こんにちは。
本シェルジュの夏原 馨です。
突然ですが、皆さんは失敗するのがこわいですか?
私は、こわいです。
一方で、「失敗しないことが最大の失敗である」こともアタマではわかってる。
でも、やっぱりどうしてもこわいんだよなあ。
どこかで置きにいっている自分がいる。
どこかで必死に言い訳を探している自分がいる。否めない。
仕事柄「人材育成」について考えたり、親として「子育て」について考える時に、 「失敗を恐れること」が成長の壁なんだろうなあと感じることが本当に多くあります。
学生さんや新入社員のみなさんだけではなく、全世代で感じる「失敗できないプレッシャーから小さくまとまる感じ」。
そんな中で「イノベーション」なんて、へそで茶を沸かすわと思っています。(失礼)
何より今の自分が感じる閉塞感やジレンマの大半が、この「失敗こわい病」からくるものだとわかっているのです。
では、どうやったらうまく「失敗できるか」。失敗について書かれた本を読み漁る中で、膝を打った一冊をご紹介します。
特に組織運営、人材の育成、内部統制に関わる方、失敗が怖くて踏み切れないあなたにおすすめします。
1)今日のオススメの一冊
失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
マシュー・サイド
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン (2016/12/23)
AmazonURL:https://www.amazon.co.jp/dp/B01MU364ID/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_13T1CbRJ2W0KN
2)付箋 ~本書からの内容抽出です
位置439
「人の失敗から学びましょう。自分で全部経験するには、人生は短すぎます」
位置523
医療業界では当事者の視点でしかものを見ていないため、潜在的な問題に誰も気づかない。彼らにとって問題は存在さえしていない。これがクローズド・ループ現象が長引く原因のひとつだ。失敗は調査されなければ失敗と認識されない。たとえ自分では薄々わかっていたとしても、だ。
位置610
まず、失敗から学ぶためには、目の前に見えていないデータも含めたすべてのデータを考慮に入れなければいけない。次に、失敗から学ぶのはいつも簡単というわけではない。そんなときはこのケースのように、注意深く考える力と、物事の奥底にある真実を見抜いてやろうという意志が不可欠だ。これは爆撃機や軍の問題だけでなく、ビジネス、政治、その他さまざまな分野に当てはまる。
位置657
どれもいわば逆説的な成功だ。失敗があったからこそ、成功が生まれたのである。
位置677
我々が身に付けたすべての航空知識、すべてのルール、すべての操作技術は、どこかで誰かが命を落としたために学ぶことができたものばかりです。(中略)大きな犠牲を払って、文字通り血の代償として学んだ教訓を、我々は組織全体の知識として、絶やすことなく次の世代に伝えていかなければなりません。これらの教訓を忘れて一から学び直すのは、人道的に許されることではないのです。
位置903
失敗に対する考え方を変えない限り、無益な信念を捨てることはできない。
位置1264
こうした認知的不協和が、誰の心にも根深く潜むことを最初に明らかにしたのは、フェスティンガーの最大の功績だ。人とは自分の信念にしがみつけばしがみつくほど、相反する事実を歪めてしまう。
位置3816
まず何よりも重要なのは、失敗に対する考え方に革命を起こすことだ。これまで何世紀にもわたって、失敗はまるで汚らわしいもののように扱われてきた。この考え方は現在も依然として残っている。だから子どもたちは「間違えたら恥ずかしい!」と思い込み、教室で手を挙げることができない。医者は失敗を認めず、政治家は政策を検証しない。非難やスケープゴートが日常的にみられるのも、背景となる考え方は同じだ。ビジネスリーダーや教師ばかりだけでなく、我々も社会人として、また親として、失敗に対する考え方を変えていかなくてはならない。子どもたちの心に、失敗は恥ずかしいものでも汚らわしいものでもなく、学習の支えになるものだと刻みつけなければならない。
3)今日の気づき
失敗は成功の母。
途中でやめてしまったら「失敗」になるけど、歩みを止めなければいつか手にする成功の「試行錯誤」である。
どんどん失敗していこうぜ!それを生かしていこうぜ!といえる「オープンループ」を作るために、まずは個人のせいにしない意識づけから始めたいと思います。「単純化の罠」から脱出し、「”犯人探し”バイアス」と闘い、ちゃんと進化できる人類になれるように。
自分の思い込みや自己防衛本能を認識しないことが、どんなにもったいなくておろしいか、様々な事例に触れて深く心にしみました。
管理職研修とかのネタとしてもどんどん活用していきたい内容かも。
間違うのはあたりまえ。
死ぬこと以外かすり傷。
失敗を真正面から受け止めて学ぶことが、改めて大事だなあと。
4)本書の目次
第一章 失敗のマネジメント
第二章 人はウソを隠すのではなく信じ込む
第三章 単純化の罠から脱出せよ
第四章 難問はまず切り刻め
第五章 「犯人探し」バイアスとの闘い
第六章 究極の成果をもたらすマインドセット
終章 失敗と人類の進化
失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織
出版社: ディスカヴァー・トゥエンティワン (2016/12/23)
AmazonURL:https://www.amazon.co.jp/dp/B01MU364ID/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_13T1CbRJ2W0KN
コメントを残す