こんにちは、「本シェルジュ」の冬野です。
春ですね。桜も咲いて、こころもどこかウキウキ、財布の紐も緩くなろうというものです
気分って不思議なものですね。とっても良いものだと思って買ったらそうでなかったり、思わぬ買い物が大満足だったり。
商品やサービスが成熟する中、ユーザのよりよい体験を追求するサービスも増えてきました。行動経済学や認知心理学でもう一度、体験を考えてみると新たな打ち手、活用方法が見えてくるかもしれません。
そんなきっかけになる一冊です。新年度、新たな打ち手の参考にされてはいかがでしょう。

1)本日紹介する書籍

東大教授が教えるヤバいマーケティング
株式会社KADOKAWA(2019年5月24日)
阿部誠
Amazon URL    https://amzn.to/3tTVK9h

2)本書を選んだ理由 どんなひとが読むべき?

これまでの売り方で手詰まり感のあるマーケティング担当者
新商品をどうやって売っていこうか迷っている経営者
特に体験型のサービスを提供されている方
ワンパターンでネタがつき始めているコンサルタント

3)付箋 ~本書からの内容抽出です

はじめに
世界でもっとも有名なマーケティング学者であろうフィリップ・コトラーは、日本経済新聞2013年12月31非の朝刊に掲載された「私の履歴書」で以下のように語っています。
「実は行動経済学は「マーケティング」の別称にすぎない。過去100年にわたりマーケティングは経済学とその実践に基づく新たな知識を生み出し、経済システムが機能する仕組みに関することに役立ててきた」

Chapter2  その商品、本当に必要? プロダクト
ある寿司屋では2種類の盛り合わせー高価格・高品質の「竹」と、低価格・低品質の「梅」を提供していて、現状、これらの注文は半々です。売上アップのために店主は「梅」より「竹」の注文を増やしたいのですが、どのようなおとり商品を提供すべきでしょうか?

イケア効果は、自分用にカスタマイズされた成果物や対象に対する愛着が、自身が投入した労力、時間、費用というサンクコスト効果を更に増強するという現象です。
イケア効果を利用して、会社の中で従業員のモチベーションを高めることも可能です

Chapter4  広告を見る目が代わる プロモーション
人は自信が達成した事柄より、達成できなかった事柄や中断している事柄の方が記憶に残りやすいことを、その現象を発見した心理学者の名前をとって「ツァイガルニク効果」と呼びます。
「続きはCMのあとで!」「詳しくはWebで!などは、「続きが気になる」心理を匠に利用したものです。中途半端なところで切り上げることにより物事が気になる状況が生み出されて、記憶に残りやすくなるのです。

Chapter7 売り手側の事情 コンペティター
家電量販店、スーパーマーケット、ネットの旅行サイトなどでは、「他店よりも高ければ値下げします」という最低価格保証をよく見かけます
これからこの店で買おうと思っている人に対しては、「当店はどこよりも安いお出、ここで買えば間違いありませんよ。」という意味で、新規顧客や潜在顧客を誘引する役目を果たしています。同時に、すでにこの店で買った顧客に足しては、「もっと安く売っている店があったと、あとで公開することはありません。あなたは正しい選択をしたのですよ」というメッセージにより、満足度を高める効果があります。
実は最低価格保証は、競合店に対して、「値下げ競争は無駄だからやめにしましょう」という暗黙の価格カルテルを発信しています。したがって最低価格保証がある場合の方が、市場価格が高いレベルに落ち着く傾向があります。

4)今日の気づき

人は様々なバイアスの中で購買体験をしている
購買体験をうまく設計することでよりスムーズに購入につなげられる
購買行動を4P、3Cの各要素で再確認することで磨き上げが可能になる
自身の事業判断もバイアスがかかった中で行われていないかチェックする必要がある

5)本書の目次

Chapter1 人は非合理的に行動する生き物
Chapter2 その商品、本当に必要 プロダクト
Chapter3  値付けに込められた意図 プライス
Chapter4 広告を見る目が代わる プロモーション
Chapter5 そこで勝手も良いのか プレイス
Chapter6 消費者にみられる心理 コンシューマー
Chapter7 売り手側の事情 コンペティター
Chapter8 企業が知っておくべき事 カンパニー

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