みなさん、こんにちは。藤川 豊です。

汗ばむ日も増えてきましたね。朝夕とは気温差もあるので、風邪などひかぬよう、乗り切りたいところです!

さて、今回紹介する本は「ファンベース~支持され、愛され、長く売れ続けるために~』です。

この本の著者の佐藤尚之さんは、電通出身のコミュニケーション・ディレクターですが、情報過多かつ成熟市場での新規顧客開拓のためには、この「ファンベース」という考え方、やり方が絶対に必要とおっしゃっています。ファンを大切にし、ファンをベースにして中長期的に売り上げや価値を上げていく考え方は当然のようにも思えますが、そこに大きな意味があると思い、参考にしたく、手に取りました。

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 1)本日紹介する書籍
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ファンベース
著者:佐藤尚之
出版社:ちくま新書 (2018/2/10)               
https://amzn.asia/d/8ZsVXJJ

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 2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?
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・自社サービスのファンを着実に増やして、収益拡大を実現したいと考えているマーケターの方
・自身の営業力を高めたい中小企業診断士 など

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 3)付箋 ~本書からの内容抽出です
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P31
現在ブツ切りになっている単発施策、そして短期キャンペーン施策などを、もっと意識してつなげ、そこで好意を持ってくれた人(ファンの入り口に立った人)の好意を資産化して積み上げていくこと。そういう「全体構築」が必要である。

P72
価値観が近い友人が愛用しているモノは、自分も愛用する可能性が高い。
価値観が近い友人がツボにはまるコンテンツは自分もツボにはまる可能性が高いし、価値観が近い友人が使用しているモノは自分も愛用する可能性が高いし、価値観が近い友人が熱中するコトは自分も熱中する可能性が高いからだ。

P97
中長期ファンベース施策は大きく2つ
ファンの支持を強くする3つのアプローチ→ファンのLTVを上げ、新たなファンも育てていく「共感・愛着・信頼」施策
ファンの支持をより強くする3つのアップグレード→ファンをコアファンにし、さらにLTVを上げていく「熱狂・無二・応援」施策

P103
共感を強くする
ファンの言葉を傾聴し、フォーカスする
ファンから愛される理由を知るための、大切な出発点。ファンミーティングは、ファン同士が「愛している理由」を発見しあう場。ファンが一番喜ぶのは「支持している価値」のブレのない改善である。

P126
愛着を強くする
商品にストーリーやドラマを纏わせる。生活者の課題を解決するためにどれだけの「想い」があったか。どれだけの人がそのプロジェクトに携わり、どれくらい「時間」をかけたか。そして、どれくらい生活者のために試行錯誤し「努力」したのか。そういうストーリーやドラマが、ファンに愛着という感情を起こさせる。

P138
ファンが参加できる場を増やし、活気づける
ファンになった人の行き場を増やす。ファンが気軽に参加できる場を作り、思いを共有し、企業や商品ブランドの体験を増やしていくことは、確実に「愛着」を強くする。

P148
信頼を強くする
それは誠実なやり方か、自分に問いかける
P154
本業を細部まで見せ、丁寧に紹介する
商品力や品質の根拠となる研究開発や製造工程、制作工程などをちゃんと見せることで、「この企業の商品は間違いない」「あそこはちゃんとしている」みたいな信頼を強くすることだ。
P160 
社外で信頼されたかったら、社内で社員に信頼されないといけない。

P178
熱狂される存在になる
大切にしている価値をより前面に出す
あなたの「価値観」を謙虚に隠しておく時代ではない。もともと「大切にしている価値」がある程度はっきりしている場合は、まずそこを明確に前に打ち出すべきであろう。

P192
無二の存在になる
忘れられない体験や感動を創る
ファンイベントで事前期待を上回る
P202 
コアファンと共創する
一見、欠点のない素晴らしい施策に見えるこの共創だが、実は間違って行われているものがわりと多い。「参加者をコアファンに絞っていない」のだ。

P207 
応援される存在になる
コアファンは、「信頼」する企業やブランド、商品を、もう一歩踏み込んで応援したい。大っぴらに力強く応援したい。そういう「応援できる要素」を少しづつ増やしていく施策がこの項である。

P258
その価値を支持してくれ、愛用してくれているファンの笑顔をつくることほど、うれしく、誇らしく、やりがいのある仕事は他にはないのではないだろうか。
ファンベースを楽しもう
時間がかかるのではない。じっくりと「時間をかけたい」のである。
手間がかかるのではない。真摯に丁寧に「手間をかけたい」のである。
手離れが悪いのではない。楽しいから「手を離したくない」のである。
効率が悪いのではない。できるだけ長く「労力をかけてつきあいたい」のである。
これは基本的にとても楽しいことだ。

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 4)今日の気づき
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ファン作りの成功には、①商品にストーリーやドラマを纏わせつつ、提供側のやっていることを細部まで見せること、②ファンの言葉を傾聴しながら、ファンから愛される理由を知り、誠実なやり方でファンが参加できる場を増やしていくこと、③こうした施策を単発で終わらせず、もっと意識してつなげていくこと、などが大事だということを再確認しました。確かに、担当者間のコミュニケーションも含め、施策間のつながりを意図しておかないと、ブツ切りのものになってしまいがちですね。

また、ファンづくりは、じっくりと時間をかけ、真摯に丁寧に手間をかけ、できるだけ長く労力をかけてつきあえる関係をつくることが大事で、「そのプロセス自体を楽しもう」という点にも共感しました。

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 5)本書の目次
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第1章 キャンペーンや単発施策を、一過性で終わらせないために
第2章 ファンベースが必然な3つの理由
第3章  ファンの支持を強くする3つのアプローチ
第4章 ファンの支持を強くする3つのアップグレード
第5章 ファンベースを中心とした「全体構築」の3つのパターン
第6章 ファンベースを楽しむ

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ファンベース
著者:佐藤尚之
出版社:ちくま新書 (2018/2/10)               
https://amzn.asia/d/8ZsVXJJ