本日紹介するのは、戦後史の正体 (1945-2012)です。
中高校では、近代史で、戦後以降を学ぶことはほとんどできませんでした。
授業時間が足りない、試験に出にくいという理由だったと思います。
しかし、現代に生きる今、最も必要な歴史は、太平洋戦争後であると思います。
今の時代がどのように作られたか知る必要があります。
しかし、歴史というには時間が経過していない戦後。
そのため、諸説があふれたり、陰謀説で片づけられたり、
右翼、左翼といった思想面で片づけられたりしがちです。
今日ご紹介する書籍が、全て正しいとは私も思いません。
この書籍も、Amazonでの評価は分かれます。
星5つの人が62人もいますが、星1つの人も12人います。(2012年9月現在)
正直、この書籍に星5つつけちゃうのも危険な気はします(^^;
しかし、いや、だからこそ、こういった戦後史について記述された本を
たくさん読んで、自分の中で、真実を見つけていくべきなんだろうなと思います。
多面的な視点を身につけるための第一歩としては、純粋に楽しめる書籍です。
<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)気づき
4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊 〓
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『戦後史の正体 (1945-2012)』
孫崎 享 (著)
創元社 (2012/7/24) 400ページ
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村上:太平洋戦争が終わった日っていつか知ってる?
S子:なによ、急に。太平洋で戦争なんかしてたの?
村上:(ダメだこの人は・・・)
S子:し、知ってるわよ。もちろん8月15日でしょ。何年かは忘れたけど。
村上:1945年ですよ。でも、8月15日じゃないですよ。それは終戦の日です。
S子:終った日じゃないの!?
村上:戦争は、片方の国が終わった!といっても終わりじゃないんです。
両国で、終わりの日を明確にする必要があるのよ。
S子:じゃあ、いつなのよ!
村上:8月14日にポツダム宣言を受諾し、9月2日に降伏文書に調印したんです。
なので、太平洋戦争、さらには第二次世界大戦が終了したのは、9月2日ですよ。
S子:ふーん、色々考え方の違いってあるのね・・・
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です 〓
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・日本は降伏したのです。たんなる終戦ではありません。
日本はいつ、第二次世界大戦を終えたのでしょうか。
こう聞くとほとんどの人が、「1945年8月15日に決まっているじゃないか。」
とおっしゃるかもしれません。
<中略>
・日本も1945年9月2日に、東京湾に停泊していた
米国戦艦ミズーリ号で降伏文書に署名しています。
<中略>
・米国や英国の外交官に「日本と連合国の戦争がいつ終わったか」と聞くと
だれも8月15日とは言いません。
かならず9月2日という答えが返ってくるのです。
・日本は米国の保護国でしょうか。「そんなバカな」といわないでください。
・「東アジアでは将来、ソ連との間で戦争が起こるかもしれない全体主義との
戦争に対し、日本が抑止力として貢献することのできるよう、
自給自足の民主主義を作ることが目的です。」
・「日本には昔から毒は毒をもって制するということわざがある。
原子力はもろ刃の剣だ。原爆反対をつぶすには、原子力の
平和利用を大々的にうたい上げ、それによって、
偉大な産業革命の明日に希望を与えるしかない」
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〓 3)今日の気づき 〓
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知識を得て、活用していくためには、同じ分野で違う角度から書いた本を
必ず読む必要がある。知識が偏らないため、そして多面的に物事を
考えられるようになるため。特に歴史はそうだろう。
タブー視されているからこそ色んな視点で情報を得たい。
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〓 4)本書の目次 〓
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序章 なぜ「高校生でも読める」戦後史の本を書くのか
日本の戦後史は、米国からの圧力を前提に考察しなければ
その本質が見えてきません。
第一章 「終戦」から占領へ
敗戦後の10年は、吉田茂の「対米追従」路線と、
重森葵の「自首」路線が激しく対立した時代でした
第二章 冷戦の始まり
米国の世界戦略が変化し、占領政策も急転換します。
第三章 講和条約と日米安保条約
独立と対米追従路線がセットでスタートし、日本の進む道が決まりました。
第四章 保守合同と安保改定
岸信介が保守勢力をまとめ、安保改定に乗り出しますが、
本質的な部分には手をつけられずに終わります。
第五章 自民党と経済成長
安保騒動のあと、1960年代に日米関係は黄金期を迎えます。
第六章 冷戦終結と米国の変容
冷戦が終わり、日米関係は40年ぶりに180度変化します。
第七章 9.11とイラク戦争後の世界
唯一の超大国となったことで、米国の暴走が始まります。
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『戦後史の正体 (1945-2012)』
孫崎 享 (著)
創元社 (2012/7/24) 400ページ
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