おはようございます、本シェルジュの村上知也です。

中小企業診断士は、毎年多くの企業の相談にのります。
私自身は年末に数えたら、去年の企業訪問数はのべ206件でした。
それ以外に、月4-5回ほど、公的機関の窓口で、1日3件程度の相談をうけていますので、のべ180件くらい。
セミナ等の前後で個別に相談を受けることも入れると、年間400件くらいの相談にはのっていると思います。

そして、相談のうち、6-7割は売上をあげるには、どうしたらいいか?というものです。
チラシや営業や、Webの話や、そもそもマーケティングを、と言った内容です。
やはり、多くの中小企業や、個人事業主の方は売上を上げるにの苦労しているんだな、というのが伝わってきます。

今まで私自身がやってきたことや、その他いろんな事例を交えて、提案をしていくわけですが、
この本をよむと、ある程度、自分で売上アップの作戦がたてられるのでは?と感じました!

1)本日紹介する書籍

「売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!」
川上 徹也(著)  出版社: SBクリエイティブ (2017/12/5)
紙の本の長さ: 148 ページ
http://amzn.to/2GO1rvW

2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?

本書を読むべき人は、もちろん 中小事業者で売上を上げたい人なのですが、
コンサルタントデビューをしてどのように人に伝えていこうか悩んでいる人にもふさわしい本だな、と感じました。

コンサルタントの方のセミナでダメな例でよくあるのが、フレームワークの説明に終始してしまうことです。
SWOT分析は・・・Sが強みで・・・強みを発揮するには・・・
4Pってのは、 4つのPで、 Priceの価格を考えるには・・・
と言った流れで説明するケースです。

もちろん、フレームワークのセミナならそれでもいいかもしれませんが、
いかにもコンサルのテキスト!みたいな感じで、一般の受講者には伝わりにくいんじゃないかなと思います。

ですから、わたしは、フレームワークは使っても最後にちょこっと説明するだけにしています。
マーケティングでどのように売上を上げていくかを、有名な事例を紹介して、
その後、自分が携わった身近な成功事例を紹介して、納得感を持ってもらうようにしています。
そして、最後に、この内容は経営学の知識で言えば、4Pだったんだよ、興味のある人は本でも読んでね。
と言った流れです。

やはり、日常的に経営学の勉強をしていない人には、冒頭に小難しい単語を並べると、
そこで意識が薄れてしまうことになりがちです。

という風に思っているのですが、本書では、まさにそのような流れになっていて、
わかりやすい誰もが知っている事例、マイナーな事例でどのように売上が上がっていったのかを解説してくれています。
そして、最後に実は、このフレームワークで全体を考えるといいよ、ときれいにまとめてられています。

 

3)付箋  本書からの内容抽出です

○ウリを変えると?
カップヌードルが初めてアメリカに進出したときのことです。アメリカ人はカップ麺なんて誰も食べたことがなく、そもそもスーパーに置いてももらえませんでした。そこで営業マンは、スーパーの責任者に何と言って売り込んだでしょう。

○名前を変えると?
野菜を通販で売る会社「オイシックス」は、野菜につけるネーミングがうまいのが特徴です。本来の品種名ではなくオリジナルの名前がつけられています。 「ピーチかぶ」「トロなす」「天空のキャベツ」「満月いも」「黄金桃」など、一度食べてみたくなりませんか?

○名前を変えると?
以下の都市の共通点は何でしょう?  北海道室蘭市  神奈川県川崎市  三重県四日市市  福岡県北九州

○売る場所を変えると?
売り場には、「あまった小銭をオモチャに!」「日本で売れてます」などのキャッチコピーが英語、中国語、韓国語、アラビア語など多言語で書かれている。

○価格を変えると?
高級チョコを1個あたり15セント(通常の半額程度)、安物チョコを1セントで売り出すと、73%が高級チョコを選びました。  安くて高級チョコが食べられるのですから、ある意味、合理的な選択です。  次にどちらも1セントずつ割り引いて、高級チョコを14セント、安物チョコを無料にして販売してみました。価格差は同じですから、前回とそれほど変わらないはずですよね。でも結果は大きく差が出ました。高級チョコを選ぶ人は31%に大きく減少、残りの7割近い人が無料の安物チョコを選んだのです。  この結果に、アリエリー教授は、以下のような意見を述べています。 「人間は何かを失ったり損したりすることを非常に恐れる。無料のものを選べば損することがないので、それが魅力的に見えてしまう。

4)今日の気づき

いつも思うことだけど、売上を上げるにしても、コストを下げるにしても、
一つの施策一発で完了することは、ほとんどない。
幾つかの切り口で整理して効果のある施策を複数見つけて、
優先順位をつけた上で着実に実行していくこと。

本書を読んでも改めて、そう思います。

5)本書の目次

●目次
第1章 ダムで「カレー」が、水族館で「パン」が飛ぶように売れる理由~「ウリ」を変える~
第2章 なぜタクシーはのろのろ走り、たたみ屋は24時間営業を選んだのか?~「売る時間」を変える~
第3章 漁港で「ケーキ」を、地球の裏側で「雨どい」を売る~「売る場所」を変える~
第4章 おじさんがダメなら女子高生、女子高生がダメならおじさんに売れ~「売る人」を変える~
第5章 「2割引き」と「2割キャッシュバック」どちらが売れるのか?~「売る値段」を変える~
第6章 売れないならお客さんに売らせるワザもある!?~「売る方法」を変える~
第7章 「もったいない」や「社会貢献」でもっと売れ~「売る目的」を変える~

(Amazonの紹介文)

モノが悪ければ、モノは売れない。
でもいくらモノが悪くても、モノを変えられる(商品開発からできる)人は多くない。
そして多くの人はモノを変えずに、売ることが求められます。
(しかも「お金をかけずに!」とムチャぶりされていませんか?)

でもこれ、実はできるんです!
数々の企業が知恵を絞ってバカ売れさせた
そんな事例が実はたくさんあるんです。

そこで本書は
「モノは変えずに売り方を変えることでバカ売れさせる方法」
を紹介します。

もちろんロクでもない商品を、言葉巧みに売る方法を
伝授する本ではありません。
モノはいい。でも売れない。
そんな悩みをもつ人へのヒントと怒涛の成功例を
本書では数多く紹介します。

「売れないものを売る方法? そんなものがほんとにあるなら教えてください!」
川上 徹也(著)  出版社: SBクリエイティブ (2017/12/5)
紙の本の長さ: 148 ページ