こんにちは、本シェルジュの松林です。

厳しい寒さも徐々に和らぎ、三寒四温の季節を迎えました。
一歩ずつやってくる春に相応しく、今月の本シェルジュは、「夢」をテーマにお届けします。

今回は、ドイツの人気マインド・リーダーと医学博士が共著で“幸せになるための思考法”を説く、「青い象のことだけは考えないで!」のご紹介です。

本書は書店では「自己啓発」の棚に置かれることが多いのですが、それらの多くが超自然的な存在に言及するのに対し、本書は心理学や脳科学の知見を分かりやすく示しつつ、自分の夢に向かって自由に思考することを説きます。

脳の働きを知って、自分をうまくマネジメントして夢の実現に近づきたい!という方に、オススメの一冊です。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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青い象のことだけは考えないで!
トルステン・ハーフェナー/ミヒャエル・シュピッツバート(著)
福原美穂子(訳)
サンマーク出版 (2013/1) 314ページ

今回の登場人物紹介
■松林:妻に「一言で言うとめでたい人」と称される、二児の父。
■りか:よく言えば慎重、悪く言えばちょっと心配性な小3生。
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松林:ただいま。

りか:おかえり~(元気のない声)。

松林:どうしたの、浮かない顔して。

りか:明日は誕生会で「ハッピーバースデー」をピアノで弾く係なんだ。練習はしたんだけど、自信がなくて…。

松林:そんな時は、こうするといいよ。一緒にやってみて。まず、ゆっくりと大きく深呼吸をしま~す。

りか:(深呼吸する)

松林:目をつぶって、「ハッピーバースデー」を落ち着いて大きな音で弾いている、自分の姿を思い浮かべま~す。

りか:(言われたようにやっているらしい)

松林:最後まで間違えずに弾けました!先生も同級生も拍手しています。いまどんな気持ち?

りか:何だかホッとして、胸があったかくなったよ。

松林:いい感じだね。明日の朝も同じことをやってから学校に行くといいよ。

りか:うん。何だか自信が出てきた。パパ、ありがとう!

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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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■第1章 「私たちの思考は『不自由』である」より

脳と身体は、その発達のプロセスの段階からすでに、互いに関連し合っている。片方が変化すれば、もう片方が影響を受ける。だが、基本的には「片方」と「もう片方」ではなく、両方あって一つのものなのだ。

これはまた、私たち-つまり私たちの脳と身体-が、いつまでも「完成される」ことなく、古い-身体の動きや感覚や感情の-パターンを手放せることも意味している。それまでと違う方法で知覚したり、考えたり、感じたり、行動したりすることでそれが可能になるのである。(p46)

神経科学の分野では、自由意思は幻想である。人間の精神や思考や感覚を生み出し、それらに影響を与える脳。脳についてもっと知ることができれば、その仕組みを活用することができる。そうすれば、私たちの思考だけでなく、人生までをも、自分の望み通りに形づくっていくことができるだろう。(p54)

■第2章「五感と脳の働きが幸せをもたらす」より

何を考えるのかということには、大きな力がある。考えたり思ったりしていることが、僕たち自身の身体や、僕たちの現実に大きく影響する。だからもし、あなたが自分の頭の中をうまくコントロールできたら、とても便利な道具を手にしたことになる。(p136)

僕たちの人格を特徴づけているものの大部分は、潜在意識に存在する。習慣や行動や主義信条なども、潜在意識にある。だから、思考を、積極的に新しいものに向けることが大切である。

僕たちが何かをしようと思うとき、その背景に信念や確信がなければ、あまり成果が出ない。潜在意識にアクセスする方法があるということ。そして、適切なことを考えたり思ったりすれば、自分にとって重要なことを本当に強く信じられるようになるということを知っておくといい。(p152)

■第3章「私たちの思考は『自由』になれる」より

親や友人が、僕たちに、これはできるがあれはできないはずだとか、これが本当でこれは嘘だなどと、何度も言うだけでも、言われたことに納得してもしなくても、潜在意識に刷り込まれて、それが確信に変わっていく。そうやって「固定観念」が生まれる。(p191)

私たちは、イメージを通してのみ、潜在意識にアクセスすることができる。また、イメージの背景にある感情は、イメージ以上に重要である。イメージにともなう感情があってようやく、イメージは潜在意識にしっかりと定着する。

イメージを定着させるためのテクニックは簡単だ。脳をアルファ波の状態にして、深いリラックス状態になるまで待ち、事前に考えておいたイメージを、すでに目標が達成されたものとして植え付ける。(p209)

■第4章「自分の世界を根本から変える『思考の力』より」

何かに成功すれば幸せになれると思っていたら、いつまでも幸せになれない。実際は、その逆なのだ。幸せであれば、成功する。幸せでいれば、世界についてプラスの思考が持てる。

幸福な人は、よりよい人間関係を築け、仕事もうまくいき、満ち足りた生活を送ることができる。幸福になる力は、内からくるものだ。なぜなら、すべての力は人間の内側から出てくるものだからだ。(p262)

「ポジティブに考える」という単純な決まり文句の代わりに、あなたの目標を自覚し、その目標を達成するために、どんなことが起きても受けとめるといったオープンな姿勢をもつのだ。

自分の目標を達成するための計画を立て始める前に、あなたの本当の目標をしっかりと見極めなければならない。目標を見極めるには、あなたはどうなれば幸せなのかをよく知る必要がある。(p284)

すべての力は内にある。魔法の杖を持ってきてあなたの問題をあなたの代わりに解決してくれる人などいない。あなただけが解決できるのだ。(p304)

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〓 3)今日の気づき                       〓
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私たちが何でも自由に考え決めているという幻想は、脳科学や心理学の研究により覆されています。人は周囲の人間や物事に左右され、固定観念に縛られやすいという事実を受け入れつつ、「夢をかなえやすい自分」であり続けるよう、うまく自分をコントロールしていきたいと思いました。

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〓 4)本書の目次                        〓
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はじめに

第1章 私たちの思考は「不自由」である
第2章 五感と脳の働きが幸せをもたらす
第3章 私たちの思考は「自由」になれる
第4章 自分の世界を根本から変える「思考の力」

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青い象のことだけは考えないで!
トルステン・ハーフェナー/ミヒャエル・シュピッツバート(著)
福原美穂子(訳)
サンマーク出版 (2013/1) 314ページ