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ビジネス書書評の本シェルジュ

誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち

本シェルジュの村上知也です。

さて、1月のテーマは「昨年のこの1冊!」です。
大晦日に読んだ本を選んでみました。面白かった!

「誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち」

ビジネス書なんだけど、まるで小説、フィクションのようなストーリー展開。かなりワクワクします。

主に3つの立場から書かれています。

(1)mp3の規格を作った側の話。
当初は、既存勢力につぶされ、苦労を重ねた後にデファクトスタンダードを勝ち取った。規格をつくることが、音楽業界を潰すことになるとは考えていなかった。

(2)音楽エクゼクティブ側の話。
音楽をいかにお金に変えるか。音楽を見抜く目とかやっぱすごいんだけど、
本の中では、時代の流れに立ち遅れた老害扱いかもしれない。

(3)音楽ファイルをリークした側の話。
もちろん、犯罪だけど、多くのリーク側の人たちは、金銭的な儲けのためにやっている人たちは(意外と)少ない。実費負担程度くらいで、どこよりも先にリークするという名誉欲で動いている人たちが多かった。

この3すくみの展開がおもしろい!

IT技術の進展という視点でも読めるし、
音楽業界の興亡という視点でも読める。
そして、著作権の攻防の観点でも読める。

1冊で3度おいしい。

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1)本日紹介する書籍
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「誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち」
早川書房 (2016/9/21) 365ページ
スティーヴン・ウィット (著), 関 美和 (翻訳)
http://amzn.to/2hIK5bd

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2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?
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もちろん、音楽の不正ダウンロードは罪になる。昔からそうだし今もそうだ。

でも、日本だと90年代、半ば。確かに音楽は無料でインターネットにあった。
探せば何でもでてきた。回線がいいところにさえいれば、無料でダウンロードできた。

一方で、CDもたくさん買った。大学時代には200枚以上は購入した。

そんな、音楽もインターネットも大好きな時代。

今ではすっかり音楽の聞き方が変わってしまった。月額980円を払ってAppleMusicにある曲しか聞かなくなった。たまに、興味をとても惹かれたときには、iTuneで購入することもあるが、いずれにしても、Appleにない曲は、私は殆ど聞かないし、聞けなくなった。ただ、AppleMusicは毎日のように、私が好きそうな曲をお勧めしてくれる。新しい発見は尽きない。

でもまあ、なんか、ワクワク感はなくなった。

音楽にも、インターネットにもワクワク感を失ってしまった、あなたへ。
昔を思い出しながら、この本でワクワクしましょ(^^;

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3)付箋  本書からの内容抽出です
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(1)mp3の規格を作った側の話。

MPEGは彼らをビデオディスクから締め出し、放送委員会は彼らを電波から追い出した。mp2との一対一の対決で、フラウンホーファーは7戦全敗だった。mp3はベータマックスになってしまったのだ。

だが、音楽業界が楽曲の電子流通を支持しないことをブランデンブルクはやんわりと知らされた。彼にとってはバカげた話だった。音楽はもう電子的に流通されている。レコード会社のお偉方には店頭に置かれたCDが在庫に見えたかもしれないが、エンジニアにとってはただ非効率に保存されたデータでしかなかった。

この頃、英語の検索ワードのグローバルな調査結果に関するメールが回ってきた。「mp3」が「セックス」を抜いてインターネットでもっとも検索されたワードになったのだ。それを見たポップは笑い、12年間の緊張がやっと解けた。フォーマット戦争は終わった。自分たちが勝ったのだ。

(2)音楽エクゼクティブ側の話。

音楽業界にとっては、悲惨な自責点だった。音質についてのスタジオエンジニアの意見が正しいとしても、売上には関係ない。ほんの少し前まで、人々は自宅の安物プレーヤーで傷のついたレコードを聞き、外ではAMラジオを聞いていた。それに比べれば、mp3ははるかにマシだった。リスナーは音質を気にしないし、完璧な音にいつまでも固執し続けること自体、音楽業界が消費者を理解していない証拠だった。

議会は音楽業界によるモラルの破壊から若者を守れなかった。だから若者によるファイル共有から音楽業界を守ろうという気にはなれなかった。

(3)音楽ファイルをリークした側の話。

クラブの常連だったグローバーは、ヒット曲ならかなり詳しく知っていたが、そこでかかっているアーティストは自分のお気に入りだったのに、初めて聞く曲ばかりが流れていた。何杯か飲んだところで、グローバーはハッと気がついた。その曲を聞いたことがないのは当たり前だ。まだ発売前だったからだ。パーティーの主催者は、工場から盗んだ音楽でDJをしていたのだった。

90年代の音楽不正コピーは、60年代のドラッグ文化にも等しい現象になっていた。その世代は総じて社会規範と既存の法制度を軽んじがちで、その結果をあまり深く考えていなかった。

テクノロジーが進化するにつれ、そうした昔の機器は取り残されていった。時代遅れのテクノロジーに愛着を持つグローバーの気持ちが、僕にはわかる。僕も自分の音楽コレクションを手放せないままでいたからだ。これまでに持っていたすべてのコンピュータのすべてのハードドライブを、僕は手元に置いていた。1997年からため込んだドライブは、全部で7台あった。世代が変わるごとに容量は倍になっていた。いちばん最初のハードドライブは容量が2ギガバイトで、僕が初めてダウンロードした数曲が入っていた。7台のドライブをすべて合わせると、10万曲を超えるmp3ファイルが入っていた。

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4)今日の気づき
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常に新しい時代の転換、ビジネスモデルの変遷は意識していたい。
でも、その場にいたら気づかないのかなあ。

そんなことを思いながら、歴史に学ぶ。

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5)本書の目次
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イントロダクション
1章 mp3が殺される
2章 CD工場に就職する
3章 ヒットを量産する
4章 mp3を世に出す
5章 海賊に出会う
6章 ヒット曲で海賊を蹴散らす
7章 海賊に惚れ込まれる
8章 「シーン」に入る
9章 法廷でmp3と戦う
10章 市場を制す
11章 音楽を盗む
12章 海賊を追う
13章 ビットトレント登場
14章 リークを競い合う
15章 ビジネスモデルを転換する
16章 ハリポタを敵に回す
17章 「シーン」に別れを告げる
18章 金脈を掘り当てる
19章 海賊は正義か
20章 法廷で裁かれる
エピローグ
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「誰が音楽をタダにした?──巨大産業をぶっ潰した男たち」
早川書房 (2016/9/21) 365ページ
スティーヴン・ウィット (著), 関 美和 (翻訳)
http://amzn.to/2hIK5bd
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