皆さまこんにちは。「本シェルジュ」の設楽英彦です。

もうすぐゴールデンウィークですが、今年に限っては、海外はおろか、国内への移動も自粛せざるを得ないですね。
(だからこそ「緊急事態宣言」が発令されているわけですが。5/6で解除されるかどうかも(当ブログ執筆時点では)不明です。)

今回の本シェルジュでは、そんな閉塞感のただよう今だからこそ求められる「自己管理(セルフマネジメント)」に関する本を紹介したいと思います。

本のタイトルにドラッカーの名前がありますが、著者はピーター・ドラッカー自身ではありません。
ドラッカーの教えを受けたジェレミー。ハンターという「ドラッカー・スクール」を米国の大学院で開講しており「人生が変わる授業」と言われています。

さあ、この本を読んで、私と一緒にセルフマネジメントを行い、「望む結果」を手に入れませんか?

本日紹介する書籍

ドラッカー・スクールのセルフマネジメント教室 ―― Transform Your Results
プレジデント社 (2020/2/27) 242ページ
ジェレミー・ハンター (著), 稲墻 聡一郎 (著), 井上 英之 (序文)

本書を選んだ理由~どんな人が読むべき?

  • テレワークで業務の効率が思うように上がらないビジネスマン
  • コロナウイルスの影響で将来に漫然とした不安を感じている方
  • 世の中の情勢とは関係なく、今の自分に満足していない方

付箋 ~本書からの内容抽出です

日本でもよく知られている経営学者、ピーター・F・ドラッカー氏は、「他者をマネジメントするためにはまず自分自身をマネジメントすることだ」と言っています。彼は、早くから、セルフマネジメントを重視し、彼の経営に関する体系の根幹のひとつに位置付けていました。

P.11

人は自分が見たいものを見ようとします。その「ものの見方」は、それぞれの経験や価値観、過去に蓄えた知識や個々の思考によって自動的に決まります。人は自分自身のフィルターを通して物事を見て、それを現実として捉えます。しかしその現実は、その人の期待や価値判断、思い込み、バイアス、身体感覚、感情など、多くの要素が複雑に絡み合った結果映し出されたものなのです。そしてほとんどの人は、自分にフィルターがあることすら認識していません。

 セルフマネジメントを学ぶ目的は、自分のフィルターを外し、オプションを増やし、よりよい結果を得ることです。

P.35

自己の内面を見つめ、自分の感情や願望を知り、そのうえで外側の世界に働きかけ、よりよい結果に近づけていくこと、これがセルフマネジメントです。

P.37

セルフマネジメントの出発点は、いま手にしている結果を情報として捉えることです。そのためには、忙しい毎日の中でさまざまな刺激を受けて高ぶっている自分の神経系を落ち着け、いまこの瞬間に何が起こっているかに意識を向ける必要があります。これは、そのためのエクササイズです。

(注:エクササイズ手法は本著をご参照ください)

P.65

人は最高のパフォーマンスが出せる状態にとどまり続けることはできません。よいパフォーマンスを出すためには、自分を追い込むだけでなく、心身ともにリラックス休息が必要です。

日本人はとりわけ休むのが下手だと思います。(以下略)

P.77

日本人の多くは「自分自身の身体の内側で何が起こっているか?」に対してきわめて鈍感です。自分が何を感じていて、どのような感情を持っていて、どんな身体感覚があるのかをしっかりと捉えて言語化できる人にわたしはほとんど会ったことがありません。

P.84

「習慣的で古い認識のフィルター」は、あなたの経験を狭めている可能性があります。もしこの古いフィルターを手離すことができたら、あなたは過去の行動や自分の癖、既存のものの見方に縛られない行動を取れるようになるでしょう。

P.130

実際、何かを変えるということは、「特定の瞬間にいつものとは違う行動を取る」という単純なことなのです。(中略)こうしたちょっとしたことで、あなたが手にする結果は大きく変わるのです。

人生とは、瞬間、瞬間を生きることです。

P.174

重要なのは、すべての物事は変化することを自覚することであり、無理に抵抗するのではなく、変化の波を楽しむマインドセットを持つことです。変化を嫌なこととして捉えるのではなく、前向きにとらえ柔軟に対応していくことです。

P.211

今日の気づき

本著では、セルフマネジメントのツールとして「IRマップ」というものを使っています。ですが、あえてIRマップについては、内容抽出をしませんでした。これは、IRマップは実践しないと意味がないので、当記事で読んでも何も起こらないからです。ぜひ、本著を書店で手に取って見ていただきたいと思います。

なお、本著は共著という形をとっています。ジェレミーと稲墻氏の両名が
入っているわけですが、稲墻氏の訳が秀逸なため、頭の中にスイスイ入ってきます。なので、 難しい内容も読みやすくなっているところがお奨めです。

また、本著については私の個人ブログでも紹介しています。よろしければご一読ください。
https://the-root-cause.com/selfmanagement/

本書の目次

はじめに
第1章 なぜいまセルフマネジメントなのか
第2章 セルフマネジメントとは何か
第3章 土台をつくる――ストレスと休息
第4章 神経系のマネジメント
第5章 マインドレスネス
第6章 望んでいない結果を変える
第7章 IRマップで望む結果を手に入れる
第8章 変化を前提に生きる
あとがき