「逆境経営 山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法」
ダイヤモンド社 (2014/1/17) 208ページ
桜井 博志 (著)

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 2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?               
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大手と対抗するために「ブランド力」が必要とよく聞きます。
でも、そんなに簡単に「ブランド力」なんて身につくものでしょうか。
桜井社長は「ブランド力」なんて最初は目指してはいませんでした。
何とか旭酒造を潰さない、社員を守る、そんな一心でがむしゃらに取り組んだ
結果、世界に知られる日本酒メーカーに成長したのです。

カネなし、技術なし、市場なし。
ないないずくしのピンチだったからこそ、逆転の発想を生み出せた。
ピンチはチャンスでもある。なかなかそう思えないこと多いけれど、ここ一番
の土壇場で逆転の発想が出来る人こそ、何かを生み出す人なのでしょう。

成功の影には努力あり。
ちょっと仕事がうまく行ってなくて、「ついていないなあ・・・」なんて思って
いる人には是非読んで欲しい。
本当に努力していますか?ギリギリですか?発想を転換させてみませんか?
仕事に取り組む姿勢が変わる1冊です。

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 3)付箋  本書からの内容抽出です             
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小さな酒造であることが、どうすれば強みになるのだろうか。
そう考えて、小規模な仕込みでないと造れない、しかも少量ずつでも愛され続
ける純米大吟醸に絞りました。
岩国の4番手なら、どこで勝負すればいいか。
地元で勝てないのであれば、いっそ遠くのもっと大きな市場へ、東京を中心と
する全国区で展開できるよう、経営の舵を切ってきました。
「どうやら旭酒造はつぶれそうだ」と経営難を聞きつけて、酒造りを統括する
杜氏がいなくなった。じゃあ、私と社員だけで「手本書」どおりに酒を造り、
可能な限り数値化して品質の安定をはかろうじゃないか。
そこには、経営美学もマーケティングもありません。
いかにして目の前の危機を切り抜けるか。その連続でしかなかったのです。
そこにあった唯一の思いは、ただひとつ。
「ああ、美味しい!」と言っていただける酒を造ることでした。

70点を目指すのではなく、120点の酒造りにこだわる。
目指す頂は、日本一か最高品質しかない。
そこにしか、私たちのお客様はいない、と強く感じたのです。

人も企業も「味方」がいて「調子のよいとき」というのは成長しません。
「敵」に囲まれ「ピンチのとき」こそ、成長させてくれる。

「<獺祭>は今、日本手代表の打席に立っている。たとえ、空振りして尻餅を
ついて大恥をかくような結果になろうとも、バットを振ります」

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 4)今日の気づき                       
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桜井社長は自分で、もともとは気弱で重圧に弱い人間だが、酒造を継いでからは
泣き言を言っていられず、「社長を演じている」と述べています。
ブランドは血の流れるような強烈な個人によって築かれる。それを今の自分の
役割と信じて、<獺祭>を世界に発信している、と。

個人的な話ですが、私も4月より部署異動になり、今まで以上に仕事に対してリー
ダーシップと責任を求められています。
正直、しんどいなあ・・と感じることも多く、泣き言をつい言いたくなります。
でも、桜井社長の奮闘記を読んで、もうちょっと視点を変えたらどうだろう、工
夫してみようかと素直に思えました。
苦労して何かを得た人の話は、仕事のヒントが多いですね。

これからは私も日本酒を飲む時に、その裏で頑張っている人の姿に思いを馳せて
しっかり味わいたいと思います。

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 5)本書の目次                        
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第1章 「負け組」の悲哀を忘れない
第2章 大失敗から学ぶ
第3章 捨てる勇気を持つ
第4章 「できること」と「やるべきこと」をはき違えない
第5章 常識や慣習にとらわれない
第6章 伝統が持つ奥深かさを侮らない
第7章 発信しなければ伝わらない
第8章 打席に立ったからには、思い切りバットを振る

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「逆境経営 山奥の地酒「獺祭」を世界に届ける逆転発想法」
ダイヤモンド社 (2014/1/17) 208ページ
桜井 博志 (著)