こんにちは、本シェルジュのホリケンです。
みなさんは、自分の能力は生まれた時からある程度決まっていると考える法ですか?それとも後からどうにでもなると考える方ですか?
私はかつて前者でしたが、歳を重ねるにつれて後者に変わっていきました。
とはいえ、完全な後者ではなく、その時その時で起きる事象によって判断が前者よりになることもあります。ただ、後者に近くなっているな、というのがこの書籍を読んでからより明確にわかるようになってきました。
本書を読めばより人生を豊かにすることができると思います。
本日紹介する書籍
MINDSET〜「やればできる!」の研究〜
草思社 (2016/1/21)303ページ
キャロル・S・ドゥエック(著)
本書を選んだ理由〜どんな人が読むべき?〜
「やればできる!」
松岡修造さんやティモンディの高岸さんは、このような言葉を周囲に発信し続けています。ただし、人間は年齢を重ねると守りに入るもの。やればできると頭で分かっていても、「いやそれはちょっと無駄な努力に終わるんじゃないか」とか、「自分ではさすがにムリだろう」と尻込みしてしまう場面に出くわすことも多いと思います。
そんな、夢を忘れた大人たち、にこそ読んでいただきたい一冊です。
3)付箋 本書からの内容抽出です
自分の能力は石版に刻まれたように固定的で変わらないと信じている人──「硬直マインドセット=fixed mindset」の人──は、自分の能力を繰り返し証明せずにはいられない。(P.11)
初めに配られた手札だけでプレイしなくてはいけないと思えば、本当は10のワンペアしかなくても、ロイヤルフラッシュがあるかのごとく自分にも他人にも思いこませたくなる。けれども、それを元にして、これからどんどん手札を強くしていけばよいと考えてみたらどうだろう。それこそが、しなやかな心の持ち方、「しなやかマインドセット=growth mindset」である。その根底にあるのは、人間の基本的資質は努力しだいで伸ばすことができるという信念だ。(P.12)
うまくいかないときにこそ、粘りづよい頑張りを見せるのが「しなやかマインドセット」の特徴だ。人生の試練を乗り越える力を与えてくれるのは、このマインドセットなのである。(P.13)
IBM社を窮地から救うために呼び寄せられたルー・ガースナーは、しなやかマインドセットの持ち主だった。IBMの企業文化や方針を徹底的に改めるという、とてつもない課題に着手したとたんに株価が低迷。彼はウォール街の冷笑を浴び、さんざん失敗者呼ばわりされた。けれどもそれから数年後、IBMはふたたび業界トップに返り咲いたのだった。(P.28)
しなやかマインドセットの人が意気揚々としているのは、言うまでもなく、何かに全力で取り組んでいるとき。では、硬直マインドセットの人はどんなときだろう。ものごとが完全に自分の手中にあって、順調に進んでいるときである。手に負えなくなると──自分を賢い、デキると感じられなくなると──たちまちやる気が失せてくる。(P.43)
私は失敗した、というひとつの出来事に過ぎなかったものが、私は失敗者だ、というアイデンティティにまでなってきているのだ。とりわけ、硬直マインドセットの人の場合にはその傾向が著しい。(中略)しなやかマインドセットの人にとっても、失敗がつらい体験であることに変わりはない。けれども、それで「失敗者」になってしまうことはない。彼らにとっての失敗とは、それに立ち向かい、それと取り組み、そこから教訓を得るべきものなのだ。(P.43)
伝説的なバスケットボールコーチ、ジョン・ウドゥンは、失敗を何かのせいにしないかぎり、その人は失敗者ではないと語る。つまり、自分が間違いを犯したことを認めることができれば、そこから教訓を得てまだまだ成長していけるということなのだ。(P.46)
ほとんどの人が両方のマインドセットを併せ持っている。単純に2つに分けて説明しているのは、話をわかりやすくするためにすぎない。(P.58)
重要なのは、マインドセットは自分の意思で選び取ることができるという点なのだ.(P.61)
子供に「あなたは頭が良い」と言ってしまうと、その子は自分を賢く見せようとして愚かな振る舞いに出るようになる。(P.85)
偏見は、根の深い社会的問題であり、その犠牲になっている人たちを責めようとは思わない。ただ、マインドセットがしなやかならば、周囲からどう見られていようとも、それをありのままに認めた上で、自信や能力を損なうことなくその偏見に立ち向かっていくことができるのだ。(P.90)
チャンピオンの資質とは、練習に打ち込んで、地道に努力を重ね、ここぞという時に底力を発揮する能力である。(中略)ビリー・ジーン・キング(キング夫人)が言う通り、物事が順調にいかなくなって壁が立ちはだかって平静ではいられないときにこそ、チャンピオンの資質が問われる。(P.116)
ジョーダンは失敗をしっかりと受け止める選手だった。本人も気に入っているナイキのコマーシャルの中で、彼はこう語る。「ぼくがミスしたシュートは9000回以上。負けたゲームは300試合ちかく。そして、勝利を決めるはずのシュートを26回もミスしている」。ミスするたびに、彼は初心に戻ってシュートを100回練習したと思ってまちがいない。(P.123)
しなやかマインドセットのアスリートたちは、単に勝負に勝つことを成功と考えるのではなく、学び、向上してゆくことこそが成功だと考える。そのような考え方ができればそれだけ、あなたにとっても、チームメートにとっても、スポーツから得られるものが大きくなる。(P.135)
ジム・コリンズは著書『ビジョナリー・カンパニー2 飛躍の法則』で述べている。偉大な企業への飛躍を持たらした指導者たちは、我が強くて自分を売り込みたがる派手なカリスマ的人物ではなかった。謙虚で控えめで、たえず答えを探して問い続け、その答えがどんな厳しいものであっても直視できる人たちだった。失敗を、それが自分の失敗であっても、真正面から受けとめつつ、その一方で、最後には必ず成功するという確信を失わない人たちだったのである。(P.140)
しなやかマインドセットの経営者は、人間の、自分の、そして他者の、潜在能力と成長の可能性を信じるところから出発する。そして、自分の偉大さを証明する舞台として会社を利用するのではなく、自分と従業員そして会社全体が成長していく原動力としてそれを活かす。(P.163)
いじめは、人に優劣をつけるところから始まる。どっちが偉いか、どっちが上か。そして強い方が弱い方を、くだらない人間と決めつけて、毎日のように嫌がらせを加える。いじめ加害者がそこから得ているものは、シェリ・リーヴィが調査した少年たちの場合と同じく、自尊心の高揚感だ。加害者は特に自尊心が低いというわけではないが、他人を見下し卑しめることによって、自尊心の高揚感を味わうことができるのである。(中略)いじめの根っこにあるのは、人間には、優れたものと劣った物がいるという考え方なのだ(P.211)
子供が何か素晴らしいことをしても、褒めてはいけないのだろうか。褒めたい気持ちをグッと抑えなければいけないのだろうか。そんなことはない。ただし、ある種の褒め方ー知的能力や才能を愛でる褒め方ーだけは避けた方がいい。お父さんやお母さんは、自分がどれくらい頑張ったかではなく、自分の頭の良さや才能が自慢なんだ、と子供に思わせるような褒め方はやめよう。(P.225)
子供たちは幼い頃からこうした教訓を学んでいる。よちよち歩きの頃からもう、親の発するメッセージを敏感にキャッチしている。そして、間違いをしでかすとダメな子のレッテルを貼られて罰を与えられるんだ、と学んでしまう子もいれば、間違えた時にはアドバイスをしてもらえたり正しいことを教えてもらえたりするんだ、と思うようになる子もいる。(P.236)
しなやかマインドセットの親は、子供を甘やかして、好き放題にさせているわけではない。高い基準を設け、どうすればそこに到達できるかを教えようとする。そして、あくまで子供を尊重しつつ、公正で思慮に富んだ判断に立って、ダメな時はダメと言う。(P.239)
しなやかマインドセットの根底にあるのは、「人は変われる」という信念である。(P.264)
4)今日の気づき
言わずと知れたスーパーアスリートの大谷翔平選手。
彼が高校生の頃に作った目標管理シートはとても有名ですよね。その中に「運」の項目があるのをご存知でしょうか?
運を味方につけるには、プラス思考、応援される人間になる、挨拶、審判さんへの態度などなどが記されています。これこそ、彼を稀有な、そして現在進行形で成長するアスリートに育て上げている礎であり、しなやかマインドセットそのものだと強く感じました。
理解したら、あとは行動あるのみです。私たちも彼に習い、マインドセットをしなやかにしていきましょう。
5)本書の目次
- 第1章 マインドセットとは何か
- 第2章 マインドセットでここまで違う
- 第3章 能力と実績のウソホント
- 第4章 スポーツーチャンピオンのマインドセット
- 第5章 ビジネスーマインドセットとリーダーシップ
- 第6章 つきあいー対人関係のマインドセット
- 第7章 教育ーマインドセットを培う
- 第8章 マインドセットをしなやかにしよう
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