こんにちは! 本シェルジュ田中聡子です。
髪の毛の断面と同じサイズの歯車って想像つきますか?
開発費2億円をかけた、用途のない歯車。
「採用は先着順」「定年なし」の人事制度。
人が育って、製造技術が磨かれて、お金(内部留保)が積み重なる。
それがまた、次の投資の源になる。
力のある会社って、3つの経営資源がこんなにキレイに繋がるんですね。
あ、情報もだ。
40年以上前から今まで、作ってきた商品1億個の製造環境データ
をすべて残しているそうですから。
日本って中小企業が支えているんだ、と改めて実感させてくれる1冊です。
ぜひ読んでみてください。
<目次>
  1)今日のオススメの一冊
 2)付箋
 3)気づき
 4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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世界でいちばん小さな歯車を作った会社 (中経の文庫) [文庫]
松浦 元男 (著)
中経出版 (2010/2/27)

Aさん: 1ページ目の写真から圧倒されますね。
米粒の上に歯車がいくつも乗っているなんて!
写真もものすごくキレイ。素直に感動します。
田中 :インパクトありますよね。小さすぎて使い道がないって
どういう事?と思うけど、作ることは目的じゃないんですね。
「地力」を鍛えるってこういう事なんだろうなぁ。
最近、製造業の社長さんとお話する機会があったのですが、
「当たり前のことをやっているだけだよ」と言う「当たり前」の
レベルが半端じゃない。何かを極めてる方の話って共通点が
たくさんありますね。
Aさん:みんながキラキラして働いている雰囲気が伝わってきます。
好きなことをしてる時って、普段と違うパワー出ますもんね。
社長に「今日もがんばるぞ、おーっ」ってメール送る社員は
確かにふつういないですよ(笑)。
田中: 会社が一つの家族みたいですよね。信頼や信念
が全部集まって技術を生む力になっているんですね。一方で
下請けとパートナーの違いの話にも、ものすごく共感しました。
人との関わり方についても考えさせてくれる本です。
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〓 2)付箋   ~気になった箇所の引用です~        〓
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■彼は触っただけで「ここが1000分の3ミリ高いよ。やり直しなさい。」
と後輩たちに平気で言うのである。言われた方はカチンとくるが、コンピュータの
測定器で測ってみると、たしかに1000分の3ミリの差があった。
 腕のいい職人が作る金型は、なんとも言いようのない風合いがある。見てすぐに
“べっぴん”だとわかる。誰がつくったかが分かる。それが職人としての
実力である。
■そのとき偉いなと思ったのは、「腕立て伏せをやれ」と言った力の強い連中が、
彼の横に並んで一緒になってみんなで腕立て伏せをやっていたのである。
ただ口で「やれ!」ではない。
■では、社員のやる気をどう引き出せばいいのだろうか。
まず、最新鋭の設備を整えることである。工作機械や社内で作る設備は
最低でも日本一の物を揃える。しかも買う時は使う人間に選ばせる。
会社が上から与えるものではない。好きなように選ばせる。
すると、彼らは気持ち悪いぐらい、うれしくてニヤニヤしている。
これだけのものがあるなら、出来るところまで加工してやろうと
チャレンジする。それが進歩の第一歩である。
■我々の前に出てくるものは小さなただの歯車である。
しかし、その後ろで富士山の裾野のような技術開発が広がるのである。
売れても売れなくても新しいものをつくるチャレンジをしていけば、
技術が残っていく。
■「技術を持っている」という前提はあるが、
時代が変わったことを鋭く感じ取り、自らの戦線の戦線を変更したものは
生き延びることが出来る。それは、今も昔も同じである。
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〓 3)今日の気づき                       〓
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ブルーオーシャンってこういう事か!

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〓 4)本書の目次                        〓
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第1章人を育て、技術を育てる
第2章世界一小さい百万分の一グラムの歯車
第3章やっていい競争とやってはいけない競争
第4章時代の流れを読み解けば道は開ける
第5章大企業に負けない企業をつくる
第6章社長は誰よりも勉強しなさい
第7章中小企業は「技・人・金」で生きていく
世界でいちばん小さな歯車を作った会社 (中経の文庫) [文庫]
松浦 元男 (著)
中経出版 (2010/2/27)