こんにちは。本シェルジュの赤塚です。

蒸し暑い上に、不安定な天気が続きますね。
天気予報をしっかりチェックして、熱中症と豪雨に負けないようにしましょう!
さて、本日ご紹介するのは林真理子氏のエッセイです。

皆さんは、ご自身で「自分は野心を持っている」と思いますか?
「野心」というと、少し乱暴で自分勝手なニュアンスが付きまといますが、
本書では、タイトル通り「野心」を持つことを勧めています。

著者が歩んできた人生において「野心」がいかに重要であったか。
いじめられっ子だった中学時代、惨めな思いをした社会人生活、
一躍著名人となった後のスランプ時期などのエピソードとともに
テンポよく描かれています。

著者の作品に対しては様々な意見が多く、本書も賛否が分かれているようですが
私は元気をもらいました。
「本気で良い人生を歩んで欲しい」という強い思いが伝わる内容だと思います。

努力しているけど、なかなか思うように行かない。
「今のままではいけない」という漠然とした焦燥感を持っているけど、なかなか前に踏み出せない。
そんな方におススメの、背中を押してくれる一冊です。

 

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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野心のすすめ
林 真理子 (著)
講談社 (2013/4/18) 196ページ
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今回の登場人物紹介
◆赤塚:本シェルジュ
◆S藤:赤塚の会社の同僚
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赤塚:ねぇ、「野心」って言ったら何を思い浮かべる?

S藤:ホリエモン。

赤塚:なるほど・・・どちらかというと良いイメージではない感じ?

S藤:そうだね。「野心家」って、やり手だけど腹黒そうというか・・・

赤塚:でも、充実した人生を送るために「野心」は必要な要素でもあると思うよ。
例えばさ、・・・

S藤:お!オレもまさに今それを言おうとしたところだよ。
最近この本読んでそう実感したんだよね。

赤塚:なんだ、この本を紹介しようと思ったのに、読んでたのか~。。

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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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■P.4より
世間で「野心」といえば、腹黒かったり身の程知らずであつかましいイメージが先行していますよね。
「野心家」となると、もうほとんど悪人扱いです。
実際に、辞書で「野心」を引いてみました。まずは「人に馴れ服さないで、ともすれば害しようとするこころ」
「身分不相応の大きな望み。野望」という定義が並んでいます。
三番目が「大きな飛躍を望んで、新しいことに大胆に取り組もうとする気持」です。
私が本書で提唱したい「野心」も同じく、「もっと価値ある人間になりたい」と願う、とても健全で真っ当な心のことです。

■P.16より
健全な野心を持つための第一歩は「現状認識」だと思います。
いまの自分は果たして楽しい人生を送っているのか、楽しくないのか。自分に満足しているのか、満足していないのか。
それを自覚するのはとても重要なことです。
たとえば、冴えない大学だから就職で差別されたとか、有名な会社に入れなかったから合コンでモテなかったとか。
第二、第三志望の大学にしか入れなかったとき、あるいは思うような仕事に就けなかったとき。
そこで世の中のヒエラルキーの存在に身を持って気づく―。
その屈辱感こそ野心の入り口なのです。

■P.20より
自分が少しでも不幸だと思うなら、その不幸が何なのかを突き詰めて考えると必ず答えが出てくるはずです。
現状がイヤだと思ったら、とことん自分と向き合うこと。
友達と気晴らしに呑んで騒ぐのもいいけれど、時にはひとりで思い切り泣いたり、徹底的に落ち込んでみる
必要があります。落ちるところまで落ちて初めて、「自分はなぜ楽しくないのか」
「自分はどうしたいのか」が見えてくる。そうして、次にどんなアクションを起こせばいいのかもわかってくるのです。
では、「なんだかつまらない」のに、いくら考えても、自分が何をしたいのかわからない時はどうするか。
「何をしたいのかさえわからない、自分の至らなさ」をまずは自覚することです。

■P.25より
なんといっても、私のモットーは、「やってしまったことの後悔は日々小さくなるが、やらなかったことの
後悔は日々大きくなる」です。
(中略)取り返しがつかない、という意味では、やったこともやらなかったことも同じです。
やってしまった過去を悔む心からはちゃんと血が出て、かさぶたができて治っていくけれど、
やらなかった取り返しのつかなさを悔む心には、切り傷とはまた違う、内出血のような痛みが続きます。
内側に留まったままの後悔はいかんともしがたいものです。

■P.36より
野心を持つことができる人とは、どのような人なのでしょうか。
それは、自分に与えられた時間はこれだけしかない、という考えが常に身に染み付いている人だと思います。

■P.84より
人生のリセットは何度でもできるんです。でも、自分でないとできない。

■P.181より
人生に手を抜いている人は、他人に嫉妬することさえできないんです。それほど惨めなことはありません。
成功した人、幸せそうな人を見ても、自分が努力していたらまた違う感慨があったのかもしれないのに、
「ああ、私は嫉妬する資格すらない」と自覚しているから、いじましく、自らの不幸を呪うことしかできない。
どうしてこんなに嫉妬するんだろうと思って、自分の弱点が見えてくることだってある。
頑張っている人だけが抱くことのできる「健全な嫉妬心」はまったく悪いことではないと私は思います。
むしろそれは宝物、自分が努力してきたことへのご褒美なのです。
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〓 3)今日の気づき                       〓
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生きていると、「自分だって努力しているのに」と職場の同僚に嫉妬したり、
「自分は本当に必要なんだろうか?」と存在意義に悩んだりすることがあります。
それでも歩き続けられる理由の1つには、「野心」があると思います。
一度きりの短い人生、自分に素直に生きたいと思わされる一冊でした。

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〓 4)本書の目次                        〓
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第一章 野心が足りない
屈辱感は野心の入り口/無知の知/「テクノルック」で糸井さんに突撃/
若い作家が消えてしまう理由/「一生ユニクロと松屋でオッケーじゃん」 ほか

第二章 野心のモチベーション
友人同士の「タイタニック」格差/ファーストクラス入門/
自分に投資すると「人気」がついてくる/野心と強運の不思議な関係 ほか

第三章 野心の履歴書
不採用通知の束を宝物に/「新規まき直し」作戦/
小さな成功体験を大切にする/「マイジャー」ではなく「メジャー」/
カリスマ編集者・見城徹氏の登場/スランプ――霧の中の十年 ほか

第四章 野心と女の一生
ママチャリの罪/“絶対安全専業主婦”の存在/オス度の高い男性ほど美しいメスを選ぶ/
自己完結の「美魔女」、美人の有効利用「女子アナ」/女性経営者の野心のバネは「悔しさ」/
働く女性がウサギからトラへと変わる時/いま振り返る「アグネス論争」 ほか

第五章 野心の幸福論
欲望の「大食漢」/「妄想力」が野心のバネになる/「止まっている不幸」の恐ろしさ/
野心の日常的な心得とは/野心という山登り
野心のすすめ
林 真理子 (著)
講談社 (2013/4/18) 196ページ
amazonURL http://amzn.to/10zLmMh
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