おはようございます。本シェルジュの赤塚です。

本日ご紹介するのは、今とても注目を集めている行列の絶えない飲食店、
「俺のイタリアン」「俺のフレンチ」など「俺の○○」シリーズを創った坂本孝氏の著書です。

「俺の○○」と言えば、
「一流の料理人が、高級食材を“じゃぶじゃぶ”使用した一流の料理をつくり、
お客様が驚くほどの安い価格で提供する」
というコンセプトの、立ち飲み形式のお店。
このコンセプトが、強い競争優位性をもたらしていることで知られています。

では、この一見相反するコンセプトで、どのように強い競争優位性を築いていったのか。
店を創る過程で、どこに着目し、何を思い、どうアクションを起こしたのか。
その答えを描いたのが本書。
文章もテンポがよく、とても読みやすい本です。

経営者の方はもちろん、仕事の仕方やあり方を見つめ直したいというビジネスマンにも
手に取って頂きたい一冊です。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方
坂本 孝 (著)
商業界 (2013/4/3) 240ページ
amazonURL http://amzn.to/ZkoRf7

今回の登場人物紹介
◆赤塚:本シェルジュ
◆Y子:赤塚の会社の同期
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赤塚:昨日「俺のフレンチ」行ってきたよー♪

Y子:マジで!!どうだった?

赤塚:も~、それはそれはおいしかったわ。評判通り。
味付けももちろんだけど、どれも材料がいいんだろなぁって思った。
ジャズの生演奏も聴けたし大満足だよ~。

Y子:いいなぁぁ。やっぱりおいしいのか。
行ってみたいわー。
でも、高級料理を安い価格でって、ホントに材料いいの?って思ってしまう・・。

赤塚:そのあたりのカラクリはこの本に書いてあったよ。
どうやって「高級料理を安い価格で」を実現しているかよくわかったし、
ビジネスは数字で立証することが大事なんだなぁって実感した。

Y子:へぇ、それはぜひ読んでみるよ。
読んだらますます「俺の○○」に行きたくなるんだろな(笑)

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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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■P.30より
アイデアは閃きだけでなく、きちんと数字で表現すること。
これまでの常識に対して、数字に落とし込んだアイデアとのギャップがあるときは
勝つチャンスが高いと、経験から確信を持っています(中略)
結果、立ち飲みの業態であれば、回転数を上げられて、原価率を高くして、
いいものを出してもいけると踏んだのです。

■P.33より
「俺のイタリアン」では580円が最多価格帯です。金額の末尾の8と9は安く、3と4は高く感じます。
昼食代が500円の時代ですから、10円、20円の差はお客様にとってはとても大きいのです。
多少大袈裟に言うと、商品の価格構成の中で、その会社が一番多く打ち出している価格帯に、
その会社の精神と宿命は宿っているのではないでしょうか。価格構成の中の最多価格帯に対して
どれだけの価値を持てるか、それが企業戦略そのものなのです。

■P.51より
「俺のイタリアン」(新橋本店)の店舗面積16坪で平均月商が1900万円前後になっているとい
生産性に注目してください。
厨房はたった3坪です。人がすれ違うことも容易でない環境の中で、この生産性を作り上げてきた
ということはすごいことではないでしょうか。
(中略)「この環境でやるっきゃない」となれば、できちゃう人、要するに知恵を絞り工夫する
ことができる人が集まっているということです。
人というのはスキルを磨くために、ある一定期間で量をこなす能力を絶対につけないと、
匠になれません。苦労を乗り越えて匠になった瞬間、他の会社ではできないことができるようになるのです。

■P.57より
「会社はどんどん『コックレス』になっていく。原価と品質を安定させるために、セントラルキッチンで
効率化するようになる。好況の時は、その仕組みで会社に利益をもたらしていたかもしれないが、
不況になると、今度は即座に原価を修正し、メニューの改訂を行い、給料の見直しを始める……」
(中略)このような不満の骨子そのものが、私たちのビジネスモデルに反映されているのです。
要するに、料理人の方の不満を解消し、幸せを感じるビジネスモデルをつくっていったのです。

■P.150より
いいものは、商品であろうが、料理であろうが、音楽であろうが、お客様に支持されるのです。
いいものとは、人の五感に触れることによってリピートしたくなるものです。
これは、人間心理の原則です。

■P.206より
経営力、マネジメントの問題は、コンサルタントにお願いして分析してもらえば解決するものでは
ありません。会社の皆が一つの方向に向かっていること、この会社は何のために存在して働くのかという意味、
成長するという意味、会社の理念を大切に共有していなければならないのです。
物心両面の幸福の追求のためにこの会社は存在し、それと同時に飲食を通じて社会に貢献するという
はっきりとした経営理念をここで打ち出していけば、大箱だから負けるということは絶対にありません。
大箱を運営することを怖がらないこと。お客様に喜んでいただくため、われわれが成長するための
大箱であると考えて、正々堂々と運営することが重要なのです。

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〓 3)今日の気づき                       〓
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強い競争優位性というのは、お客様が求めるものを提供することと、
自らが成長し続けることの両方が必要である、と改めて感じさせられました。
そして、それは会社の経営だけでなく、
普段自分が携わっている1つ1つの仕事においても、大切な考え方だと思います。
会社や自分が社会に存在する意義とは?を省みるきっかけとなった一冊でした。

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〓 4)本書の目次                        〓
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第1章 希代の繁盛店「俺のイタリアン」誕生
立ち飲み居酒屋と、星付きレストランに着眼 ほか
第2章 2勝10敗の事業家人生
最初の家業で倒産の危機と、事業再生を経験 ほか
第3章 ブックオフがNo.1企業になれた理由
古本流通に新しい価値基準をつくる ほか
第4章 稲盛和夫氏の教えと、私の学び
稲盛氏との出会いで「利他の精神」を学ぶ
第5章 「俺のフレンチ」「俺のイタリアン」は進化する
次の「競争優位性」はジャズライブとのコラボ ほか
第6章 「物心両面の幸福を追求する」決意表明
「人生を懸けて飲食業に革命を起こす」決意の数々
第7章 業界トップとなり、革新し続ける
株式公開に向かって動き出す ほか

俺のイタリアン、俺のフレンチ―ぶっちぎりで勝つ競争優位性のつくり方
坂本 孝 (著)
商業界 (2013/4/3) 240ページ
amazonURL http://amzn.to/ZkoRf7
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