こんにちは。本シェルジュの岩永です。
今回が本シェルジュデビューとなりますので、よろしくお願いします。

2009年出版の少し古い本になりますが、初回ということで、
私が何度も読み返している、誰かに伝えたくてたまらない本を
ご紹介させてください。

「地頭力」という言葉から、みなさんはどんなことを考えますか?
知識がなくても、正解を導くことができる能力が高いとか、
論理的に物事を考える能力が高いことを言うのかなと私は思っております。

本書の著者である細谷功さんは、次の3つの力を総合して、
「地頭力」と定義しています。

・抽象化思考力(単純に考える)
・フレームワーク思考力(全体から考える)
・仮説思考力(結論から考える)

このように分解して考えると、地頭力とは、決して先天的なものではなく
意識的に鍛えることができるもののような気がしてきますね♪

著者は、本書の想定読者層をビジネスの世界に入って数年が経過した駆け出し
ビジネスパーソンとしていますが、もっといろんな層の人にも十分読み応えが
あり、かつ得られるものがたくさんある本だと思います。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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地頭力のココロ 本質を見る思考力を育てる物語
細谷 功 (著)
ソフトバンククリエイティブ (2009/4/29) 216ページ
Amazon URL
http://goo.gl/dETFnt
今回の登場人物紹介
◆岩永:30代半ばの係長
◆K太:入社3年目の若手営業マン
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K太:先輩、聞いてくださいよ!!課長から頼まれて
せっかく1週間かけて作った資料なのに、提出したら、全然ダメだ、
やり直しって言われて納得いかないんですけど。

岩永:そっかー。それは残念だけど、どんな指示だったの?

K太:いや、結構、雑でアバウトな感じだったんすよ。
課の得意先の一覧と分析資料を作ってくれみたいな…あんなにダメ出しする
なら、最初からもっと細かい指示してくれって話ですよ。

岩永:そっか。でも、仕事を受けたときに、課長が何を目的しているのかを
確認した?それと、課長の期待値がどこにあったのかを、なるべく早めに
確認すべきだったかもね。

K太:えっ!?どういうことっすか!?

岩永:もう一つ。課長は、君がそろそろ上流のレベルでも仕事を受け取れる
かも、と期待を込めてそういう指示の出し方をしたのかもしれないよ。

K太:ますますわからないっス(^^;

岩永:まぁ、この本を読んでごらんよ。( ´ ▽ ` )

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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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■「問題解決のピラミッド」P.21~P.22
「何冊も本を読んでいると、『同じことが書いてある』って思う
ことがないかい?」
「それは君がその分野の本質を理解してきた1つの表れだよ。(中略)
書いてあることをHowのレベル、つまり具体的な事象ではなくて、What、
つまり1段階一般化したレベルか、あるいはさらにその上の本質である
キーメッセージ、つまりWhyにたどり着いたってことを意味するんだ」

■「結論から考える」P.32
「そうそう。これができないんだなあ。なかなか。お題目だけ『お客様第一』
なんて言っている会社はいっぱいあるんだけどね・・・
商品を見たら技術者が趣味で作ったとしか思えないものとか、自分の
ノルマのことしか考えていない営業マンとかね・・・。すべてにおいて
『ベクトルを逆転する』っていうのがいかに難しいかっていうことだね。
それからとってもよくあるのが『目的なき手段』が独り歩きしているって
状況だね。私は『WhyなきWhat病』とよんでいるがね」

■「全体から考える」P.44
・「全体から考える」とは、初めに問題の全体像をつかんでから解決に着手
することである

■「単純に考える」P.52
・「単純に考える」とは、対象となるものの本当に必要な特徴だけを
取り出して考えることである

■「顧客問題解決」P.73
「そのとおり。スキルの低い問題解決者、例えば営業マンやコンサルタント
っていうのは、依頼者、つまりお客様の言ったことを鵜呑みにして、それを
実現する方向(中略)を考えてしまう。一方で、レベルの高い問題解決者
っていうのは、一度立ち止まって、上流、(中略)イコール『押し返す』
ことを考えるんだ。これによってよりよい選択肢を選ぶことが可能に
なってくる。

■「会議運営」P.129
・会議運営で意識すべきことは「目的」「目的」そして「目的」、
つまりWhyである
・いい会議とは、発散段階でたくさんアイデアを出して、収束段階で
思い切り絞り込むものである

■「期待値管理」P.147
・問題解決の依頼者の最終的な満足度を上げるためには、
「最高の結果を出す」
ことのほかに「期待値管理」が重要である
・期待値は、1.人によって異なり、2.時間とともに変化し、
3.拡大する方向に動く
・期待値管理のステップは、1.初めの依頼者の期待値を明文化しておく、
2.短いサイクルで期待値を確認する、3.必要に応じて最初の期待値を
修正するの3ステップである

■「解決策提示」P.156
・依頼者が直接提示してきた解決策(What)が「しっくりこない」ときには、
依頼者の真の意図(Why)を考えてみる(押し返す)
・その結果として、真の意図(Why)に対しての最も適切な解決策(What)を
改めて考えてみる
・その場合の最適な解決策は、当初依頼者が提示してきた解決手段とは
往々にして異なっている

■「コミュニケーション」P.170
・コミュニケーションの鉄則は、「一切伝わっていないと思え」
・コミュニケーションの目的は「相手に伝わっていること」であって単に
「相手に伝えること」とは大きく異なる
・「相手に伝わっていること」を達成するための手段は、「伝える」以外に
いくらでもある
・コミュニケーション上の問題は「すべて自分が悪い」と思え

■「人を理解する」P.188
・人間の行動の背景にはその人なりの「思考回路」がある
・具体的には、「観客とプレーヤー」「職人と商人」「狩猟と農耕」と
いったように、人によって思考回路のタイプが異なる
・人を動かしたり、理解してもらったりするためには、相手の思考回路を
十分理解したうえでのアクションが求められる

■「プレゼンテーション」P.203
プレゼンテーションも基本は「目的から、相手から考える」である

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〓 3)今日の気づき                       〓
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商談も、社内の会議も、プロジェクトも、プレゼンテーションも、本来は、
「なんのために?(Why?)」が一番重要なはずなのに、
「なにを?(What?)」や「どのように?(How?)」の方がいつの間にか
上回ってしまっていることってよくありますよね。
指示の受け方や、人への頼み方、コミュニケーションもすべて、
Why ⇒ What ⇒Howの「問題解決のピラミッド」で、整理して考えられると
いうことを学びました。
でも一番大切なのは、「なんのために?(Why?)」を会社やチームといった
組織が共有することですよね。

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〓 4)本書の目次                        〓
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はじめに
イントロダクション―「くされ縁(?)の始まりは」

Part1 問題解決の基礎を知ろう

問題解決ピラミッド―「Why→What→Howで考える」
結論から考える―「すべてを逆向きに考えよ」
全体から考える―「思考の癖をリセットせよ」
単純に考える―「『要するになんなのか』を考えよ」
顧客問題解決―「依頼者の要望は一度『押し返せ』」

Part2 【応用編】 プロジェクトを成功に導く

プロジェクト計画―「ゴールから考える」
情報収集&仮説構築―「『全体から』考えてみる」
会議運営―「すべては目的のためにある!」
期待値管理―「やるべきことは『2つ』ある」
解決策提示―「今こそ『一度押し返す』とき」
コミュニケーション―「『何も伝わっていない』を前提とせよ」
人を理解する―「人を見て行動せよ」
プレゼンテーション―「相手の立場に立つ」
最終プレゼン&祝勝会―「問題解決ピラミッドはなんにでも使える」
ドクさんからの手紙―「グッドラック」

地頭力のココロ 本質を見る思考力を育てる物語
細谷 功 (著)
ソフトバンククリエイティブ (2009/4/29) 216ページ