本シェルジュの設楽です。さて、今回の本シェルジュでは「人に説明すること」に焦点を当てた本を紹介したいと思います。この類の書籍で有名なのはなんといっても、伊藤羊一氏の「1分で話せ」。わかりやすく、ポイントを掴んで話し、相手の関心を引く。これが最初に出来ていれば、あとの話もスムーズに進む。頭の中の理屈ではわかっているのですが、それがなかなかできていない(できない)方も多いのではないでしょうか。

そこで、今回紹介するのが「説明の上手い人が「最初の1分」でしていること」。著者の笹木郁乃さんは(伊藤さんと異なり)PRプロデューサーとして、「エアウィーヴ」「バーミキュラ」など数々の商品をPRを用いて世に広めてきた方。SNSはもとより、テレビ、新聞、雑誌、ラジオなどでは、いかに自社の製品をそれこそ「1分で」伝える必要があります。逆にいうと、最初に関心を持ってもらえなければ、そこから先はもうありません。

私も先日、メディア関連の方のスマホ(Eメール)の画面を拝見させていただいたのですが、数が多すぎて、とてもではないですが目を通していたら時間がいくらあっても足りません。(よって、めったに読まれません。残念ですが。) そんな中でも、メディアが刮目し、取り上げたくなるような「説明の仕方」とは何か。この点について、最初の1分はもとより、その先に至るまで親切丁寧にこの本に記されています。モノがあふれる現代社会において、まずは「知ってもらうこと」が重要。そのための「伝え方」。今回3冊目の出版となる笹木郁乃さん渾身の1冊です。

本日紹介する書籍

説明の上手い人が「最初の1分」でしていること
クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2024/4/19) 239ページ
笹木郁乃(著)
https://amzn.to/4b2YSDq

本書を選んだ理由 ~どんな人が読むべき?~

・プレゼンやファシリテーションが上手くなりたい方
・企業の営業または広報PR担当の方
・セミナー講師、ライターなど「話す」「書く」を仕事にしている方

付箋 ~本書からの内容抽出です~

P.3
「いい説明」かどうかは、相手次第で決まるからです。(中略)まさにこの「聞き手が前のめりになっている状態」こそ、いい説明ができている何よりの証拠です。

P.7
クビ寸前だった私が、なぜこうなれたのか?
説明の仕方を変えたんです。特に注力したのは説明のツカミ。

P.9
説明するとき、とくに重要なのは最初の一言です。(中略)聞いた人がどんな商品か瞬時にイメージできることが重要なんです。

P.29
「自分が話したいこと」を伝えるのではなく、「相手の興味があること」や「相手が悩んでいること」に合わせて話すのがポイントです。

P.66
では、ズレない説明をするためにどうすればいいか。
説明する前に、本人に聞けばいいのです。(中略)いわゆる、アイスブレイクと呼ばれる時間です、私は、その時間を大切にしています。なぜなら、相手から知りたいことを直接聞ける貴重な機会だからです。

P.69
初対面の人と信頼関係を築くためには「雑談」が有効です。(中略)「この人の言うことなら信用できる」と信頼してもらえるようになるのです。

P.148
ほかの商品との違いがはっきりすれば、あなたの商品の特徴が際立ち、選ばれやすくなります。(中略)できるだけ具体的に話して、聞き手が特徴を一瞬でイメージできるようにします。

P.190
1分間しか話せないシーンでは、アフターフォローをすることで、聞き手の行動をより後押しすることができます。(中略)「相手のため」というのが伝わるように丁寧にフォローすることで、話が弾みやすくなり、提案が通りやすくなります。

P.236-238
説明する力を見書き続けてください。説明がうまくなると、リスクは低いのにものすごい効果をもたらしてくれます。(中略)失敗から学び続ければ必ずうまく話せるようになると思います。

今日の気づき

一般的に、書籍というものは著者から読者に送られるものだと私は思っています。つまり、基本1wayです。しかしながら、この本は3章以降に「CHECK POINT」「WORK SHEET」がありますので、自分が出来ているかどうかを確認することが出来ます。(さらに言うと、誰かに添削してもらうといいと思いました。) このあたり、笹木さんが主宰するPR塾のエッセンスがふんだんに盛り込めており、お得感満載です。

「ツカミが大事!」と言われると、どうしてもダチョウ倶楽部を思い出してしまうのですが(笑)、そうです。ダチョウ倶楽部は誰が見てもわかりやすいですよね。(※最近のテレビはコンプライアスが厳しいようですが。) 私自身もまた、この本の実践例などを参考に「ツカミはOK!」なプレゼン、プレスリリースを作ろうと心掛けます。

本書の目次

第1章 【説明の基本】説明の最初に何を話すべきなのか?
第2章 【説明の準備】説明が上手い人は、話す前に聞いている
第3章 【STEP1 一言目】何を説明するかをわかりやすく伝える
第4章 【STEP2 実績】信頼されるために「第三者の評価」を話す
第5章 【STEP3 ビフォーアフター】聞き手が一番知りたいのは「変化」
第6章 【STEP4 特徴】差別化要素を伝えて納得してもらう
第7章 【STEP5 ストーリー】感情を揺さぶるストーリーで記憶に残す
第8章 【STEP6 提案】さりげなく動いてもらうための後押しをする
第9章 【ケーススタディ】ツカむ説明 実践編!
終章 【応用】さらに上手く説明するために必要なこと「最初の1分」の後は、何を説明すればいいのか?

説明の上手い人が「最初の1分」でしていること
クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2024/4/19) 239ページ
笹木郁乃(著)