こんにちは、「本シェルジュ」の冬野です。
皆さん、あけましておめでとうございます。
新年、いかがお過ごしでしょうか?新型コロナウィルス感染防止もあり、帰省や旅行を控え、「静かな年末年始」をお過ごしの方も多いのではないかと思います。

そんな中、本の世界だけでも旅行気分という事で、今日、ご紹介する1冊は、経済学者・ビジネススクールの教授の3人組が、魅力的な中小企業を訪ねながらアメリカを旅行する旅行記、「道端の経営学」。
成功している中小企業社長の話を聞きながら、成功の理由を経営戦略から読み解くというというお話。
男三人の珍道中の軽い会話で構成されているので、楽しく読んで、新年の想いを実現に近づけるヒントにしていただければと思います。

1)本日紹介する書籍

1)本日紹介する書籍
道端の経営学 戦略は弱者に学べ
ヴィレッジブックス(2015年2月28日)
マイケル・マッツェオ
ポール・オイヤ-―
スコット・シェーファー
Amazon URL https://amzn.to/34MmPzk

2)本書を選んだ理由
どんなひとが読むべき?

新年のお休みのうちに、実践に役に立つ経営理論をざっと見てみたい方。
難しい数字無しに、多くの経営理論をざっと知りたい方。
アメリカンロードムービーが好きな方
楽しく読んで、一年の計を現実にするためのヒントにしていただければと思います。

3)付箋 ~本書からの内容抽出です

イントロダクション 軽い気持ちでドライブに

私たちが教えるMBAの戦略は、クラフト社のブランドマネージャーや、大手コンサル会社ベイン・アンド・カンパニーのコンサルタントのだけでなく、町なかで小さな店を営む経営者にとっても大きな価値があるのでは無いか?(15P)
「だから、クルマで旅に出るんだ。その目的のためだけにね。君たち離婚組が、別れた奥さんとの面会プログラムによって子どもたちが家を留守にしている間に、1週間ほど時間を見つけて、三人で面白そうな店や企業を探す旅に出るんだよ。」(16P)
マイクの法則
すべての戦略的課題の答えは「場合によりけり」である。
結論1 答えを見つけ出す秘訣は、それが「何によりけり」かを知ることだ。
結論2 課題の答えが「何かによりけり」でなければ、それは戦略的課題ではない。

(中略)
成功例を真似ることはお勧めしない。成功例を知るだけでは充分ではない。なぜ成功したのか、その理由をしっかりと理解する必要があるからだ。(20P)

第3章 商品の差別化を図る
ニーズを見極め、ターゲットを絞る

フィットネスジム フィットタイム・ウィメン

ダイアナは、私たち三人をドアのところにみつけて、ちょっぴり戸惑った顔をしていた。州政府での仕事を定年退職したあと、ダイアナはセカンドキャリアとしてーまた彼女自身、何年ここに通ってエクササイズに励んだあとーこのフィットネスタイムを買い取ったのである。(89p)
女性のニーズに対応することで、提供するサービスの内容が決まったー「女性専用」「託児サービス」「フィットネスクラス」「清潔感」である。(中略)顧客が望まない要素やサービスは省かなければならない。コストの無駄だからだ。ダイアナは、豪華なエクササイズマシーンには投資しない。(94P)
このように好みによって顧客を区分するとき、(中略)顧客は満足し、店や企業は収益が上がる。なぜなら、差別化は価格設定に役立つからだ。(95P)

 

儲かる顧客を引き寄せ、費用のかかる顧客を敬遠する
地方銀行 バンク・オブ・モンタナ


トムはあちこちの銀行員から話を聞いて、経費のかかる顧客を除外する方法を考え出した。「まず、貸金庫をやめる。経費もかかるし場所もとりますから.一般のお客様の預金サービスも重点的に取り扱わない。同様に負担の大きい従来型の窓口業務も行わない。」(中略)バンク・オブ・モンタナにとって重要なのは、経費のかかる八割の顧客に選ばれないことなのだ。(100P)

独自のサービスで競争を避ける
地方銀行 コミュニティ・ファースト・バンク

ミズラ―から車を3時間走らせて、四万四000人が暮らすアイダホ州コー・ダーリンへと向かった。ロロ国有林やルックアウトパスといった雄大な自然の中を駆け抜け、ロッキー山脈の美しい景観を堪能した。「ボルボのパワーを感じるだろ。」(103P)
差別化を図る時には、あなたが何を提供し、競合が何を提供しないか、その両方に目配りしなければならない。(中略)この業界がニーズをうまく汲み取っていない顧客層を対ゲットにしたという点である。それこそが、スモールビジネスがニッチ市場で収益を上げる鍵なのだ。(109P)

4)本書の気づき

経営理論をうまく当てはめることで、事業を発展させている中小企業がある。
経営理論を知っているだけでは無く、なぜ、それを活用できているかを知っていることは、経営理論を実践して効果を上げるためには必要である。
経営判断を行うときに、経営理論とその中小企業での適用事例を知っていると、判断の助けになるかもしれない。

5)本書の目次

プロローグ 軽い気持ちでドライブに
第1章 事業規模を拡大する
第2章 参入障壁を築く
第3章 商品の差別化を図る
第4章 価格を適切に設定する
第5章 ブランドを管理する
第6章 交渉を有利に進める
第7章 人を雇う
第8章 インセンティブ制を導入する
第9章 権限を委譲する
第10章 大企業と戦う

エピローグ 戦略はそれ自体は動く目標である