本シェルジュの村上です。

高校時代は日本史選択だったので、世界史は詳しくありません。そのため、世界史勉強しようと思って、1冊で完結する本を今までに何冊も買いました。しかし、それらの本は読み終わりませんでした。山川の世界史とかね(^^;
やっぱり、読んでて味気ないので、面白く無いんですよね。教科書的過ぎると。知識を得るためだけに読んでいる気がして、WKWK感がない。

また、いろんな地域のいろんな歴史が混在するので、どうしても混乱して、つながりがわからないので、相乗効果というか、歴史のうねり見たいのがわからないのです。

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一方で、ある程度絞られたテーマで書いている本も中々読書スピードが上がらず。話題になった大国の興亡も読むのを途中で断念してしまいました。1500年代のヨーロッパの知識が全然ないと、やっぱり理解できないんです。

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そんな中、たまたまTVで「ベルサイユのばら」のアニメが再放送されていたのをちらっと見てしまい、気になったので、Kindleでまとめ買い! コレが面白かった。やっぱり、絵のタッチが完全に女子なので、そこは受け入れられないところもあるんですが、ストーリーとか歴史的な雰囲気には魅了されてしまいました。 オスカル・・・どうして・・・

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と脱線しているうちに、また世界史が学びたくなってきました。と入っても、色々世界史本では、前述のとおり失敗していますから、どれを買うべきか・・・とパラパラ見ていると、以下のキャッチコピーに惹かれました。

厳選した重要トピックをコンパクトに解説。出来事・人物が頭の中でどんどんつながる!歴史の流れがつかめる!

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やはり、つながりが見えないと理解できないのだと思います。日本史の本なら、どの時代のものを買ってもそれなりに楽しめる。それは、前提となる歴史背景を掴んでいるからだと思います。日本史を勉強するときには年号を覚えるのがいやだ!から日本史はやめたという人がいますが、繋がりさえ掴んでおけば、年号なんて覚えなくても歴史は理解できます。この出来事が起きたから、結果として、あの出来事が起きたんだ!という流れがさえ理解できれば、たかだが2000年の年号なんて自然に理解できるわけです。

ただ、その理解法が世界史ではできなかったのですが、この本ならそれが出来る!

著者も前書きでこう書いています。

ここで新しい洞察を加えようとか、新しい情報を掘り起こそうなんて気はさらさらありません。

単なる事実を、いかにつなげて書くのかに腐心されていると思います。各事象を説明した後に、まとめが記載され、そしてその次の事象へのつなぎの言葉をうまく入れてきています。

例えば・・・ 十字軍の章では・・・

十字軍は最終的に駆逐されてしまったかもしれませんが、この経験は西洋にとっては大きな収穫でした。「最終的には失敗に終わったものの、西欧世界が中東アラブ世界の卓越した科学技術に向き合うきっかけになったという点で、十字軍は大きな利益をもたらした」のです。 (中略)

聖地が混乱に巻き込まれる中で、ヨーロッパは平和な時代を享受していました。農業が発達したことで、生産性があがり、社会が食べていくにあたって必要な農民の数は減りました。より多くの人間は町へとでていき、結果として商業が大いに活性化しました。しかし、この平和も13世紀には終わりを告げます。東から新たにやってきた、血に飢えた戦士たちの集団によって、ヨーロッパと中東は侵略されてしまうからです。モンゴルの襲来です

そして、モンゴルの章に続いていくわけです。このつなげの言葉がどれも見事でWKWK感を切らさない感じです。

おっと、そうこうしているうちにフランス革命が来ました。1.5ページです。ナポレオンまで含めても3ページ。しかし、ベルばらを読んだ後では感じ方が違ってきます。

うわ、三部会招集してるよ、これが失敗だったよなあ、ルイさん・・・

うわ、パンが値上がりしてる・・・おかし食べてー!

うわ、アントワネットさん、逃げて!ーーーーーー

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ってな具合で非常に楽しめる一冊でした。

それにしても、最終章の20世紀の歴史は読んでるだけで気持ちが悪くなりました。20世紀ってほんと、虐殺の歴史ですよね。アルメニア人ジェノサイドに、カティンの森の虐殺。ヒトラー、スターリン、毛沢東・・・日本もちょっと入ってました。まだ、やはり20世紀は歴史じゃないですね。私の中では、生きてた人が死に絶えた後でなければ、当事者が少しでも残っている状態が過ぎ去らなければ、歴史と呼べないんじゃないかと思っています。その後に、より客観的な歴史になるのでしょうか。でも、それとも客観的にみて、ひどい20世紀だったのか。

そんな物思いにふけりながら、読み終えることができました。面白かった!

ヨーロッパには世界史はない。なぜなら、ヨーロッパが世界だから!というのを実感できました。