こんにちは。本シェルジュの藤井無限です。

桜が満開になり、すっかり春めいてきました。
今月の本シェルジュは、「夢」をテーマに配信してまいりました。
このテーマでの配信も、私で最後です。

「夢」に関しては他の本シェルジュメンバーが、良い本を紹介していますので、
正直、本を選ぶの大変でした。
そこで、私からは少し「夢」をシュールにとらえている小説を取り上げます。

この本は、物書きになりたい人、自費出版したい方は決して読んではいけません。(笑)

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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夢を売る男
百田尚樹(著)
太田出版 (2013/2) 282ページ

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今回の登場人物紹介
■むー先生:海賊の本を書くのが夢
■悪代官:出版社の編集長
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悪代官:むー先生、先生の海賊にかける情熱に感激しました。
原稿を読ませていただきましたが、一言でいうと。。
「天才」の仕事です。

むー先生:そうですか、やはり分かる人には分かるんですね。
あまりにも斬新過ぎて、一般の人には理解されないのではないかと心配でした。
海賊には、全ての少年を熱くするものがあります。

悪代官:私をその程度の編集長だと思ったんですか!
見くびってもらったら困ります。
この本は、100万部のベストセラーになります。
是非、うちで出版してください。
出版費用は、うちで半分持ちますが、むー先生の側でも半分持ってください。

むー先生:はい、契約します。

悪代官:(この人ちょろいな)

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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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P152
なぜ、うちの客は百万も二百万も払って、
本を出すんでしょうか、と問われて。
「自費出版じゃステイタスがあがらないんだ。金をつかって自己満足で
本をつくったと、周囲に受け取られる。それでは本を出す意味がないんだ。
ところが丸栄社で出せば、これは自費出版ではない。~ 全国の書店に並ぶ
ということが客の自尊心を大いにくすぐるんだ。そこがキモだ」

「本を出すということは、とてつもない魅力的なことなんだよ。自尊心と優越感を
満たすのに、これほどのものはない。」

P165
なぜ、小説が年々売れなくなってくるのに、
小説家志望が年々増えてくるのか、と問われて。
「前にインターネットのブログに使われている言語で最も多いのは
日本語だという話をしたのを覚えているだろう。
あれで日本人は書くことの喜びを覚えたんだ。それと自己を主張する快感を
味わったんだ。自分にも自己実現できるものがあるぞ、と。」

P278
「うちはたしかに夢を売る出版社だ。しかし夢はただじゃない。
現代では夢を見るには金がいるんだ。」

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〓 3)今日の気づき                       〓
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自己顕示欲が強すぎ、この本の中の登場人物のように
カモにされることもあるだろう、
でも、表現し続けることは大切だと思うんです。

テクノロジーが、素人に簡単に自己表現できる機会を
あたえてくれたのだから存分に活用したい。

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〓 4)本書の目次                        〓
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1.太宰の再来
2.チャンスを掴む男
3.賢いママ
4.トラブル・バスター
5.小説家の世界
6.ライバル出現
7.戦争
8.怒れる男
9.脚光
10.カモ

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夢を売る男
百田尚樹(著)
太田出版 (2013/2) 282ページ

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