こんにちは、本シェルジュの松林です。
まだまだ暑さは続いていますが、蝉に代わって秋の虫の声が大きくなり、もうすぐ「読書の秋」らしい気候になるのかな?と期待しています。

さて、今月の本シェルジュは、「習慣」をテーマにお送りしています。
「習慣」には、「学習によって後天的に獲得され、反復によって固定化された個人の行動様式」の意味があるそうです(「デジタル大辞泉」より)。
心身の健康を保ちつつ、成果を出していくための習慣は?と考えながら書店の本を見渡していて、ふと目に留まった本がなかなかよかったので、今回はそれをご紹介します。
リアルに20代後半から30代前半位の女性にはもちろん、女性の部下や後輩がいる男性にも、キャリア形成について参考になる本だと思います。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

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〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
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働く女性 28歳からの仕事のルール
田島 弓子(著)
すばる舎 (2012/6) 231ページ

今回の登場人物紹介

■松林:本シェルジュ。就活は男女雇用機会均等法ができて数年後だった。
■A男:松林のかつての同級生で、大手企業の地方支店長。
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松林:やあ、久しぶり。相談って、何だい?

A男:実は、うちに優秀な女性社員がいてね、近々、管理職に登用したいと思っているんだ。
松林:それはいいことじゃないか。で、何が問題なの?

A男:本人は、こんな自分に管理職が務まるのかと不安なのだそうだ。何せ、うちの支店では女性の管理職は初めてでね。ロールモデルが周りにいないので、仕事をイメージできないって言うんだ。

松林:それはそうかもね。でも、仮に上の世代の女性管理職がいたとしても、バブル期みたいに男性と同じように働けばOKという時代でもないし。

A男:まあね。変化の激しい時代に、昔のロールモデルが適切かは疑問だけど。

松林:君が彼女をサポートして、女性の強みである観察力や共感力を活かしたマネジメントのやり方を、一緒に見出していったらどうだい? 最近読んだこの本、なかなかいいことが書いてあったよ。

A男:ありがとう。さっそく研究してみるよ!

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〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出です              〓
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■P34より
自分のキャリア展望にモヤモヤはあるけれど、とにかく目の前の仕事に全力投球していると、ある日思いもよらない出来事や出会いなど、自分ではコントロールできないことが起こる。それがきっかけとなって、モヤモヤが吹っ切れ、スッと次のやりたいことが見えて、次のキャリアが“つくられていく”-私のキャリア人生もそれの繰り返しでした。

■P70より
これからお伝えすることは、決して自分の将来について悩むことをやめましょうということではないのです。そうではなく、「目の前の仕事」と「将来のモヤモヤ」は切り分けて考えましょうということです。(中略)
そして、皆さんの思考のベクトルを、まずはモヤモヤにではなく、目の前の仕事に切り替えていただきたいのです。

■P83より
もちろん「つまらない作業」を、しぶしぶやって終わらせることはできるでしょう。
しかし、それでは自分の周りに負のオーラが漂い、周囲にも「やる気があるのか」「機嫌が悪そう」というマイナスの印象しか与えません。もっと悪いことは、「やらされ感」でやる仕事ほど、私たちのストレスを増やすものはないということです。(中略)
実際、こんな単純作業でも、集中力100%で、プラスのオーラ全開でやっていると、それが周囲の目に留まるのか、先輩たちが「田島、何やってんの?」と見に来たりもして、つまるところ、仕事で評価されるとは、そういうことではないかと思うのです。

■P120より
私はセミナーなどで、「嫌いな上司や、やる気のない同僚とうまくやっていくためにはどうすればいいんですか?」という質問を受けたとき、「女優になってください」とお答えしています。(中略)
常にテンションを上げるなど無理ですし、いつも演じるなど非現実的ですが、「ここはマックス状態で臨もう」というとき、どんな手を使っても集中するのがプロだと思います。特に女性には、メイク、服といった演出の小道具もいろいろ使えます。結果を出すためには「女優にもなる」、一人前の仕事術の“奥の手”として覚えておいてください。

■P125より
まず、皆さんに気づいていただきたいのは、皆さんが抱えている仕事のストレス、それがストレスであるかどうかを決定しているのは、その仕事自体なのではなく、私たち自身の「感情」だということです。(中略)
ストレスや不安があって当たり前なのです。したがって私たちがやるべきことは、ストレスやプレッシャーを感じる自分を責めるのではなく、「ストレスがあって当然!」とストレスを感じる自分を受け入れてあげることです。そうして「なんでストレスに感じるんだろう」と自分と向き合い、「じゃあどうやって解決しよう」と対策を練ればいいのです。

■P192より
では、これからの時代に必要とされるマネジャーとはどんなマネジャーなのでしょうか。
その答えが、本章で述べてきた「マネジャーシップ」を発揮できるマネジャーだと私は考えています。多忙とストレスを抱えた部下の不満や不安に寄り添い、先導や指導ではなく、フォローや伴走をすることによって、部下を支えることができるマネジャーです。
そして私は、この次世代のマネジャー像と女性の資質は非常に相性がよいと思っています。

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〓 3)今日の気づき                       〓
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目の前の仕事に全力投球することで、周りの人がその姿を見てチャンスをくれたり、新たな出会いがあったりするというのは、その通りだと思います。
どうせ何十年も先のことはデザインできないという前提に立って今の仕事に前向きに取り組めば、成果も出るでしょうし、心のバランスも保ちやすそうですね。

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〓 4)本書の目次                        〓
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プロローグ 「このままでいいのかな?」と悩むあなたへ
……ずっと働いてきたからこそ出てくる「不安」や「焦り」

PART1 私たちの「キャリアのリアル」を知ろう
……キャリアは「つくる」ものではなく「つくられる」もの

PART2 一人前のビジネスウーマンになる! 6つの具体策
……仕事は「なにを」やるかではなく「どう」やるか

PART3 日常のストレスに負けない! メンタルマネジメント術
……「心」の状態が上がると「行動」の質も上がる

PART4 自分スタイルでいい! 女性は次世代のマネジャー向き
……必要なのは「リーダーシップ」ではなく「マネジャーシップ」

エピローグ 幸せに働こう! 仕事は幸せな人生の1ピース
……「ワークライフバランス」とは「心のバランス」のこと

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働く女性 28歳からの仕事のルール
田島 弓子(著)
すばる舎 (2012/6) 231ページ