こんにちは、「本シェルジュ」の冬野です。
ウィズ/ポストコロナへの対応、DXの導入など、企業が変わる事が強く求められてきています。
現場の課題解決・変化に役立つソフトウェア開発に向けアジャイル開発もあちこちで行われています。
変革に向け「心理的安全」を確保するための施策をとる会社もあります。
変化への要請は今に始まった話ではありませんが、企業の変革に向けた講演や書籍が次々と出るように、難しいことでもあります。
なぜ難しいのか。それが、企業自身が持つ性質によるものであれば、納得です。
変われない理由を理解した上で、どうするか。
原因がわかれば、後は対応です。事例や、世の中にある関連する活動も示されていて、活動につなげやすい一冊ではないかと思います。

1.本日紹介する書籍

CHANGE組織はなぜ変われないのか
ダイヤモンド社(2022年9月22日)
ジョンP.コッター、バネッサ・アクタル、ガウラヴ・グプタ
Amazon URL              https://amzn.to/3ims4jk

2.本書を選んだ理由 どんなひとが読むべき?

DXを成功させたいと思っている方
アジャイル開発に取り組んでいる方
経営改善計画を実施される方
改革を支援されるコンサルタントの方

3.付箋 ~本書からの内容抽出です

はじめに
この二十年ほどの間に脳科学はめざましい進歩を遂げており、その研究成果は「人間の性質」が変革とイノベーションに及ぼす影響に関する著者たちの観察結果とかなり一致している。

第1章  変化の速い世界がもたらす脅威と機会
人や組織が成熟するにつれて、安定と目先の安全を重んじるメカニズムが強化されていく。
「グッド」で十分な時代はもう終わったのだ。(中略)最近は、変化の流れに乗り、チャンスを活かすことこそ、リスク軽減の方法になりつつあるのだ。

 第3章 成果を生む戦略プランニング
一九七〇年頃にボストンコンサルティンググループ(BCG)のコンサルタントが述べた言葉を引用している。「戦略とは変化である」という言葉だ。

第4章 デジタル/トランスフォーメーション(DX)成功のカギ
脅威に対して敏感に反応する人間の性質は、太古の時代に、いまとはまったく異なるタイプの脅威―基本的には身体的脅威―に対処するために形作られたものだ。そのため、データが伝えてくる脅威のなかかで、深刻な脅威と、それほど申告でない脅威を見分けることは得意ではない。

最も特筆すべきなのは、幅広い層の社員に切迫感をもたせ、変革に本腰を入れさせ、行動とリーダシップを引き出したことだ。IT部門の少数の専門家だけによってデジタル・トランスフォーメーションを推進しようとはしなかったのである。

第5章 イノベーションと未来を妨げないリストラクチャリング
問題の解決策を見いだし、仮説を検証し、素早く失敗して必要に応じて方向転換することに関して、現場に最も近い場所で働いている人たちほど適任な人はいない。

第6章 真に価値を生み出すM&A
こうした一連の活動は、M&Aによって生まれたチャンスを最大限生かすという発想でおこなうべきだ。「昨日できなかったけれど、今日できることはなんだろう」と考えるといい。

第8章 「アジャイル」の原則を生かす組織
現在も、アジャイルの方法論が最も頻繁に活用されているのはソフトウェア開発の分野だ。しかし。この手法は他の分野でもかなりの広がりを見せている。(中略)基本的な問題は、アジャイルの原則と現代型組織の基本的構造が相容れないことにある。アジャィルの原則が硬直的なマネジメントのプロセスにからめ取られて、本来の趣旨どおりに実践されず、期待されたような成果をあげられないのだ。

第10章 より多くの人により多くのリーダーシップを発揮させる
一五〇年前に現代型組織が登場し、組織の規模と活動範囲と複雑性が大きく拡大すると、マネジメントが飛躍的に発展した。それまでは直感的でシンプルなプロセスだったものが、洗練された専門職の仕事に変わっていったのだ。その結果、世界中で途方もない数の人たちがマネージャーとしてマネジメントを行うようになった。

リーダーシップとは、未来に向けた方向性とビジョンを打ち出し、ビジョンを軸に人々の足並みをそろえさせ、人々にやる気を持たせて行動を引き出す活動である。リーダーは、人々に大きな障害を乗り越えさせ、難しい変化を実行させ、ときには真に驚異的な成果を生み出させる。この点は、マネジメントとは対照的だ。

こうした「デュアル・システム」は、成功している組織のほぼ全てがある時期に、たいていは草創期にもっていた仕組みに似ている。草創期の新興企業では、機敏性と適応力が高く、起業家的な仕事の仕方と、もっと安定的で効率性が高く、日々の業務を円滑に進行することに長けた仕事の仕方のバランスがうまくとれている。

第11章 ニューノーマルを生き抜く
変化の激しい世界に対処し、それを追い風にするために求められるのは、好奇心とイノベーションだ。

4.今日の気づき

現代の組織は、マネージメントが発達していて、効率、安定を求め変化を嫌う
変化の激しい現在は、変化していく事がリスクヘッジにつながる
変化には、多くの人を巻き込んでいかなくてはならない
理論、情緒両面から、皆が機会に着目するようにするリーダシップが求められている。

5.本書の目次

第1章 変化の速い世界がもたらす脅威と機会
第2章 新しい「変化の科学」
第3章 成果を生む戦略プランニング
第4章 デジタル・トランスフォーメーション(DX)成功のカギ
第5章 イノベーションと未来を妨げないリストラクチャリング
第6章 適応力を高める組織文化の変革
第7章 真に価値を生み出すM&A
第8章 「アジャイル」の原則を生かす組織
第9章 社会変革と企業変革の共通点
第10章 より多くの人に、より多くのリーダシップを発揮させる
第11章 ニューノーマルを生き抜く
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