本シェルジュの村上知也です。
経済学と聞いただけで嫌になる人もいるかも知れませんね。
しかし、竹中さん独特のわかり易い表現で
経済学の基本を解説してくれています。
神の見えざる手や、公共投資の重要性など、
メインとなるキーワードだけとりあげて
世の中を語るばかばかしさと、
ベースとしての古典知識の重要性を改めて認識できる1冊です。
また、色々な資格試験で経済学は出題されていますが、
テキストを読む前にこの1冊を読むのもいいかなと思います。
試験のテキストでは、どうしてもキーワードが並んでいるだけになりますが、
この本では、偉大な経済学者の人間的な側面と彼らの思想自体が
分かりやすく記載されています。
<目次>
  1)今日のオススメの一冊
 2)付箋
 3)気づき
 4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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『経済古典は役に立つ』
竹中平蔵(著)  光文社 (2010/11/17) 222ページ

-----
村上: S子さんは、アダム・スミス派? それともケインズ派?
S子:  私は自由を愛する女。なので、もちろん、アダム・スミス派よ!
村上: でもたまには、相手をコントロールするために投資したりするでしょ?
S子:  それは相手によるわね。
村上: 経済学もそうなんだ。今ある相手や問題を、
    解決するために、経済政策は変更されなければならない。
    一律に、彼はスミス派で、彼女はケインズ派なんて分類はばかげている。
S子: どちらにしても、うんちくだけで行動しない男には用はないわよ。
村上: え? おれ・・・のこと・・・?
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です                〓
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重要なことは、アダム・スミスやケインズ、あるいはシュンペーターなどの偉大な先達が、それぞれ目の前にある問題を解決しようとしたことである。
つまり、彼らの経済思想が先にあり、それを使って問題を解決しようとしたのではなく、彼らが提示した問題解決のスキルが蓄積されて、結果として思想になったということである。
「できるだけ物を安く買い、できるだけ高く売る。」というのはまさに「利得」を求めてのことである。利得の概念が初めて生まれ、それが当時は拒絶されて批判されたということである。
アダム・スミスが出版した書物は2冊しか知られていない。
「道徳感情論」と「国富論」である。
有名な、”神の見えざる手”と言う表現は、この「国富論」には一切登場しない。
ただ、”見えざる手”という表現が、一箇所に登場するのみである。
ケインズは徹底したリアリストだった。
「長期的に見ると、我々はみな死んでしまう。嵐の最中にあって、経済学者に行けることが、ただ、嵐が徳過ぎ去れば波はまた静まるであろう、ということだけならば、彼らの仕事は他愛なく無用である。」
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〓 3)今日の気づき                       〓
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 誰かの作った思想に基づいて行動するのはおかしな話だ。
 先人たちは思想を作ったのではなくて、問題点を解決する行動をとった。
 そしてその結果をまとめたものが思想にすぎない。
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〓 4)本書の目次                        〓
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はじめに
第1章 アダム・スミスが見た「見えざる手」
第2章 マルサス、リカード、マルクスの悲観的世界観
第3章 ケインズが説いた「異論」
第4章 シュンペーターの「破壊的創造」
第5章 ハイエク、フリードマンが考えた「自由な経済」
おわりに
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『経済古典は役に立つ』
竹中平蔵(著)  光文社 (2010/11/17) 222ページ

アダム・スミスの「国富論」以外の著書が、「道徳感情論」であることを見ても、
改めて、経済学と哲学というのは根っこは同じ何だなあと感じました。
最近、話題になってた「これから正義の話をしよう」は哲学書であるが、
経済理論の中での道徳論であったりします。
いずれにしても、昇華された思想が重要なのではなく、何をするかが重要なんでしょうね。


本シェルジュの村上知也です。
経済学と聞いただけで嫌になる人もいるかも知れませんね。
しかし、竹中さん独特のわかり易い表現で
経済学の基本を解説してくれています。
神の見えざる手や、公共投資の重要性など、
メインとなるキーワードだけとりあげて
世の中を語るばかばかしさと、
ベースとしての古典知識の重要性を改めて認識できる1冊です。
また、色々な資格試験で経済学は出題されていますが、
テキストを読む前にこの1冊を読むのもいいかなと思います。
試験のテキストでは、どうしてもキーワードが並んでいるだけになりますが、
この本では、偉大な経済学者の人間的な側面と彼らの思想自体が
分かりやすく記載されています。
<目次>
  1)今日のオススメの一冊
 2)付箋
 3)気づき
 4)本書の目次
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〓 1)今日のオススメの一冊            〓
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『経済古典は役に立つ』
竹中平蔵(著)  光文社 (2010/11/17) 222ページ

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村上: S子さんは、アダム・スミス派? それともケインズ派?
S子:  私は自由を愛する女。なので、もちろん、アダム・スミス派よ!
村上: でもたまには、相手をコントロールするために投資したりするでしょ?
S子:  それは相手によるわね。
村上: 経済学もそうなんだ。今ある相手や問題に対して、
    解決するために、経済政策は変更されなければならない。
    一律に、彼はスミス派で、彼女はケインズ派なんて分類はばかげている。
S子: どちらにしても、うんちくだけで行動しない男には用はないわよ。
村上: え? おれ・・・のこと・・・?
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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です      〓
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重要なことは、アダム・スミスやケインズ、あるいはシュンペーターなどの偉大な先達が、それぞれ目の前にある問題を解決しようとしたことである。
つまり、彼らの経済思想が先にあり、それを使って問題を解決しようとしたのではなく、彼らが提示した問題解決のスキルが蓄積されて、結果として思想になったということである。
「できるだけ物を安く買い、できるだけ高く売る。」というのはまさに「利得」を求めてのことである。利得の概念が初めて生まれ、それが当時は拒絶されて批判されたということである。
アダム・スミスが出版した書物は2冊しか知られていない。
「道徳感情論」と「国富論」である。
有名な、”神の見えざる手”と言う表現は、この「国富論」には一切登場しない。
ただ、”見えざる手”という表現が、一箇所に登場するのみである。
ケインズは徹底したリアリストだった。
「長期的に見ると、我々はみな死んでしまう。嵐の最中にあって、経済学者に行けることが、ただ、嵐が徳過ぎ去れば波はまた静まるであろう、ということだけならば、彼らの仕事は他愛なく無用である。」
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〓 3)今日の気づき              〓
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 誰かの作った思想に基づいて行動するのはおかしな話だ。
 先人たちは思想を作ったのではなくて、問題点を解決する行動をとった。
 そしてその結果をまとめたものが思想にすぎない。
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〓 4)本書の目次               〓
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はじめに
第1章 アダム・スミスが見た「見えざる手」
第2章 マルサス、リカード、マルクスの悲観的世界観
第3章 ケインズが説いた「異論」
第4章 シュンペーターの「破壊的創造」
第5章 ハイエク、フリードマンが考えた「自由な経済」
おわりに
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『経済古典は役に立つ』
竹中平蔵(著)  光文社 (2010/11/17) 222ページ
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アダム・スミスの「国富論」以外の著書が、「道徳感情論」であることを見ても、
改めて、経済学と哲学というのは根っこは同じ何だなあと感じました。
最近、話題になってた「これから正義の話をしよう」は哲学書であるが、
経済理論の中での道徳論であったりします。
いずれにしても、昇華された思想が重要なのではなく、何をするかが重要なんでしょうね。