本シェルジュの設楽です。さて、今回の本シェルジュではPRの本を紹介したいと思います。中小企業診断士の有資格者で構成されているこの「本シェルジュ」。企業との関わり方は人それぞれですが、中小企業の課題として大きなものの１つは「知名度」。大企業とは知名度が大きく差があるために、（業界問わず）販売面で苦慮する姿を見てきました。かといって、知名度を上げるために多額の広告費をかけるわけにもいきません。

そこで「０円ＰＲ」。サブタイトルとして「お金をかけずに顧客に愛されて売り上げを伸ばす方法」とあります。特にスマートフォンが完全に普及した今、多数のSNSで自社ＰＲをされているところはとても多いです。
ただ、SNSは基本的に「自薦」。仮に「お客様の声」をあったとしても、「本当かな」「自分（自社）にあてはまるかな」と懐疑心を持った経験はありませんか？　そこで重要となってくるのが「メディアＰＲ」です。テレビ、新聞、雑誌、ラジオ、Webメディア。様々なメディアがあります。

「最近もうテレビ見ないよね」「ウチにはテレビないし、新聞もとってないんだ」　そんな声もよく聞くようになりました。実際そうだと思います。ですが、その権威は失われていません。「テレビに出た」「新聞記事で紹介された」という事実は「他薦」のため、「メディアが認めた商品／サービス」として認知され、知名度向上に大きく貢献します。そんなメディアＰＲについて、かつて浅田真央選手が愛用した「エアウィーヴ」を一躍有名にし、現在は「PR塾」を経営する笹木郁乃さんの１冊を紹介します。

本日紹介する書籍

０円ＰＲ
日経BP (2019/12/20)　256ページ
笹木郁乃(著)
https://amzn.to/3RhARSU

本書を選んだ理由　～どんな人が読むべき？～

・自社の商品/サービスをPRしたい方
・企業の広報PR担当の方
・SNSを定期的に発信していても伸び悩みを感じている方
・PRプロデューサーとして企業の支援をしたい方

付箋　～本書からの内容抽出です～

P.20-21
広告というのは、会社が自分で広告料というお金を出す代わりに、好きなように情報を伝えます。（中略）それに対して、ＰＲというのは、自分以外の第三者に「いいね！」と言ってもらうこと。（中略）そこには、基本的にお金は介在しない。

P.22
発進されたのはいいけれど、見向きもされない情報が、どんどん増えているのが今の時代なのです。

P.32
いい商品、いいサービスで、きちんと売上を伸ばす。
いい商品、いいサービスを持っているのに、売上が伸びない。
両者の差を分けるのは「認知」です。

P.42
では、ＰＲの技を使って、最初に広めるべき情報は何か。それはズバリ「実績」です。（中略）重要なのは、あなたでない第三者が、いかにあなたの売る商品、サービスを評価して、買ってくれているかなのです。それが「実績」です。

P.56
だから、ＰＲで必ず、言語化していただきたいのは、あなたが提供する商品やサービスを購入することで、顧客がどのように変化するか。（中略）あなたの会社が提供する「変化」を明確に言葉にしていただきたいのです。（中略）さらに、変化したあかつきには、どんな「景色」が待っているかも、顧客にイメージしてもらいましょう。

P.71
どんなＰＲも、商品やサービスの優れた品質があってこそ効果がある、ということです。

P.111
ＰＲは漠然としたイメージ戦略ではありません。ＰＲは売り上げ拡大にきちっとコミットできる仕事、というのが、私の考えです。

P.166
ＰＲでは一生懸命働きかけても、掲載されるかどうかは、相手の考えひとつ。無駄骨に終わる可能性も高く、百発百中とはいきません。しかも、紹介される内容はまったくコントロールできません。

P.252
０円ＰＲ、いかがでしたか。この本では、ＳＮＳ活用とメディアＰＲを組み合わせて紹介しました。（中略）ＰＲの仕事は、結果に予測がつきません。でも、だから楽しい！

今日の気づき

ＰＲについて、本書から一部抽出させてただきましたが、メディアＰＲとＳＮＳの話が交差するように出てきます。これは両者が相互補完の関係にあることを示しています。

今の時代、誰でもＳＮＳで発信できます。そのＳＮＳにも種類、特徴があり様々です。ですが、情報量が多く、時にはうんざりすることもあります。そんな中、いかにして心に届くＰＲを行っていくか。
ハマれば、魔法のように会社が変わります。そんな体験、してみませんか？

本書の目次

◎はじめに ― なぜエアウィーヴは浅田真央さんに選ばれたのか?
Lesson1:有料広告の前に「0円から始めるPR」の時代
Lesson2:売れるストーリーは「変化+景色」
Lesson3:ツイッターにFB、インスタ、何がどう違う?
Lesson4:反響が反響を呼ぶ「段階的プロモーション」を目指そう
Lesson5:忙しい人のSNSは「FBだけ」でいい
Lesson6:侮れない基本ツール!自己紹介資料のABC
Lesson7:もしもテレビに出たいなら? 地道な努力が意外に効く
Lesson8:これが王道! 既存顧客の熱烈ファン化

０円ＰＲ
日経BP (2019/12/20)　256ページ
笹木郁乃(著)