こんにちは、本シェルジュのホリケンです。人生100年を生き抜くのに役立つ本をご紹介していきます。
みなさんは「熱量」って考えたことありますか?熱力学の熱量ではなく、仕事に対する情熱のことです。仕事をしていてワクワクしてたまらない、没頭していたらいつの間にか徹夜になっていた、などの経験をしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
本日ご紹介するのは、ベンチャーキャピタリストである筆者がどういう人あるいはどういう事業に対してどのような姿勢で投資をしているのかをリアルに描いた一冊です。副題に「ベンチャーキャピタリストが挑発する7日間の特別講義」とあるように、結構挑戦的な語り口調で書かれています。そして、この本を読んだ後、みなさんは内から湧き上がる熱いものを感じずにはいられないでしょう。
本日紹介する書籍
「僕は君の「熱」に投資しよう」
ダイヤモンド社 (2020/8/5)220ページ
佐俣 アンリ (著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4478108706/
本書を選んだ理由〜どんな人が読むべき?〜
社会人5年目前後の若手ビジネスパーソン、あるいは就職活動を控えた学生さんなどが一番刺さるターゲット層だと思います。
理由は、「仕事って一体なんだろう」とふと立ち止まって考えるタイミングと重なる層だからです。(もちろん、私のような40overのおじさんでも場合によっては刺さりますw)
筆者の投資先の選び方、投資のスタイルなどなどから、そもそも自分にとっての「仕事とは?」を嫌というほど考えさせられます。
付箋(本書からの内容抽出)
君が人生で何かをしでかす人間になりたいと思うなら、まずは自分の熱源に気づくことだ。このアジトにいるのは起業家たちだが、みんなその熱源を見つけた結果、起業を選んでいる。そうしたやり場のない熱を事業にぶつけて、言ってみれば全員で人生の暴走をしているんだ(Kindle位置132)
起業に興味がある人ほど、メディアの報道や起業セミナーを 真に受けてしまって、始める前に二の足を踏む。難しく考えず、まずはメルカリでガラクタを売ることから始めればいい。小学1年生でもできるんだ。楽勝だろ(Kindle位置238)
とどのつまり、起業のアイデアなんてどうでもいいのだ。君に熱があって、やってみたいことが見つかればそれで十分。あとはそれを100倍の規模でやるだけだ(Kindle位置282)
起業で成功するためには、まず「規模にアプローチ」しなければならない。頭を使うんじゃない。手と足をつかって100倍にするんだ。それがもっとも手っ取り早くアイデアが事業化できるかを試すことができる唯一の方法だ。 規模を変えてこそ、わかることがあるんだ(Kindle位置310)
どんなに全速力で駆け上がっていても、そこが下りエスカレーターだったら、階段を普通に上がっている人にも負けてしまうかもしれない。その努力は、効率が悪い(中略)例が少し極端かもしれないが、結果を出すには、正しい努力を行う前に、まず「正しい場所」にいることのほうが、はるかに重要なのだ。 成功の9割は場所で決まると言っても、過言ではない(Kindle位置389)
僕が凡人でありながら人並み以上の成功をモノにしてきたのは、勝手に成長させてくれる場所に自分を位置づける「戦術」に 長けていたからだ。 その戦術は、常にクラスや学校のトップ集団に自分の身を置いて、その中で「平均点をとる」という単純なものであった(Kindle位置472)
大切なのは、惰性で起業家になれる場所に身を置いておくことだ。その場所にいさえすれば、起業することも、成功することも普通になるんだ(Kindle位置652)
勘違いしてはいけない。「頑張る」のと「成長する」のはまったく別のことだ。起業家の大義は事業を成長させることだ。なにせ、投資を受けた以上、他人のお金を使って事業をやっているんだ。頑張っても事業が成長しないのであれば、その頑張りは無意味である(Kindle位置818)
世間では、どこか人間的な成長が事業を成長させると考えられているところがある。つまり、メディアなどに登場する社員思いの社長や「ソーシャルグッド」を 標榜 する起業家のような、優れた人格の持ち主が事業を成長させることができるという考え方だ。 そういう存在自体を否定することはしないが、順序としてはまず事業の成長が実現されてこそ、人間的な成長がある(Kindle位置852)
いいか、結果を受け入れず、人間的な成長とか美学やビジョンなど、あやふやなものを相手にしている起業家は、いつまでも成長しない。 事業の成長のみが起業家の成長だと割り切り、成長機会を求め続けていくのが起業家として正しい選択なんだ(Kindle位置879)
自分がどんな死を迎えるのか今は知らないが、 心肺 が止まったあとに脳への酸素の供給がすべて止まるまで、きっと意識はある。科学的にはどうか知らないが、僕はそう信じている。 「僕は、死ぬんだ」と、薄れゆく意識のなかで自分はきっと人生を思い返している。 そのとき、後悔なく、人生を閉じたい(Kindle位置1463)
僕は昔から、成功という言葉に明確なイメージを持っている。 成功とは、実はカネや名声なんかとは一切関係がない。成功とは、ひとことで言えば「挑戦し続ける」ことなんだ(中略)どんなに大金や名声を得ていたとしても、挑戦をしていなかったり、挑戦を途中でやめて現状に満足してしまっている人間は、けっして成功者などではない(Kindle位置1651)
「フィンテック」などというワーディングが生まれてからでは遅い。 僕らは、常にワーディングを追い越していかなければならない。 「シェアリングエコノミー」とか「ギグエコノミー」とか「 MaaS」なんてものは、僕らが全力で走った3、4年後に、なんとか総研とかコンサルのおじさんたちがその 轍 を見て名づけただけで、僕らはそのワーディングを聞いて自分らが正しかったことを確信し、ただニヤッとするだけだ(Kindle位置2301)
本当にトップを目指したいと思っているのなら、自分はいったいなんのゲームに参加しているのか正確に把握したうえで、勝負を始めるときから、成功までの道筋を丁寧に設計しなければならない。 けっして、何も考えずにただ努力したり、ラットレースにハマってはいけない(Kinle位置2465)
僕は熱望しているんだ。 中・高・大学生のランキングの1位と2位が、「起業家」と「ベンチャーキャピタリスト」で埋め尽くされる日を。 夢想しているんだ。 若いベンチャーキャピタリストたちが増えることで、もっと 熾烈 でもっと健全な競争が巻き起こり、天下一武道会である「The Midas List」に、僕を含む日本人キャピタリストたちが 列することを(Kindle位置2520)
君に、熱はあるか? もし〝何か〟が心の奥底に、静かに眠っていたりするのだったら、なんでもいい、それを全肯定して、まずは思いきりぶつけよう(Kindle位置2572)
挑戦なんて、みんなで、楽観的に、笑いながらやるもんだ。 そしてもし失敗したとしても、「よっしゃ、もう一回やるか」と、べつに「這い上がる」のでも「再起する」のでもなく、フラットにただ新たにスタートを切る。 それが、これからの時代の挑戦のテンションであり、そこには悲壮感やしかめっ面は必要ない(Kindle位置2580)
これから君の未来に訪れるのは、「挑戦の費用対効果」が高い時代でもあるだろう。 ギリギリ僕くらいの世代までは、大企業とかにずっと「いる」ことのほうが、コスパは圧倒的に良かった。 所属しているだけで、大した成果をあげなくても、成長していなくても、昇進も給料もボーナスも退職金もある程度保証されていたが、いよいよこれまでの仕組みが悲鳴をあげ、ありとあらゆるところで負の側面が噴出してきている(中略)一方で、起業にしろなんにしろ、挑戦することの費用や精神的なハードルは、年々下がってきている。買えないものはシェアすればいいし、お金がないならクラウドファンディングを使ったっていい。もはや大学生起業家なんて何も珍しくなく、あらゆるチャレンジがSNSで共有されている時代だ。 こういった流れは、もっともっと加速していくだろう。 ハイリスク・ハイリターンだった挑戦のリスクはどんどん下がり、リターンは相変わらず高いままだ。 だから言おう。 君は、安心して好きな道を進めばいい(Kindle位置2622)
今日の気づき
大きく2つの重要なメッセージがあると感じました。
1つ目は、好きなこと、ワクワクすることを貪るようにやったほうがよい、ということ。人口減で成長の鈍化が約束されてしまった日本では、かつての「一つの企業に勤めていれば安心」という価値観はすでに崩壊しています。一つの企業にしがみついて死んだような目をして目的もよくわからず作業のような毎日を過ごすぐらいなら、企業じゃないにしても自分のワクワクする仕事に没頭したほうが良いですよね。
2つ目は、成功するためには正しい努力が必要であり、正しい努力をするためには自分の身を置く場所が最も重要であるということ。大前研一さんも「人が変わるためには①時間を変える②場所を変える③付き合う人を変えるの3つのいずれかが必要だ」と行っているように、場所取り(付き合う人たちも含めた自分の立ち位置)は非常に重要ですね。
最後に、純粋にものすごい熱を感じました。そして、火をつけられました。とてつもない熱を持っている起業家だけに投資をするというスタイルを貫いているからこそ、筆者自身とてつもない熱を放っているのだと思います。
本書の目次
- プロローグ 君はかならず、成功する
- DAY1 熱があるなら、ぶつけようぜ
- DAY2 生きる場所を、選び間違えるな
- DAY3 成長しなければ、死ぬ
- DAY4 君は、人類の年表に触れたくはないか?
- DAY5 怖いけど、僕は「逃げない」
- DAY6 こんにちは先生、起業しませんか?
- DAY7 圧倒的な未来を、つくろう
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