おはようございます。本シェルジュの村上知也です。

借金することが器の大きさだとは、あまり思いません。着実に自分の範囲で成長を目指すほうが自身にはあっているかなと考えています。一方でそうすると企業の成長スピードが上がらないので借金でレバレッジをかけて成長を指向する経営者もいる
でしょう。

今日紹介する本書も、本文中にレバレッジが17回出てきます。(こういう時、Kindleだと検索で回数カウントが簡単にできて楽ちんです)あまり、いい響きではないレバレッジの使い方だと思います。そのため、前半は読んでいて、胸がムカムカします。後半はレバレッジへの反省から、まっとうな方向へ進み始めた感じがしますね。

失敗する人間のほうが大きくなれるでしょうから、大失敗したあとにまた成功に進める人に対しては、妬み半分、羨望半分の複雑な気持ちが生まれてきます。そういう本こそ、学びどころがあるんじゃないかと思います。

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1)本日紹介する書籍
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「30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由」
ダイヤモンド社 (2014/7/18) 268ページ
杉本 宏之 (著)
AmazonURL:http://goo.gl/rzeBhZ

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2)本書を選んだ理由    どんな人が読むべき?
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こういうタイトルの本キライです。同じようなのがたくさんありますしね。特にネットなどでの自己紹介とかでは、山あり谷ありをストーリーで作れという鉄則があるのか、起承転結というか、大体4段階で構成されています。
→最初は絶好調で成功への階段を登る
→色んな失敗をしてどん底になる
→仲間に支えられて、奇跡の復活で今に至る
→だから俺の話を聞いて君たちも学びな
ネットでは、この後、情報商材の販売に繋がったりしますね。

本書も構成としては同じですね。ありきたりな構成といえます。でもこういう構成はキライなんですが、読んでみると辟易する場合と、ぐっとくる場合があります。本書の後半はぐっと来ました。

その差はどこにあるのでしょうね。失敗の規模?反省の度合い?助けれてくれた仲間たち?そんなことを考えながら読んでみるもよいですね。
また、Amazonの点数が割れているのは良い本であることが多いですね。全部満点のレビューとか気持ち悪いですが、本書は★5つが34個で、★1つが13個。好き嫌いがわかれる方が踏み込んだ本なんだと思います。全員から好かれる本なんて、ありえないですからね。

でも★1つのレビューもアンチというか、同感は出来るんですよ。
「こんなの金持ちの自己満足の本です」
「結局なぜもう一度企業を決意したのかわからなかった」
「自己正当化する内容でしかない」

こういったマイナスの気持ちと這い上がっていくポジティブな両面を感じられるのが本書を読む価値なんだと思います。逆境にいる方にはぜひ読んでもらいたいですね。

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3)付箋 ~本書からの内容抽出です
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この日、私が社長を務めるエスグラントコーポレーションは、東京地方裁判所に民事再生を申請した。負債 総額191億円。私個人として も、上場を果たしたことで得た100億円近い個人資産をすべて失い、逆に13億円ほどの借金を抱るところまで追い込まれていた。

 

「スギ、よく聞け。俺も今大変だ。でもな、経営者が落ち込んでいても誰も助けてはくれないんだよ」

 

「決断したよ」 私がそう言うと、湯藤と前田は無言のままでうなずいた。狭いオフィスは悲しいほどに静かだった。前田が数秒の間を置いて口を開いた。「わかりました」エスグラントはこの瞬間に、短い歴史の幕を閉じることが決まった。

 

紫原が、テーブルの上にコンサルティング契約書を出す。「杉本さんが落ち着くまで応援しようと思います」契約書には、コンサルティング料として月々15万円の金額が記載されていた。

 

「何をやるかより、誰とやるか、です。杉本さんはいつも言ってたじゃないですか。俺たちはもともとゼロからのスタートだった。何があっても、絶対に立ち直ってみせるって。僕 は、経営者として杉本さんを尊敬してるからこそ、ここまで一緒にやってきたんですよ。

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4)今日の気づき
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傲慢に見える著者を、こんなにも応援してくれる人がいるなんて意外に感じる。何をやるにしても最後は人であって、何をやるかより誰とやるかの方が大事というのもわかるが、どういったところに人間的魅力があったんだろうか。実際にお会いしたことがないから当然わからないわけで。
私は傲慢に見える人は避けてしまう。お互い謙虚で付き合えるほうが好きだ。そこら辺が自分の限界であったりするのかもしれない。最初の雰囲気などだけで判断するのではなく、もっと人の見方を変えないと行けないのかもしれない。
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5)本書の目次
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プロローグ〜経営者が落ち込んでいても誰も助けてはくれない
第1章 絶頂〜ワンルーム販売から、総合不動産業へ。そして都市開発
第2章 暗雲〜「傲り」を象徴する出来事が僕を蝕み始めていた
第3章 地獄〜暗闇の断崖を転げ落ちながら必死でもがき続けた
第4章 奈落〜民事再生、自己破産、絶望しそうな淵の底で
第5章 希望〜2年間は修行と決めて真にやりたい事業を見つけ出す
第6章 感謝〜どん底で知った感謝とともに新しい道を歩いて行く

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「30歳で400億円の負債を抱えた僕が、もう一度、起業を決意した理由」
ダイヤモンド社 (2014/7/18) 268ページ
杉本 宏之 (著)
AmazonURL:http://goo.gl/rzeBhZ

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