みなさん、こんにちは。本シェルジュの岩永です。
ブラジルW杯が始まり、睡眠不足の方も多いと思います。
日本代表は、ここまでは期待どおりの結果は得られていませんが、第3戦は勝
敗よりも自分たちの納得のいく試合をしてほしいと願います!
さて、6月の本シェルジュは、「アツイ」(熱い、暑い、厚い…)をテーマに
お送りしてきましたが、今回でこのテーマは最終回!「熱い」にしようか、
「暑い」にしようかとても悩みましたが、あえて「厚い」にしてみました。
本日、ご紹介する本は、2010年4月に発刊された「ストーリーとしての競争戦
略 ―優れた戦略の条件」です。
500頁ほどのボリュームですが、10万部を超えるベストセラー&ロングセラー
となっております。著者は一橋大学大学院教授の楠木建さん。
大学の先生が書かれた本というと、いわゆる論文のようなおかたい文章をイメ
ージしてしまいますが、とても読みやすい文章です。
本来アカデミックな立場にいる方が、あえて、冗長に書いた経営学の本という
言い方もできるかもしれません。
読みやすく、納得性が高いので多くの方に読まれているのだと思います。
私自身は、発売当初に一読いたしましたが、改めて読み直して皆さまにご紹介
したいと思います。
<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊 〓
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ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件
楠木 建 (著)
東洋経済新報社 (2010/4/23) 518ページ
Amazon URL
http://www.amazon.co.jp/dp/4492532706
今回の登場人物紹介
同じ会社(営業部)の先輩と後輩
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W杯グループリーグ第2戦が終わって…
後輩:
しかし、日本代表の不甲斐なさは何なんですかね!?
負けるとか引き分けとかの結果よりも、捨てたはずのパワープレーを平然と
やるってのが個人的には許せないんすけど!!
先輩:
そうだよな。あれはとても残念だよな。とはいっても最後どうしようもない
時は、ああせざるを得ない気持ちもわかるよ。
後輩:
いやいや、俺が言いたいのは、だったら最初から長身のFWも招集しろよって
話ですよ!!戦略も戦術もあったもんじゃない!!
先輩:
そりゃ、そうだ。今、この本を読んでいるんだけど、戦略ってのを考えさせ
られるよ。俺たちも月末にお願い営業とか押し込み営業のパワープレーに
ならないようにしなきゃな!
後輩:
仕事の話に結び付けないで!!(怒)
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です 〓
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■まえがきP.2より
この本のメッセージを一言でいえば、優れた戦略とは思わず人に話したくなる
ような面白いストーリーだ、ということです。
■P.10より
戦略はサイエンスというよりもアートに近い。
優れた経営者は「アーティスト」です。
■P.13より
「違いをつくって、つなげる」、一言でいうとこれが戦略の本質です。
■P.20より
戦略をストーリーとして語るということは、「個別の要素がなぜ齟齬なく連動
し、全体としてなぜ事業を駆動するのか」を説明するということです。それは
また、「なぜその事業が競争の中で他社が達成できない価値を生み出すのか」
「なぜ利益をもたらすのか」を説明することでもあります。
■P.111~113より
他社との違いを考えるときに、二つの異なったタイプの違いがあるということ
です。(中略)
ここで注目する切り口は「程度の違い」と「種類の違い」という分類です。
(中略)
結論を先取りすれば、この二種類の違いのうち、「種類の違い」を重視するの
が表千家で、こうした考え方を「ポジショニング」といいます。一方の裏千家
は、どちらかというと「程度の違い」に競争優位の源泉を求める考え方で、
ここでカギとなるのが「組織能力」という概念です。
■P113より
レストランの例を考えてみましょう。(中略)
シェフのレシピに注目するのがポジショニング(SP:Strategic Positioning)
の戦略論です(中略)
厨房の中に注目するのが組織能力(OC:Organizational Capability)に注目
した戦略で、これをOCの戦略と呼びます。
■P.129より
セブン-イレブンの戦略のカギは、SPよりもOCにあります。セブン-イレブン
のOCのうち最も重要なものが、「仮説検証型発注」と呼ばれる、セブン-イレ
ブンが長い時間をかけて開拓していった「やり方」です。
■P.134より
セブン-イレブンと同じように、トヨタの場合も、その答えは「厨房の中」OC
にあります。
■P.137より
藤本さんと延岡さんの研究は、トヨタや日本の自動車メーカーの競争優位がSP
よりもOCに立脚していることを物語っています。藤本さんの言葉を使えば、SP
が「頭を使う本社発の戦略」であるとすれば、OCは「体を鍛える現場発の戦略
」であり「体育会系の戦略」です。
■P.164より
SPが明確でOCも強い、これが最強の状態です。
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〓 3)今日の気づき 〓
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引用は全体のページ数が多いため、前半のみの抽出とさせていただきました。
本文では、このあと第3章からSPとOCの違いを因果論理で結び付けて、そこの
流れと動きをつくっていくのが、ストーリーの戦略論であるという本題に
入っていきます。
私個人は、SP(ポジショニング)とOC(組織能力)という切り口は、心底納得
のいくものでした。企業として考えてみてもそうですが、個人としても例えば
どの分野で専門性を発揮していくのかを考えてみたときに応用できるものです。
専門性とは絞り込み(ポジショニング)をすればいいものではなく、実際の
力が発揮できるかどうか、そして連動したストーリーになるかどうかですね。
企業としても個人としても肝に銘じたいと改めて思いました。
日本代表、とにかく悔いのない戦いを!!
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〓 4)本書の目次 〓
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第1章 戦略は「ストーリー」
第2章 競争戦略の基本論理
第3章 静止画から動画へ
第4章 始まりはコンセプト
第5章 「キラーパス」を組み込む
第6章 戦略ストーリーを読解する
第7章 戦略ストーリーの「骨法10カ条」
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ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件
楠木 建 (著)
東洋経済新報社 (2010/4/23) 518ページ
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