こんにちは!本シェルジュ・イレギュラーズの関です。
7回目の投稿です。

今回ご紹介するのは、真のエンディングノートともいうべき本。
肺カルチノイドという病気で昨年亡くなられた流通ジャーナリスト金子哲雄さんが、流通ジャーナリストになるまでの軌跡や、死の直前までの自分の闘病生活を綴った本です。
なんと、一時危篤に近い状態に陥った後に執筆したそうです。

この本、本当にすごいです。
何がすごいかというと、金子さんの仕事に対するプロ意識がすごい。
死を宣告されて、つらく苦しい闘病生活を続けながらも、死ぬまで働きたいといって、本当に最後の最後まで働き続けています。

自分はこんなに仕事に情熱を傾けられるのか、色々と考えさせられる本です。

<目次>
1)今日のオススメの一冊
2)付箋
3)今日の気づき
4)本書の目次

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〓 1)今日のオススメの一冊                   〓
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
僕の死に方 エンディングダイアリー500日
金子哲雄(著)
小学館(2012/11/27)205頁
http://www.amazon.co.jp/dp/409396520X

今回の登場人物紹介
■S:仕事に疲れ気味の本シェルジュ
■G:Sの同僚
-----------------------------

G:最近忙しそうだな。
S:結構忙しいよ。休日も仕事だし。のんびり旅行でも行きたいよ。
G:なにいってんだよ。この本読めよ。
S:?
G:この前亡くなった金子さんなんて、最後まで働きたいといって、死の直前にこの本まで書き上げたんだよ。そのくらいの気概を持って仕事しろよ。
S:そうなんだ。そうだな。仕事があるだけでもありがたい時代だしな。じゃあ今日も残ってがんばるか。
G:そうだよ。そうこなきゃ。じゃ、俺は飲み会があるんでお先に!
S:(おいおい、おまえは早く帰るのか…、なんだったんだ今の会話は…)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〓 2)付箋 ~本書からの内容抽出(引用)です          〓
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
注)ページ数は、2013/2/12、5刷のものです。

■「その時、確信した。大事なのは、自分なりの方法で相手を喜ばせることだ、と。人が「喜ぶこと」は、人それぞれ違う。千差万別だ。相手の「喜ぶこと」を見つけ出し、そこに応えてあげれば、それが回り回ってビジネスに結びつく。このオーナーにとっては、孫が宝物だった。だから、その孫の思いに応えてくれた私への信頼感は、飛躍的に増したのだ。」(36、37頁)

■「私が出演させていただいていた朝や昼のワイドショーは女性視点で作られていた。…私はそんな中で、主婦の目線で話ができ、かつビジネスに関連する話題も発信していける。こういう希有なポジションを獲得できたのだ。やっていて手応えもあった。まさにブルーオーシャン、「競争相手が極めて少ない世界」だ。」(58頁)

■「チャンスはどこに転がっているかわからない。ひとつだけ言えることは、自分はどんな仕事でも「グッドパフォーマンス」を心がけていたと言うことだ。どんなに小さな仕事でも、それは必ず「誰か」に向けられている。その誰かが喜んでくれるなら、それがたったひとりでも、私はうれしい。そう考えて、ずっと仕事をしてきた。」(69頁)

■「おかしな言い方だが、末期がんとわかって以降、仕事の喜びが増した。毎回、「この仕事が最後かもしれない」と思って仕事に臨む。そう思うと、ますます全力で取り組むことができた。仕事ができる喜びを体いっぱいに享受することができた。」(90頁)

■「『死に損ないかもしれないが、何か今からでも動けることがあれば、やらなければ』私は、そのことについて考え始めた。自分が生きてきた意味を問うていたのかもしれない。(147、148頁)

■「これ以上、妻に迷惑をかけるのも、自分としてはつらい。この本の校了をしたら、うまく死を迎えられればいいなというのが本音である。」(154頁)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〓 3)今日の気づき                       〓
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

自分の好きなことを仕事にする。
実現するのは難しいが、実現できると、仕事が本当の生き甲斐になる。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
〓 4)本書の目次                        〓
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

読んでくださる皆さまに 金子雅子
プロローグ 突然の宣告
第1章 流通ジャーナリストと名乗って
 数学の勉強はやめる-高2の決断
 石の上には1年でいい-腰かけ会社員生活
 喜んでくれたオーナー社長-講演会で生計を
第2章 昼も夜も時間が足りない
 一致した「嫌い」-妻が最初の視聴者
 女性週刊誌からテレビへ-競争相手の少ない世界
 お刺身3点盛り398円-スーパーが「経済の先生」
 「お金をかけずにデート」-アイドル並の過密スケジュール
第3章 発病。あふれてしまう涙
 9センチの腫瘍-病院で門前払い
 「咳、おつらかったでしょう」-仕事と治療と
 泣き続けた4日間-転移
第4章 最後の仕事は死の準備
 長引く肺炎-最後のラジオ出演
 東京タワーの足下に-葬儀の準備
 正しい死に方を学ぶ-高野山大学大学院へ
エピローグ 生涯無休
あとがき「これは、金子が用意した“スタート”です」-夫と併走した500日 金子雅子
会葬礼状

僕の死に方 エンディングダイアリー500日
金子哲雄(著)
小学館(2012/11/27)205頁
http://www.amazon.co.jp/dp/409396520X